看護用語辞典 ナースpedia キーワード:感染症

感染症とは・・・

最終更新日 2019/02/05

感染症(かんせんしょう、infectious disease)とは、細菌、ウイルス真菌、原虫、寄生虫などの病原体が体内で増殖し、症状を引き起こすことである。

【原因】
原因となる病原体は、ヒトからヒト、動物、植物、昆虫、食べ物、水などを介して体内へ入り込むが、自分自身が元々持っている病原微生物が、免疫の低下により、感染症を引き起こすこともある(日和見感染症)。なお、生き物ではないが、タンパク質性感染粒子であるプリオンも感染症の原因となる。

【症状】
症状は発熱、気道症状、消化器症状など病原微生物と感染臓器によってさまざまである。まれに症状を起こさないまま病原体が死滅したり、潜伏したりする場合もある(不顕性感染)。

【感染経路】
ヒト同士の間でうつる感染症は、病原体によって感染の仕方が異なり、それによって感染予防策も変化する。

(1)接触感染
院内で問題となるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの多剤耐性菌、腸管感染症(クロストリジオイデス・ディフィシル菌、病原性大腸菌、ノロウイルスなど)、RSウイルス疥癬、ウイルス性結膜炎などは、感染者に直接触れる、あるいは感染者が触れたものに接触することで接触感染する。
感染予防には手指衛生のほか、手袋、ガウンなどを着用する必要がある。

(2)飛沫感染
インフルエンザ菌、ジフテリア、マイコプラズマ百日咳、溶連菌など呼吸器感染症を起こす細菌やインフルエンザ、アデノ、ライノ、ムンプス、風疹などのウイルスは、患者のくしゃみなどに含まれる飛沫を口やから吸い込むことで飛沫感染する。

患者の咳エチケット(咳をするとき手で覆う、マスクをする)や、周りの人のマスクの着用が感染予防に重要である。

(3)空気感染
麻疹水痘結核菌、SARSコロナウイルスは、病原体を含む飛沫が乾燥した小さな飛沫を吸い込むことで空気感染する。

なお、感染者は空気が外部に漏れないような独立空調の陰圧個室に収容され、免疫を持たない周りの人はN95マスクを着用する必要がある。

(4)経口感染
食べ物から感染するもの(経口感染)には、病原体そのものが症状を引き起こす感染型(サルモネラ菌、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌O157など)と菌のつくる毒素が症状を引き起こす毒素型(セレウス菌、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌など)がある。

感染予防には手指衛生が重要となる。

(5)その他
ヒト以外の脊椎動物から感染する感染症を人畜共通感染症という。クラミジアによるオウム病、エキノコックス属条虫の幼虫によるエキノコックス症、リケッチアによるQ熱、ツツガムシ病、日本紅斑熱、ブルセラ属菌によるブルセラ症などがある。

その他、破傷風など土の中に存在する病原体が体内に入り込んで症状を引き起こすものや、自然界に存在する真菌や原虫が感染を引き起こす場合もある。

【生体の働き】
上記、病原体が皮膚や眼、気道、口腔、消化管、泌尿生殖器などの粘膜のバリアを破って体内に侵入すると、免疫が防御機構として働く。免疫には、病原体の侵入に対して即座に反応する、非特異的な「自然免疫」と、少し遅れるが病原体それぞれに対抗して働く特異的な免疫である「獲得免疫」の二つが免疫反応の柱となる。

このような免疫反応が働く結果、感染症としてさまざまな症状が現れる。免疫力が低下すると、普段はヒトにとって脅威とならない弱毒微生物にも感染し、発症する。

執筆

柳井真知

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター医長

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◆がん看護の問題◆Cさんは40歳代の営業職の仕事を行っている男性です。非小細胞肺がんと診断され、「今後も仕事を継続しながら治療を行いたい」と話しています。
Cさんの治療は、抗がん剤であるビノレルビン酒石酸塩+シスプラチン療法を行うことになりました。
今後、骨髄抑制の副作用が予測されるCさんに対してどのような説明が必要でしょうか?

  • 1.抗がん剤投与から1週間は特に貧血に注意して生活をしてもらう。
  • 2.治療期間中は感染を防ぐため、仕事を控えるように説明する。
  • 3.血小板の減少は抗がん剤投与後3週間程度で起こるが、その時期は、自分で気づきにくい内出血に注意するよう説明する。
  • 4.白血球は抗がん剤投与後7~14日程度で最低値となるため、特にこの期間は感染に注意が必要である。
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