最終更新日 2018/05/14

狭心症

狭心症とは・・・

狭心症(きょうしんしょう)とは、心臓筋肉(心筋)に酸素を供給している冠動脈の異常(動脈硬化・攣縮など)による一過性の心筋虚血で、胸痛・胸部圧迫感などの症状を生じる臨床症候群である。
冠動脈の高度狭窄や閉塞に伴って心筋が壊死を起こした疾患を心筋梗塞といい、狭心症では心筋壊死を認めない。
心筋虚血があっても胸部症状を認めないものもあり、無症候性心筋虚血と呼ばれ、糖尿病高齢者・心筋梗塞既往例に多い。

【分類】
■発症の誘因による分類
1)労作性狭心症
歩行・階段昇降などの体を動かした時に症状が出現する狭心症。症状は安静により数分、長くても15分程度で改善する。
2)安静時狭心症
労作に関係なく、安静時に症状が出現する狭心症。後述の異型狭心症、不安定狭心症がこれに属する。

■発生機序による分類
1)器質性狭心症
冠動脈壁の線維性に肥厚した安定プラークが増大した結果、血管内腔が狭窄して起こる虚血。
2)冠攣縮性狭心症
冠動脈の攣縮(けいれん)により、血管内腔が一過性に閉塞または狭小化する虚血。夜間、明け方の発作が多い。日本人・アジア人に多い。特に、発作の際に内腔が完全閉塞し貫壁性虚血を生じた場合には、心電図でST上昇が認められ異型狭心症と呼ぶ。
3)冠血栓性狭心症
冠動脈不安定プラークの破綻や冠動脈内皮びらんなどに血栓が形成し、急激に冠動脈内腔の狭窄・閉塞を生じる狭心症で急性心筋梗塞・突然死の要因となる。
4)微小血管性狭心症
心筋内の微小血管の狭窄・攣縮による虚血。運動時または安静時に症状を伴って虚血性の心電図変化を認めるが、冠動脈造影検査では冠動脈の有意狭窄を認めない。更年期女性に多く、閉経により血管拡張作用を持つエストロゲンが減少することで起こる。

■臨床経過による分類
1)安定狭心症
ある一定以上の労作により生じる。それ以下であれば症状を生じることがなく、発症頻度も変化がない。
2)不安定狭心症
急性心筋梗塞や突然死に至る可能性のある重症の狭心症である。3週間以内に始まり、最後の発作は1週間以内に生じた狭心症で、新たに発生した胸部症状や、症状の頻度が増加、持続時間が延長、疼痛が増強、薬剤の効果が悪くなったものが含まれる。

【原因】
糖尿病、脂質異常症高血圧症、喫煙、加齢、血管けいれんなど

【検査】
12誘導心電図
・運動負荷心電図
・ホルター心電図
・運動負荷心筋シンチグラム
・冠動脈CT
・心臓カテーテル検査(冠動脈造影)

【治療】
1)薬物療法:抗血小板薬・硝酸薬・カルシウム拮抗薬・β遮断薬など
2)経皮的冠動脈形成術(カテーテルインターベンション)
3)冠動脈バイパス術

執筆: 布施大輔

社会医療法人中山会宇都宮記念病院 循環器内科科長 救命救急センター

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