最終更新日 2018/06/07

鉄剤

鉄剤とは・・・

鉄剤(てつざい)とは、基本的に鉄欠乏状態に伴う貧血に対して使用される薬剤である。市販でもサプリメントとして購入することも可能である。また内服困難な場合は注射剤も使用される。鉄剤を使った治療期間は特に決まっていない。適宜血液検査血清鉄ヘモグロビン値を測定し決定される。

鉄欠乏性貧血とは、鉄欠乏が原因でヘモグロビン合成が障害される小球性低色素性貧血のことである。そもそも赤血球は、ヘモグロビンというタンパク質の働きによって酸素を運搬することができている。このヘモグロビンは、α鎖とβ鎖からなるグロビンにヘムという酸化鉄が結合することで構成されている。よって鉄成分が体内に十分に存在しない場合には、ヘモグロビンが合成できないため、赤血球も合成できず貧血となる。

鉄欠乏性貧血の原因には、鉄吸収阻害(切除後、無胃酸症、吸収不良症候群)、需要増大(成長期女性、妊娠授乳)、排泄増大(月経過多、子宮筋腫、慢性消化管潰瘍)がある。検査では血清鉄40μg/dL以下、TIBC上昇、UIBC上昇、血清フェリチン低下を認める。

鉄剤は、稀ではあるが大量内服をすると急性中毒となる。中毒量は20mg/kg以上で、致死量は60mg/kg以上とされている。症状は悪心、嘔吐下痢腹痛意識障害、痙攣などである。治療は、早期であれば胃洗浄や鉄キレート剤の投与などがある。

執筆: 建部将夫

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター 救命救急センター

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