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2018年08月29日

精神科看護師のお仕事を徹底解説!どんな人が向いてる?役割は何?

精神科勤務の現役ナースへのインタビュー・アンケート取材から、精神科ナースの役割について紹介します。

 

6つのポイントでわかる

精神科看護師の役割とは?

精神科ナースのイラスト

 

 

 

【1】精神科ナースの役割4選

精神科のナースには、どのような役割があるのでしょう?

ここでは、特徴的な役割や、よく行うケア等をご紹介します。

精神科ナースの役割を表すイラスト。コミュニケーションによる心理ケア 患者状態のアセスメント セルフエア援助 デイケア・ナイトケアでの看護 与薬など

 

精神科ナースの役割1:コミュニケーションによる心理ケア

「患者-医療者間」の関係性を適切に築くため、コミュニケーションによる心理的ケアを行うことが、精神科ナースの大切な役割です。

 

精神科の最も一般的な治療は薬物療法ですが、精神疾患のある患者さんへの与薬は一筋縄ではいきません。

 

精神科には病識のない患者さんも多く、そのような患者さんは服薬を拒否する場合もあるからです。

 

だからこそ看護師として、患者さんに「この人の言うことだから、話を聞いてみよう」と思ってもらえるようなコミュニケーションに努めます。

こうして患者さんと適切な関係を築くことがケアの一環になります。
 

◆先輩の声

私の病院では、受け持ち担当制で患者さんに関わっています。

コミュニケーションは「何かお困りのことはないですか?」と検温のときに話しかけることから始めています。

 

そのときに、患者さんが何か話してくれれば、じっくりと話を聴きます。

「この人は、自分の話を聴いてくれる」と感じてもらうところから、関係性が始まるように思っています。

 

中には下を向いて「別に(話すことはないです)」とおっしゃる患者さんもいます。

そんなときには「あえて聞かない」判断も重要です。

 

看護師としては元気がなさそうな人には「どうしたんですか」「何かありましたか」と聞きたくなっちゃうんですけど…。

「今は話しかけるタイミングじゃないんだ」という判断も必要になります。

「話したくない」という意思表示があったのに、心配になって「どうかしましたか?」と聞き続けてしまい、患者さんが暴れだしてしまった経験を通して、そう学びました。

 

患者さんが話したくないときには、聞かないことで「この看護師は、自分の意思を尊重してくれてるんだ」というメッセージにもなります。

患者さんのタイミングを察知してコミュニケーションをとるのが大事だと考えています。

(公立病院 看護師8年目)

 

◆先輩の声

精神科の看護師は、患者さんとの間に適切な距離感を持って接する、ということを先輩から何度も教えられました。

先輩は「線引きがあるからね~」という言葉で伝えてくれていました。

 

私たちは、患者さんとの距離が近すぎると妄想を持たれてしまう場合もあります。

それが、患者さんの回復に悪影響を与えることはあってはならないのです。

 

私が経験した中では、1時間くらい患者さんの悩みを聞いていたときのこと。

「明日先生の診察があるけど、うまく伝えられるかなぁ」という患者さんの悩みでしたが、長時間、話を聞いていたことで患者さんは『自分の発言、すべてを肯定された』と感じたようです。

 

その『すべてを肯定された』という思い込みから、その後の医師の面談で「あの看護師は、こういうふうに言ったのに、医師はなんでそう言わないんだ!」と暴れ出してしまいました。

その経験を通じて「長時間、ただ聴くのもよくないときがある」と学びました。

 

あくまでも「患者と医療者」としてコミュニケーションをとることが大切なんです。

(精神科単科病院 看護師9年目)

 

◆先輩の声

「先生に言えないんだけど…」と、医師に言いづらいことを看護師に訴えてくる患者さんもいます。

一番多い訴えは「薬を減らしてください」というもの。

 

そういうとき、私の施設では、肯定も否定もせずに一緒に医師に伝えられるように介入していくケースが多いです。

もちろん、薬は患者さんからの訴えがあったからといって減らせないことも多いですが、医師の説明を聞くと納得する患者さんも多いですね。

 

