最終更新日 2023/10/31

動脈硬化

動脈硬化とは・・・

動脈硬化(どうみゃくこうか、arteriosclerosis)とは、動脈の血管が硬くなって弾力性が失われた状態のことを指す。血管の老化ともいえる状態。

 

【症状】
動脈硬化自体は症状がないことがほとんどである。
しかし、動脈硬化が進み、心筋梗塞狭心症などの冠動脈疾患へと進むと、それに伴う胸痛、息切れといった症状や、脳梗塞による麻痺意識障害といった症状が出現するようになる。

 

【検査】
健康診断で脂質異常・高血圧高血糖などがみられ、動脈硬化が疑われる場合、下記のような検査が行われる。

 

動脈硬化が疑われる場合の検査には大きく分けると形態学的検査法と血管機能検査法の2つがある。

(1)形態学的検査法
超音波検査やCT、MRI検査などで血管のプラークの評価などを行う。
カテーテル検査もプラークの評価に用いることができるが、侵襲的検査であるため、動脈硬化性疾患が疑われたときに行われることが多い。

(2)血管機能検査法
足関節上腕血圧比(ankle brachial index ;ABI)や脈波伝播速度(brachialankle pulse wave velocity ;BaPWV)、血管内皮機能などが挙げられ、これらは主に血管の弾性を評価している。

 

【診断】
明確な診断基準はない。上記の検査などから総合的に判断する。

 

【治療法】
動脈硬化自体に治療という概念はあまりないが、予防については多くの推奨がある。これについては予防の項目を参照。

 

【原因】
動脈硬化は肥満、高血圧、喫煙ストレス、加齢、肥満などの危険因子が重なり起こりやすくなる。

 

【予防】
動脈硬化症は脂質異常症などの生活習慣病とも関連が深く、食事(アルコール含む)や運動禁煙など生活習慣を変えることで、肥満や高血圧、脂質異常症などの動脈硬化症の危険因子を予防することができる。

 

ほか、冠動脈疾患や閉塞性動脈硬化症・脳梗塞などを動脈硬化性疾患と呼ぶ。動脈硬化性疾患のリスクに応じてLDLコレステロールの管理を行うことがガイドラインでは推奨されている1)

 

【引用・参考文献】
1)日本動脈硬化学会.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版,2022,p211.

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