病棟に馴染めず、転職サイトばかり見てしまう|バク先生のナースお悩み相談室【26】

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バク@精神科医

精神科専門医

 

今回のお悩み

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看護師1年目です。今の病棟の教育体制や忙しさに馴染めず、毎日転職サイトを見ては「他の病院ならもっと人間関係がいいのでは」「もっと教育が丁寧なところがあるのでは」と考えてしまいます


今は急性期にいますが、もっとゆったりした回復期や慢性期に行けばよかったと後悔ばかりしています。ただ、1年未満で退職するのは印象が悪いだろうなと思い、今の病院を辞める決心はつけられないでいます。


ずっとふわふわとした気持ちで、目の前の業務に身が入らず、結果的に成長も遅れている気がして焦っています。どういう考え方をすれば、今の状況から一歩踏み出せるでしょうか。

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なかなか決断できないときって、実は「判断材料がそろってないだけ」のときがあるんです。


そんなときにおすすめな解決法をお伝えします!

 

「行動しているつもり」になってない?

こんにちは、バクです。

 

ずっとふわふわとした気持ちで、目の前の業務に身が入らず、結果的に成長も遅れている気がして焦って、どうにかしようとして、転職サイトをなんとなく毎日見てしまう…。

 

でも、その「他にいい職場があるはず」という気持ちのまま転職したとしても、たぶんなんですけれども、次の職場でも同じことを繰り返してしまうかもしれません。

 

ズバッと言ってしまうと、「転職サイトを見る」が、もう「何かやった感」になってしまっていないでしょうか?

 

毎日転職サイトを開く。最初は本気で転職を検討していたかもしれません。でも今はどうでしょう。

 

情報を集めているようでいて実は、「ここじゃないどこか」を眺めて一瞬気をまぎらわせている。そんな状態になっていませんか?

 

私もしんどい時期に「もう、医者自体辞めて別のことでもしようかなぁ…」とぼんやり考えていた時期があるので、ちょっとだけ相談者さんの気持ちが分かるような気がします。

 

でも、あれは検討してるんじゃなくて、現実から目をそらすための儀式なんですよね。

 

そして儀式が終わってもストレス源は消えてないので、また求人を見る。「行動しているつもり」になれるぶん、ただ落ち込むより実は結構、たちが悪いかもしれません。

求人を見続けてします看護師のイメージ画像

転職を判断する材料がそろっていないのかも

「今、どこそこに、こういう理由で転職するぞ!」と判断する材料が、相談者さんにはそろってないから今の状態がグルグルと繰り返されているようにも見えます。

 

急性期じゃなく回復期にすればよかった」と思うお気持ちも分かります。ただ、入職して数カ月の今、それを判断できる材料って実はほとんどないんです。

 

今しんどいのは「急性期だから」なのか、「1年目だから」なのか、「この病棟だから」なのか。当人である相談者さんにも実はまだ分からない謎な部分なのではないでしょうか。

 

判断するなら、せめてこれが見分けられる時期まで待ったほうがいいように思います。今決めると、「逃げたい気持ち」という1個しかない材料で結論を出すことになります。それは「判断」とは言えないでしょう。

 

それに、いざ面接で「志望動機は?」と聞かれたとき、あなたの真面目さだと言葉に詰まってしまうと思うんですよね。

 

半年後の自分に「丸投げ」しちゃおう

ここで提案です。

 

判断は、半年後のあなたに丸投げしましょう

 

どういうこと!?と思われるかもしれませんが、

 

「辞めるかどうかは、今の自分が決めない。半年後の自分に投げる」と、ひとまず決めてしまう

 

―という作戦を立ててみました。

 

これを選ぶと良いことが一つ起こります。今やることを1個に絞れるんです。

 

逃避先になってしまっているかもしれない転職サイトを閉じて、目の前の毎日の業務だけをやる。これだけになります。

 

半年後の自分は、絶対、今のあなたよりずっと多くの判断材料を持っています。仕事の流れが分かってる。先輩との距離感もつかめてる。「合わない」のか「慣れてないだけ」なのかも、今より絶対見えているはずですよね。

 

そして半年やってみて、それでも「やっぱり違う」と思えば、そのときの決断は「逃げ」ではなく、れっきとした「判断」になります。1年未満の退職を気にしているのなら、なおさら半年やってから動いたほうが、印象も勤続期間も両方、今よりずっとよくなっているはずです。

 

それに、毎日転職サイトを眺めながら「辞めようかな、でも…」を繰り返している間に、結局1年経ってしまうことってあるあるなんです。怖いことに迷っている時間も、地続きで日々は進んでいく―。

 

だったらその時間、向いてるか向いてないか分からない目の前の業務に、1日1日できる限り力を使ってみる。そのほうが、未来の自分に渡せる経験がちゃんと増えるし、絶対身についてると思うんですよね

 

判断を棚上げして、いったん集中してみる

最後に、「身が入らない」「成長が遅れてる気がする」と焦ってしまうとのことですが、入職から数カ月で迷いなくバリバリ働ける1年目のほうが、正直珍しいです。ふわふわしているくらいじゃないと下手したら適応障害になりかねない気もします。

 

ただ、ふわふわしたまま1年が過ぎるのはちょっともったいない。

 

判断をいったん棚上げして、半年だけ目の前に集中する。だまされたと思って、ちょっとだけ目の前の業務に向かってみませんか?

 

半年後、たぶん今とは違う景色が見えてると思いますよ

 

いや、「言うは易(やす)し」なんですけれど。

 

ではでは、また来月お会いしましょう。

 

執筆

バク@精神科医

ADHDをはじめとした発達障害持ちの元文系。理転した後、無事に医学部に合格。国家試験も何とかクリアしたものの、専攻した内科で適応障害になり休職し、精神科医として無事?復活。精神科でジェンダー外来を通じ自分の性自認が完全に無いことに気付く鈍感さ。そんなアセクシャルながらもご縁があって結婚できた、いろいろぼんやりしている精神科医。
雑誌連載や書籍を出したり、依頼があれば講演会をしたりしながら「生きてみるもんだなぁ」と日々感謝しながら今日も日本のどこかで働いている、はずです。

 

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編集:北井 寛人(看護roo!編集部)

 

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