患者さんとの信頼関係ができてくると「ご飯大盛りにしてほしいんだけど、怒られるかなぁ…」など、雑談に近い訴えも多くなってきます。

そういうときは、疾患による糖質制限などがなければ「医師に言ってみたらいいんじゃないですかね?」と伝えたりしています。

患者さんによっては、このような訴えが回復している兆しともとらえられるので、嬉しいですね。

(民間病院 看護師3年目)

 

 

精神科ナースの役割2:患者状態のアセスメント

患者さんの状態をアセスメントするのも、精神科ナースの大切な役割です。

 

精神科の患者さんは、自分の症状を的確に伝えられなかったり、反対に過剰に表現することがあります。

そこで、看護師が患者状態をアセスメントし、異変があれば医師に伝える業務が重要です。

 

「なんか変だな」と思うことがあれば、つぶさに医師に報告。

医師のオーダーで血液検査をしたり、造影CTなどの検査をするなど、次のステップへ進みます。

 

日頃のバイタル測定、体重測定もアセスメントのための、大切な業務です。

 

◆先輩の声

患者さんとの会話や訴えから、異常を察知します。

些細な会話も、ポイントを聞き逃さないのが重要なんです。

 

「いつも腕が痛いって言っているのに、今日はお腹が痛いって言ってる」というときは、医師に伝えてCTをオーダーしたりしていますね。

女性の患者さんの場合、「妊娠した」という訴えからCTを撮ってみると、腹部に腫瘍が見つかったという事例もありました。

 

ちょっとした「いつもと違う言動」から、「あれ、何か変だな」と気づき医師に伝えることが重要です。
(精神科単科病院 看護師9年目)

 

◆先輩の声

最近、朝・晩の体重測定のときにドキドキしています。

私の受け持ちに、多飲症の患者さんで1日に5~6リットルお水を飲む方がいて、今、飲水量を減らせるように一緒に頑張っているんです。

飲水制限がちゃんとできているか、それが如実に出る場面は体重測定なので、ドキドキするんです。

 

水を飲まないように、どうしたらいいか一緒に考えることもあります。

注意してしまうと、逆効果になることもあるのでアプローチは難しいです。

 

体重やバイタルサインをしっかりと測定しながら、患者さんの生活全体を支えるためのアセスメント。

その大切さを日々実感しています。

(民間病院 看護師3年目)

 

◆先輩の声

個人的に、排泄回数を把握することが精神科看護師のアセスメントの中でも特に重要だと考えています。

精神科のお薬は、副作用に便秘がある場合も多いです。

 

ずっと人知れず便秘を抱えていて、そのままイレウス寸前まで進行してしまった患者さんも看てきています。

そうならないように、全員ではないんですけど「排泄したら、トイレ内のナースコールを押してください」などと伝えることもあります。

実際の排泄物を見ないと、自己申告の回数が虚偽の可能性もあるからです。

 

排泄回数を把握することも、患者さんの安全を守るためのアセスメントとして重要です。

(公立病院 看護師8年目)

 

 

精神科ナースの役割3:セルフケア援助、デイケア・ナイトケアでの看護

精神疾患の症状により、患者さんのセルフケアレベルが低下していることも少なくないのが精神科の特徴。

そこでナースが、セルフケア援助を行うことがあります。

 

入浴介助、整髪やひげそり、トイレへの誘導、また必要に応じて買い物の代行や入院患者のお金の管理なども行います。

 

また、デイケア・ナイトケアを行う施設での看護も、精神科ナースの役割の一つです。

デイケア・ナイトケアというのは、精神的な疾患を患った人たちが、スムーズに社会復帰できるよう、日中や夜間の一定時間で患者さんのケアを行うものです。

 

作業療法士と一緒に行う生活習慣を取り戻すためのリハビリテーションが基本メニューとなるようです。

また、スポーツやゲーム、軽作業、お花見やクリスマスパーティなどのイベント・レクリエーションを通じて、社会復帰を目指す取り組みがなされています。 

 

その過程でも、ナースのアセスメントが重要になります。

 

◆先輩の声

私の病院は、デイケアが併設になっています。

病棟の看護師とデイケアの看護師、所属が別といった具合です。

 

病棟を退院して、外来通院や、デイケア・ナイトケアへ移行する患者さんも多いので、相互の情報共有が大切です。

退院した患者さんがデイケアやナイトケアで元気にしている姿を垣間見れると、嬉しくなりますね。

 

