最終更新日 2019/02/04

百日咳

百日咳とは・・・

百日(ひゃくにちぜき、whooping cough)とは、グラム陰性桿菌の百日咳菌(Bordetella pertussis)による急性気道感染症である。特有の痙攣性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする。無治療だとその回復までに約100日かかることから、「百日咳」という名前がついている。

【原因】
百日咳の原因は、飛沫感染、接触感染による感染とされている。

【症状】
典型的には全経過約1カ月半~3カ月と罹病期間の長い疾患であり、カタル期、痙咳期、回復期の3つの段階に分けられる。

・カタル期(1~2週間):7~10日間の潜伏期のあとに、閉や鼻汁が見られ、それに引き続き微熱やくしゃみ、流涙、結膜充血といった上気道炎のような症状が徐々に認められる。感染力が最も強い時期である。

・痙咳期(2~6週間):痙攣性の咳(痙咳)が続き、苦しくなって息を吸い込み吸気性の笛声が起こる(whoop)。このような咳嗽発作が繰り返されることを、レプリーゼと言う。乳児期では無呼吸発作を伴うことがあり、痙攣や呼吸停止へ進展することもある。

・回復期(2週間以上):痙咳期が弱まって回復期に入ると痙咳の数や重症度、持続期間は減少する。

【検査・診断】
百日咳の診断には培養検査、血清学的検査、遺伝子検査がある。ワクチンの接種歴や年齢、発症日数などに合わせて、検査を選択することが推奨されている。抗体検査では、東浜株(ワクチン株)と山口株(流行株)に対する抗体をチェックするが、最近ではPCR法やLAMP法による検査が迅速、有用である。

【治療】
百日咳が疑われる場合や診断が確定した場合は、治療と感染拡大を防ぐために抗菌薬を投与する必要がある。マクロライド系抗菌薬が推奨され、治療開始後5~7日で百日咳菌は陰性となる。
第二種学校感染症に指定されており、「特有の咳が消失するまで、または、5日間の適正な抗菌剤による治療が終了するまで」は出席停止とされている。

【予防】
予防には百日咳ワクチンの接種が有効である。日本では、DPT-IPV(四種混合ワクチン)が使用されている。しかし、その免疫は4年から12年しかもたず、成人患者が増加している。

 

引用参考文献
1)国立感染症研究所 感染症疫学センター、同 細菌第二部.“百日咳とは”.NIID 国立感染症研究所.
2)国立感染症研究所細菌第二部 蒲地一成.百日咳の検査診断.IASR.Vol.38,2017,33-34.
3)咳嗽に関するガイドライン第2版 作成委員会.“咳嗽に関するガイドライン第2版”.日本呼吸器学会.
4)“学校感染症と出席停止の基準”.公益財団法人 日本学校保健会.
5)奈良間美保.系統看護学講座 専門分野Ⅱ 小児看護学2.第13版,医学書院,2018.570p.(ISBN9784260019903)

執筆: 佐々木 朗

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター小児救急フェロー 救命救急センター

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