最終更新日 2017/12/22

急性心筋梗塞

急性心筋梗塞とは・・・

急性心筋梗塞(きゅうせいしんきんこうそく、acute myocardial infarction;AMI)とは急激な冠動脈血栓性閉塞により心筋虚血が誘発され、心筋細胞が壊死を来す重症疾患である。

その機序として冠動脈内のアテローム性プラーク(粥腫:血管壁に突出するように蓄積したコレステロールやその他の細胞)が破綻して、局所に急速に血栓が形成され、閉塞ないしは高度狭窄を引き起こすことが明らかにされている。

前胸部の絞扼感を伴い発症し、冠動脈完全閉塞の場合は通常心電図にてST上昇を認めるのが典型的である(ST上昇型急性心筋梗塞:STEMI)。発症経過とともに心筋の壊死が進行するため、発症早期に冠動脈血流を再開することが重要とされている。ひいては、早期に血流を再開することが患者の生命予後を改善することが証明されている。

現在では心筋梗塞の診断がつき次第、緊急での経皮的冠動脈治療(カテーテル治療)を施行することが世界中のガイドラインで定められている。カテーテル治療により心筋梗塞患者の予後は極めて改善した。

しかし、発症早期は不整脈および重症心不全による病状の急激な悪化が一定の確率で生じるため、注意が必要で集中治療管理が行われる。病状が安定した段階で行う心臓リハビリテーションや薬物療法がさらに患者さんの予後改善に効果的であり、重要視されている。

また、2次予防も重要な役割を果たしており、退院前の禁煙指導、食事指導(高血圧防止:塩分制限、コレステロール予防:脂質制限など)が再発率を低下させる。

執筆: 森山典晃

湘南鎌倉病院 循環器科

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