ただ、一時期落ち着いていたとしても、状態が悪化することもあるのが精神科の疾患の特徴。

再入院になったときには、逆に「デイケア・ナイトケア」の看護師から、利用時の状況を聞くなど、情報共有を行います。

(精神科単科病院 看護師9年目)

 

 

精神科ナースの役割4: 与薬(経口投与・静脈注射)

前述の通り、精神科における最も一般的な治療は薬物療法です。

そこで、与薬が精神科ナースの大切な役割になります。

 

病識のない患者さんも多い中、適切に投与できるように、「毎日決まった時間ぴったりに薬を持っていく」などの工夫をしている先輩ナースの声が聞かれました。

 

◆先輩の声

なかなか薬を飲んでもらえない患者さんの場合、私は「毎日決まった時間ぴったりに薬を持っていく」ようにしています。

そうすると、患者さんに「薬を飲む時間だ」ということが受け入れてもらいやすいんです。

変化を嫌う方も多いので、時間管理に気を配っています。

(精神科単科病院 看護師9年目)

 

◆先輩の声

与薬のときに大切なのは、基本的に看護師の前で飲み込んでもらうこと。

中には、うまく舌の裏に隠してしまい、あとで吐き出す患者さんもいるので。

本当に飲み込んだのかを確認することが重要です。

 

飲んだあとに患者さんに口を大きく開けてもらえれば確実なんですが、毎回そうもいかないです。

なので、与薬しつつ「今日体調どうー?」などと質問して、患者さんに話をしてもらうことで確認しています。

 

そうしないと、飲み込まずに薬を隠し、それをとっておいて一気に飲むことで自殺しようとする人もいるんです。

自殺を予防し、患者さんの安全を守るのも看護師の役割ですから、与薬のときはかなり気を配っています。

(公立病院 看護師8年目)

 

◆先輩の声

精神科の外来では、静脈注射で薬剤を投与する機会が増えてきました。

入院の患者さんに点滴するケースは、脱水症状が出ている場合の輸液などに限られてきます。

点滴を行う場合は、患者さんには看護師の目の届く場所にいてもらうことが基本のルールになっています。

 

私の施設では、そのほかの場合は、チューブも針も危険なのであまり点滴は行わないですね。

 

精神的に興奮しているときは、自己抜去やそれに伴う針刺し事故が危険ですし、点滴チューブを用いた首吊り自殺の危険もあるからです。

(民間病院 看護師3年目)

 

 

【2】精神科看護の急性期と慢性期、それぞれの特徴

精神科にも、他の主要な診療科と同様、急性期と慢性期があります。

それぞれの特徴と看護における留意点を紹介します。

 

精神科急性期の特徴

精神科急性期には、症状が悪化し集中的な治療が必要な精神疾患をもつ患者さんが入院します。

 

急性期の患者さんと関わる先輩たちに、その様子を聞きました。

 

◆先輩の声

患者さんが、自分たちの介入を受け入れてくれるのを待つのが、急性期の患者さんに対応する際の基本的なスタンスです。

急性期病棟に入院して最初のうちは、極度の興奮状態で、患者さんにとっても特につらい状態です。

関わり方を気をつけないと、余計患者さんを悪くしてしまうことがあります。

 

なので、急性期の興奮状態でどうしても与薬が難しそうなときは、主治医に報告したうえで「今は飲まなくていいよ」という判断をすることもあります。

辛抱強さが求められるなぁ、と感じますね。

(精神科単科病院 看護師9年目)

 

◆先輩の声

病識がない急性期の患者さんの場合、たとえば初めて「統合失調症と言われた」というように、診断名がついたことによるショックも受けています。

 

自分が病気だという認識がなく、病気だという事実を受け入れられないと、断薬につながっちゃうんですよね。

なのでどうにか投薬だけは受けてもらえるように、支えないといけないと痛感します。

 

薬が敵ではなくて、味方であることを伝えられるようなコミュニケーションをしたい、と日々勉強中です。

(公立病院 看護師8年目)

 

◆先輩の声

急性期で入院してきたときには、まったくコミュニケーションがとれなかった患者さんが、落ち着いてきたときには感動しますね。

投薬で症状が軽くなって、「看護師さん、ちょっと今日つらいことがあったから話聞いてくれない?」と伝えてくれたりもします。

 

