【2021年版】看護師の平均年収は492万円|手取りやボーナス、給料まるごと解説

看護師の2021年版平均収入のアイキャッチ画像。いずれも平均で年収492万円、月収34万円、ボーナス86万円

 

看護師は「年収が高い」というイメージを持たれることも少なくありませんが、実際の年収・給料・ボーナスはどのくらいなのでしょうか?

 

年代別・地域別の違いや、看護師の収入に大きな割合を占める夜勤手当の平均額など、最新データをもとに、看護師の平均年収・給料をまるごと解説します。

 

データ出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」、日本看護協会「2019年病院看護実態調査

※令和2年賃金構造基本統計調査は「2020年6月分の給与と2019年支給分のボーナス」を調査対象としています。各数値の計算式は文末に記載。

 

 

1.看護師の平均年収は492万円

厚生労働省の調査によると、

看護師の平均年収は491万8300円(平均年齢41.2歳)となっています。

看護師の平均年収2021年版の図表。平均年収は491万8300円、平均年齢41.2歳、月収33.8万円×12+ボーナス85.8万円

 

ただし、これは年間のボーナスのほか、夜勤手当や残業代、通勤手当といった各種手当も含んだ総額です。

 

また、手取り額ではなく、所得税や社会保険料などが引かれる前の、いわゆる額面の金額となっています。

 

一般に額面の75~80%が手取り額となるので、看護師の手取り年収は平均360万~390万円、ボーナスを除いた手取り月収は平均25万~27万円と考えられるでしょう。

 

 

2.看護師の年収・給料の内訳は?

次に、看護師の年収・給料の内訳を確認していきましょう。看護師の年収・給料は、

 

  • 基本給
  • 夜勤手当
  • 残業代(時間外手当)
  • ボーナス

 

ーの4つが主なもので、このほかに通勤手当や家族手当、住宅手当などのその他手当が付くのが一般的です。主な4つの内訳について、それぞれ見ていきましょう。

 

 

看護師の基本給は月25万円前後

日本看護協会の調査によると、

 

  • 新卒看護師の基本給 約20万円
  • 10年目・非管理職の看護師の基本給 約24.5万円

となっています。

 

年齢や経験年数、役職の有無などによっても異なってきますが、看護師の基本給は約20万円からスタートし、年4000~5000円ずつ昇給、10年目で25万円前後となるのが一般的な額と言えるでしょう。

 

 

 

看護師の夜勤手当は年40万~60万円

看護師の年収・月収には「夜勤手当」がかなりのウェイトを占めています

 

日本看護協会の調査から、夜勤手当の平均額をまとめました。

 

  3交代 2交代
準夜勤 深夜勤
平均手当額 4,141円 5,033円 11,026円
平均回数 月3.8回 月3.8回 月4.7回
平均手当額×回数 34,861円 51,822円

出典:2019年病院看護実態調査(日本看護協会)、3交代の平均夜勤回数(7.6回)は準夜勤と深夜勤で均等に除した

 

上のデータを見ると「看護師は毎月の給料のうち、平均3.5万~5万円を夜勤で稼いでいる」と言えるでしょう。

 

つまり平均年収492万円のうち、40万~60万円は夜勤手当分という計算になります。

 

まさに「負担の大きい夜勤をこなしてこその高い給料」という実態がうかがえます。

 

 

看護師の残業代は年12万~14万

看護師の場合、残業代が収入に占める割合はあまり多くありません。

 

看護師の1カ月あたりの残業時間は、厚労省の調査では平均6時間、日看協の調査では平均5.2時間となっています。

 

このデータや基本給などを基に残業代(時間外手当)を計算すると、およそ月1万~1.2万円年間では12万~14.4万円ほどとなります。

 

 

 

看護師のボーナスは年86万円

厚労省の調査によると、看護師の年間ボーナス額は平均85万7500円となっています。

 

さらに詳しく年代別・男女別に見てみましょう。

看護師の年齢別男女別ボーナス額の表。20-24歳は女性49.7万円、男性42.9万円。25-29歳は女性75.1万円、男性78.5万円。30-34歳は女性78.3万円、男性84.5万円。35-39歳は女性81.8万円、男性84.6万円。40-44歳は女性91.4万円、男性97.0万円。45-49歳は女性100.9万円、男性105.0万円。50-54歳は女性102.9万円、男性116.8万円。55-59歳は女性107.4万円、男性90.6万円。60-64歳は女性79.0万円、男性97.3万円。65-69歳は女性52.1万円、男性45.4万円。ボーナスは年額

※ボーナスは年間の支給額です。

 

看護師のボーナスは年間40万円台からスタートし、40代後半~50代で100万円前後に達するのが、例年の傾向となっています。

 

 

 

3.准看護師の平均年収は413万円

なお、准看護師の平均年収は次のようになっています。

 

准看護師(平均年齢50.1歳)

平均年収 413万100円

 

  • 平均月収:28万8000円
  • 平均月給(夜勤手当や時間外手当を除いた給与):26万9000円
  • 平均ボーナス(年間):67万4100円

 

 

4.看護師の年収は男女別・年代別・地域別でどう変わる?

