冠攣縮性狭心症(CSA)

『本当に大切なことが1冊でわかる循環器』より転載。
今回は冠攣縮性狭心症(CSA)について解説します。

 

木下智恵
新東京病院看護部
橘 綾子
新東京病院看護部

 

〈目次〉

 

 

冠攣縮性狭心症(CSA)はどんな疾患?

冠攣縮性狭心症(coronary spastic angina;CSA)は、正常な冠動脈が攣縮によって一過性に完全またはほぼ完全に閉塞し、それによって心筋虚血が起こることをいいます。

 

夜間から早朝にかけて症状が出現することが多く、喫煙者や常習飲酒者に好発すると考えられています。発作時はニトログリセリンを使用しますが、カルシウム拮抗薬で誘発が抑制されるため、就寝前と起床時に内服することで症状誘発を予防します

 

 

 

どんな検査をして診断する?

冠動脈造影検査(CAG)下でアセチルコリンまたはエルゴノビンを投与し、冠攣縮発作が誘発されるかを確認します(冠攣縮薬物誘発試験)。誘発にて冠動脈の狭窄が確認されれば、確定診断に至ります。硝酸薬(ニトログリセリン)によって発作を抑えます。

 

 

 

どんな治療を行う?

カルシウム拮抗薬などを使用して、狭心発作を予防します。

 


文献

  • 1)藤野彰子:ナーシングレクチャー 心疾患をもつ人への看護.中央法規出版,東京,1997.
  • 2)安倍紀一郎,森田敏子:病態生理,疾患,症状,検査のつながりが見てわかる 関連図で理解する 循環機能学と循環器疾患のしくみ 第3版.日総研出版,愛知,2010.
  • 3)医療情報科学研究所編:病気がみえる vol.2 循環器 第4版.メディックメディア,東京,2017.
  • 4)榊原記念病院看護部,鈴木紳編著:AMIケアマニュアル.ハートナーシング1992夏季増刊,メディカ出版,大阪,1992.
  • 5)日本循環器学会:ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版).(2019.09.01アクセス)
  • 6)黒澤博身総監修:全部見える 循環器疾患.成美堂出版,東京,2012.
  • 7)浦部晶夫,島田和幸,川合眞一編:今日の治療薬2018.南江堂,東京,2018.
  • 8)三浦稚郁子:「なぜ?」の理解で総復習&ステップアップ! 循環器ケアの成長ふりカエルチェッククイズ65.ハートナーシング 2013;26:5-65.
  • 9)酒井毅:読解プロセスですいすいわかる! 完全攻略炎の心電図ドリル50.ハートナーシング 2016;29(6):11-86.
  • 10)赤石誠監修:くすりのはたらきと使用ポイントがよくわかる! ナース必携!循環器の薬剤ガイド150.ハートナーシング2015年春期増刊,メディカ出版,大阪,2015.
  • 11)日本循環器学会:心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年改訂版).(2019.09.01アクセス)

 


本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

書籍「本当に大切なことが1冊でわかる 循環器」のより詳しい特徴、おすすめポイントはこちら

 

> Amazonで見る  > 楽天で見る

 

[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 循環器 第2版』 編集/新東京病院看護部/2020年2月刊行/ 照林社

SNSシェア

看護知識トップへ