そう言ってもらえると嬉しいですし、治療に取り組む患者さんをより一層支えたい、という気持ちになります。

(民間病院 看護師3年目)

 

 

精神科慢性期の特徴

慢性期の場合は、病室や病棟を「その人の生活の場」と認識している先輩ナースの声が多く聞かれました。

「その人主体の生活をしてもらう」ことを目標とし、患者さんの「生活の場」に医療者が介入している、という感覚のようです。

 

長期の療養が多い精神科ならではの特徴といえるでしょう。

 

◆先輩の声

私が勤務している慢性期病棟には、患者さんの自治会があります。

何か問題が起こったとき、検討すべき事項があったときに「病棟の自治会に聞いて」解決する方法をとるのです。

 

私が経験した中では「大浴場の順番待ちの方法」について議題になったことがありました。

 

大浴場は8人しか入れないのですが、みんな一刻も早く入浴したいんです。

その順番待ちをするために、洗面器での場所取りが慣習化されていました。

 

それがよくないんじゃないか、という声が挙がって、自治会で患者さん主体で話し合いを設けたところ「洗面器での場所取りはやめよう」という結論になりました。

 

このように、患者さんが生活しやすいように自分たちが主体で考えることが大事で、医療者はサポートするだけというスタンスが大切にされています。

(精神科単科病院 看護師9年目)

 

◆先輩の声

私は、精神科単科の病院に勤務しているのですが、日用品費をご家族からいったん預かる制度があります。

通称「お小遣い金制度」です。

 

自己管理が難しい患者さんに、社会性を取り戻してもらうため、金銭管理を一緒に行うことも精神科看護の一環だと思います。

 

患者さん同士の金銭トラブルを防いだり、お金についての余計な不安を患者さんに与えないために重要な制度です。

ご家族に持参いただいた日用品費の中から、主治医がその患者さんに渡す金額を決めます。

 

そうしないと、たとえば持っているお金をすべて投じて尋常じゃない量の缶コーヒーを買ってきてしまう人もいるんです。

それを一気に飲んだりすると、低ナトリウム血症や血糖値の乱高下、カフェインの過剰摂取など患者さんの健康を脅かす結果になります。

買いすぎを防止し、社会復帰に向けてケアを行うためにも、金銭管理は看護の一環として業務にあたっています。

(精神科単科病院 看護師9年目)

 

 

【3】精神科ナースの1日ってどんなスケジュール?

精神科ナースはどんなふうに日勤と夜勤を過ごしているのでしょうか?

3年目ナースのお話からタイムテーブルを作成しました。

 

 

精神科ナースのある日勤

※300床の民間病院、精神科30床の場合

精神科ナースの日勤の流れを表すイラスト。8:00申し送り 9:00患者さんのケア 11:30昼食介助、見守り 12:00昼休憩 13:00患者さんのケア、アセスメント 16:00記録 16:30申し送り 17:00終業

 

◆先輩の声

個人的に、日勤の業務で一番緊張感があるのが昼食介助です。

 

食事中は窒息が起こるリスクが高いからです。

配膳された食事を全部、口いっぱいに入れてかきこむように食べる患者さんが少なくありません。

 

危険がないかぎりは、その人の食べ方を尊重するように関わりますが…。

口いっぱいに頬張られるとヒヤヒヤすることは確かです。

(公立病院 看護師8年目)

 

◆先輩の声

私の勤務している病棟では、午後は作業療法としてレクリエーション活動をすることが多いです。

具体的には、カレンダーづくりや、パズルなどを行います。

 

その様子を看護師として見守り、ともに取り組む中でも「あの患者さんずいぶん積極的に頑張ってるな」など、病状のアセスメントにつながる発見がないか観察しています。

 

加えて午後は、入浴介助もあります。汗だくでやってますね。

日中は決まった時間の与薬や内服チェックが欠かせません。

(精神科単科病院 看護師9年目)

 

 

精神科ナースのある夜勤

※300床の民間病院、精神科30床の場合

精神科ナースの夜勤の流れを表すイラスト。16:30申し送り 17:00採血準備、与薬準備 18:00夕食介助、見守り 18:30バイタル測定、検査データチェック 19:00休憩 20:00就寝前ケア 21:00消灯 2:00仮眠(2時間) 6:00点灯 7:00朝食介助・見守り 8:30申し送り 9:00終業

