最終更新日 2019/03/12

授乳

授乳とは・・・

授乳(じゅにゅう、nursing)とは、乳児に乳を与えることである。母乳を与える場合と、調製粉乳による人工乳を与える場合がある。授乳は単に乳児の食事というだけではなく、母親と子どもの絆を強める大切な時間でもある。

(1)母乳
母乳の中でも、分娩後(産褥)数日間に分泌される乳汁を初乳という。母乳は日ごとに変化していき、初乳から移行乳を経て一定成分の成乳となる。
母乳の乳汁分泌には、主に下垂体ホルモンであるプロラクチンとオキシトシンが関与しており、どちらのホルモンも乳児の吸引刺激によって分泌が促進される。
母乳栄養の特徴として、乳児の吸引刺激によって分泌されたオキシトシンが子宮を収縮させ母体の回復を促進する、栄養価に富む、乳児の免疫機能を補うという利点がある。その一方で、母乳性黄疸やビタミンK不足を引き起こすことがあるという欠点もある。

(2)人工乳
何らかの理由で母乳が与えられない場合は、調製粉乳による人工乳が使用される。現在では母乳の代用品としての調製粉乳の品質も向上し、母乳の場合と比べても大差なく育児ができるようになっている。また、母乳では不足することがあるビタミンKも、人工乳では摂取できる。しかし、母乳に含まれる免疫グロブリン(IgA)は得られないため、乳児栄養は原則母乳が優先される。

(※2019年3月より乳児用液体ミルクも販売が開始されました)

執筆: 佐々木 朗

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター小児救急フェロー

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