最終更新日 2019/03/01

赤血球沈降速度

赤血球沈降速度とは・・・

赤血球沈降速度(せっけっきゅうちんこうそくど、erythrocyte sedimentation rate;ESR)とは、赤沈または血沈とも呼ばれる、血液学的検査の一種である。

【検査方法】
抗凝固剤と血液を1:4の割合で混合し、凝固を阻止した血液を中空のガラス管(ウェスターグレン管)に入れて垂直に立てると赤血球が沈降する。この赤血球が沈んでいくスピードを赤血球沈降速度(ESR)といい、一定時間(通常1時間)で赤血球の沈殿した上澄み部分(血漿)の長さ(mm)を測定する。

【基準範囲】
基準値は、男性で1時間値2~10mm、女性では1時間値3~15mmである。

【検査結果の解釈】
ESRは炎症の程度に相関して亢進するが、炎症初期の反応性は低い。炎症マーカーでは、炎症初期から上昇するCRP(C反応性タンパク)が有名であるが、長期に炎症が継続するような膠原病などの病態の経過を見ていくには、ESRの方が有用である場合もある。

■ESRが亢進する病態
ESRが亢進する病態としては、免疫グロブリンやフィブリノゲンが増加する炎症性疾患(急性・慢性)が主である。その他には血漿成分であるアルブミンの低下、炎症以外で免疫グロブリンやフィブリノゲンが増える病態、赤血球自体が減少している病態である。

具体的には、急性感染症(特に細菌性)、結核などの慢性感染症/炎症性疾患、膠原病、急性心筋梗塞、急性白血病多発性骨髄腫原発性マクログロブリン血症、その他の悪性腫瘍、貧血、ネフローゼ症候群、肝硬変などが挙げられる。

■ESRが遅延する病態
ESRが遅延する病態としては、上記の亢進する病態とは逆で、免疫グロブリンやフィブリノゲンが低下する病態、赤血球が増加する病態である。

具体的には、無ガンマグロブリン血症(先天性・後天性)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、低または無フィブリノゲン血症、赤血球増加症、脱水赤血球数が増加する)などが挙げられる。

【注意事項】
・採血後は室温(18~25℃)に保存して、2時間以内にできる限り早く検査する。
・抗凝固剤と血液の容積比1:4を正確にはかり、混和する。
・測定するガラス管(ウェスターグレン管)は垂直に立て、振動を与えない。
・生理的変動として、男<女、老年者・妊婦で亢進、月経時や運動・食事後で軽度亢進することがあるので、患者の状態を把握しておく。

執筆: 浅香葉子

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター副医長 救命救急センター

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