 

◆先輩の声

私の病院では、患者さんの安全を守るため、保護室には頻回にラウンドを行います。

特に病状が重い患者さんが多いですが、夜しっかりと眠れている姿をみると安心しますし「回復に向かっている一つの傾向」のような気がするので、嬉しいですね。

(精神科単科病院 看護師9年目)

 

◆先輩の声

ラウンドは、毎回それぞれの病室に到着する時間がバラバラになるように心がけて回っています。

自殺を予防するためです。

毎回同じ時間に回ると「看護師が来ないこの時間帯に自殺しよう」と考える患者さんが出てしまうリスクがあるからです。

トイレで自殺を企てる患者さんもいるので、トイレの中もちゃんと確認します。

(公立病院 看護師8年目)

 

 

【4】新人看護師必見!精神科ナースの特徴

精神科ナースってどんな特徴がある?

現役ナースへの取材・アンケートからイメージを作成しました!

精神科ナースの特徴を表したイラスト。目:観察力 口:やさしい口調 手:腕力 腹:動じない 足腰:足が速い?  頭:冷静 耳:聞き上手 胸:ちょっと変わり者? がま口:危険手当

 

頭:冷静

興奮状態の患者さんの剣幕にも巻き込まれずにアセスメントできる冷静さ!

 

耳:聞き上手

患者さんとの高いコミュニケーション力。

話を上手に聞いたうえで話を切り上げたり、ときには聞き続けたり、医師につなぐなどの判断をします。

 

目:観察力

小さな変化や異変と捉える観察力!

 

口:やさしい口調

患者さんがナースに話してくれるときはケアのチャンス!やさしい口調で患者さんに応えます。

 

胸:ちょっと変わり者?

ほかの診療科の看護師が気づかない表情の変化や、物音に気づけるのが精神科ナース。

冗談まじりに「ちょっと変わり者」と言われる人が多いという声も。

 

手:腕力

腕力をはじめ、適切な力の使い方を、専門的に学ぶ人も多いようです。

興奮している患者さんには、普通の腕力では太刀打ちができません。

そのため、確かな知識に裏付けられた腕力の使い方を精神科ナースは知っているのです。

 

腹:動じない

予想外の出来事が起こってもどっしり対応する肝っ玉!

 

足腰:足が速い?

いざというときには、予想外の事態にもすぐに駆けつけられるよう、精神科ナースは足が速い?

 

がま口:危険手当

総合病院の精神科には「危険手当」がついている場合があります。

単科の病院にはありません。

※あくまでインタビューや取材から作成したイメージです。

 

 

【5】精神科ナースのキャリアプラン。5つの実例

精神科勤務、という経験からどのようなキャリアプランが考えられるでしょうか?

先輩たちの実例をご紹介します。

 

1)精神科→精神科

精神科から精神科へのキャリアプランを表すイラスト。

 

看護roo!のインタビューに答えてくれたナースの中には、精神科から別の病院の精神科に移る先輩が多い、という声が聞かれました。

 

◆先輩の声

精神科の看護は、患者さん一人一人の症例が違うので、その人に合わせた看護が必要になります。

そういう点に魅了されるので、私は同じ精神科でいろんな現場体験をしてみたいと思って、他病院の精神科へ移りました。

病院によって学べることが違うので、より深い看護経験ができています。

(転職時、看護師4年目)

 

 

2)精神科→消化器内科

精神科から消化器内科・外科へのキャリアプランを表すイラスト。

 

精神科のことを学んでいると、身体面で疾患の勉強をしたくなるという声も。

消化器内科へ移った先輩の声です。

 

◆先輩の声

精神科から消化器内科に転科したのは、精神科と内科の知識と技術のバランスがとれていると、より自分の看護力を高められると思ったからです。

たとえば、精神科の患者さんが衝動的な異食をしてしまい、胃洗浄を行ったりするケースもありました。

そのとき、解剖生理や内科の知識が必要だと感じ、しっかり勉強したいと思いました。

 

移ってみて一番実感するのは、精神面と身体面の相関性の高さです。

よくストレス性胃炎などとも言いますが、とくに消化器系の疾患は精神面とも相関性が高いので、精神科で学んだことが活きる場面もあります。

(転職時、看護師5年目)

 

 

3)精神科→訪問看護

精神科から訪問介護へのキャリアプランを表すイラスト。

精神科から訪問看護へ移る先輩の多くに、自分が担当した患者をより長く支えたいという気持ちがあるそう。

そこで、精神科の訪問看護を選ぶというケースもあります。

 

◆先輩の声

私が精神科で担当していた方は、実生活そのものにそれほど支障がないほどには回復しましたが、やはり長期的な観察が必要でした。

 

中には、途中で断薬してしまい、再入院してしまう患者さんもいます。

長期の治療・療養が必要な精神科だからこそ、地域での活動の大切さを実感しました。

いまは、継続的に患者さんを支えることにやりがいを感じています。

(転職時、看護12年目)

 

 

【6】精神科を目指す新人の疑問に先輩が答えた!Q&A

精神科看護師の先輩に新人ナースからの質問をぶつけてみました!

 

Q:精神科で一番大変だと思う業務は何ですか?

A:患者さんの安全に配慮することです。

精神科に勤務していて実感するのは、自分の一つ一つの行動が、患者さんの安全に直結するということです。

保護室の施錠はもちろんですが、ボールペンを1本置き忘れただけでも、重大なインシデントにつながりかねません。

 

精神科の病棟では、ベッドサイドに鍵付きの机を置くかどうかの判断一つでさえ、主治医の指示が必要です。

持ち込み制限が圧倒的に多いですね。

 

入院するときの持ち物チェック、ボディチェックも看護師が行います。

人権に配慮しつつ、危険なものを排除するのも看護師の役割です。

命に直結すると思うからこそ、緊張感があります。

(精神科単科病院 看護師9年目)

 

 

Q:精神科看護にやりがいを感じるのはどんなときですか?

A:看護師一人一人の持ち味が出るのが、精神科の良さだと思います。

精神科の看護って、診療科の中でも特に正解が出ない分野だと思うんです。

患者さんの訴えに対して、どう対応するかはもちろんですが、雑談でさえも、患者さんの回復に良い影響を与えたり、悪い影響を与えたりします。

 

異変を察知できるかどうかも、看護師の感覚によるところがありますし、たとえば妄想をひたすら話してくる患者さんへの返答に、正解なんてないです。

 

その看護師が、人としてその患者さんが見ている世界にどう関わるか。

その面白みが、精神科看護の醍醐味だと思います。

 

やりがいという点では、患者さんが回復していくのを見る過程で一番感じます。

どうにもコミュニケーションがとれなかった患者さんに、社会性が戻ってくると看護師としてとても嬉しいです。

(公立病院 看護師8年目)

 

★あなたの勤務先のリアルを教えてください!★

実際の現場では、多様な業務やエピソードが満載だと思います。病院規模や種別によっても違いがあることでしょう。

ご感想や意見・質問のほか、「私の病院はこんな感じですよ!」「こんな経験をしたことがあります」「“あるある”はこんなのもありますよ~」など「あなたの勤務先のリアル」をコメント欄へどしどしお寄せください。

 


(取材・文)看護roo!編集部、新田哲嗣

(イラスト)明(みん)

 

 

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今日の看護クイズ 挑戦者299

Bさんは独居の80歳代男性です。発熱のため、精査入院となりました。既往歴は糖尿病で、持参薬は3種類でした。担当看護師が、Bさんの持参薬を確認し、持参薬確認報告書を作成して主治医に提出しました。主治医からは、糖尿病治療薬を中止し、インスリンスケール対応とする指示を受けました。担当看護師は、Bさんの認知機能が良好であったことから持参薬の自己管理は可能であると判断しました。そこで、Bさんに糖尿病治療薬の服用中止を口頭で伝え、持参薬を自分で管理してもらうことにしました。その2日後、担当薬剤師がBさんに服薬確認したところ、服用中止のはずの糖尿病治療薬を現在も服用していることが分かりました。今後のBさんの服薬管理について、最も適切なものはどれでしょうか?

  • 1.Bさんにもう一度服薬指導をする。
  • 2.自己管理は中止し、看護師管理とする。
  • 3.Bさんにもう一度服薬指導をし、中止した薬は付箋を貼って分かるようにした。
  • 4.Bさんにもう一度服薬指導をし、中止した薬は看護師が預かった。
今日のクイズに挑戦!