看護師の年収を男女別や年代別、地域別などで見ると、どんな傾向があるのでしょうか。

 

 

【男女別】男性看護師のほうが年収はやや高め

男性看護師と女性看護師の平均年収・給料は、次の通りです。

 

男性看護師(平均年齢38.8歳)

平均年収 505万9000円

 

  • 平均月収:34万9300円
  • 平均月給(夜勤手当や時間外手当を除いた給与):31万8400円
  • 平均ボーナス(年間):86万7400円

 

女性看護師(平均年齢41.5歳)

平均年収 490万200円

 

  • 平均月収:33万7000円
  • 平均月給(夜勤手当や時間外手当を除いた給与):30万7800円
  • 平均ボーナス(年間):85万6200円

 

看護師の年収を男女別で比べると、男性看護師の方が16万円ほど高くなっています

 

女性看護師は子育てなどで働き方に制限がある人が少なくないほか、男性看護師の場合、勤務先が大きい病院であることが多かったり、家族手当が多く付いたりすることなどが影響しているとみられます。

 

 

【年代別】看護師の年収は50代後半でピークに

看護師の給料は年齢によってどの程度アップしていくのでしょうか。年代別の推移を見てみましょう。

 

看護師の年齢別月収と年収の棒グラフ。20-24歳は月収28.5万円、年収391.9万円。25-30歳は月収31.3万円、年収450.4万円。30-34歳は月収31.9万円、年収460.6万円。35-39歳は月収32.8万円、年収475.2万円。40-44歳は月収34.1万円、年収500.2万円。45-49歳は月収35.9万円、年収531.3万円。50-54歳は月収37.2万円、年収549.4万円。55-59歳は月収38.0万円、年収563.2万円。60-64歳は月収33.3万円、年収478.7万円。65-69歳は月収30.4万円、年収417.3万円。

※女性看護師のみの集計です。

※月収=夜勤手当や時間外手当、通勤手当、家族手当等の各種手当を含んだ額面の金額。

 

 

看護師の平均年収は20代前半の約390万円からスタートして、50代後半の約560万円でピークとなっています。

 

年齢を追うごとに金額はアップするものの、20代後半から30代では、子育てなどで短時間勤務や残業・夜勤のない働き方をする人も多いことが影響し、それほどの伸びは見られません。

 

 

【都道府県別】平均年収ランキング、高め・低めの地域は?

看護師の年収に地域差はどのくらいあるのでしょうか。都道府県別にデータを集計しました。

 

都道府県別看護師の平均年収の棒グラフ、全国491.8万円、北海道485.5万円、青森540.5万円、岩手466.6万円、宮城495.5万円、秋田515.4万円、山形460.0万円、福島457.1万円、茨城504.5万円、栃木496.6万円、群馬445.6万円、埼玉516.0万円、千葉496.5万円、東京519.1万円、神奈川521.8万円、新潟490.1万円、富山515.3万円、石川513.3万円、福井504.6万円、山梨501.9万円、長野476.2万円、岐阜530.4万円、静岡513.9万円、愛知510.4万円、三重463.8万円、滋賀495.3万円、京都506.8万円、大阪498.4万円、兵庫501.2万円、奈良504.2万円、和歌山495.6万円、鳥取476.4万円、島根476.4万円、岡山458.7万円、広島493.6万円、山口492.0万円、徳島504.3万円、香川468.1万円、愛媛444.3万円、高知440.7万円、福岡463.3万円、佐賀451.1万円、長崎482.3万円、熊本424.4万円、大分405.0万円、宮崎454.9万円、鹿児島444.0万円、沖縄453.8万円

 

都道府県ランキングは調査年によって順位の変動がありますが、例年、首都圏や大阪、愛知などの都市部は平均より高く、九州、四国地方は低めの傾向が見られます。

 

厚労省の最新データによると、最も年収が高かったのは青森の540万5000円。次いで岐阜(530万4000円)神奈川(521万8400円)の順となっています。26都府県が全国平均を上回りました。

 

一方、平均年収が最も低かったのは大分(405万円)で、次いで熊本(424万4200円)高知(440万6700円)となりました。

 

 

 

【規模別】施設規模が大きいほど年収は高め

勤務先の施設規模によって、看護師の平均年収にどのくらい差があるかを見てみましょう。

 

職場の規模別 看護師の平均年収

【職員1000人以上】

521万5500円(平均年齢37.3歳)

【職員100~999人】

479万7700円(平均年齢42.6歳)

【職員10~99人】

456万800円(平均年齢46.6歳)

 

もちろん施設規模だけで給料が決まるわけではありませんが、傾向としては一般的な企業と同じく、「規模が大きいほど年収が高く、平均年齢は若くなる」という特徴が見られます。

 

 

5.看護師の年収は本当に高いの?

世間では「看護師=年収が高い」というイメージが強くありますが、実態はどうなのでしょうか?

 

ここからは、看護師とほかの職種の平均年収などを比べてみます

 

 

最新データでは全職種との年収比較に変化…?

看護師の平均年収をほかの全職種と比べてみた場合、

 

  • 看護師の平均年収は、全職種平均と比べると、やや低い

 

  • 看護師の平均年収は、女性の職業の中では100万円ほど高い

 

という状態が続いていました。

 

ところが、今回の厚労省の調査では「看護師の平均年収が、全職種平均をやや上回る」という結果になっています。

 

2021年版看護師と全職種の平均年収の比較表。看護師491.8万円、全職種487.3万円。看護師(女性)490.0万円、全職種(女性)381.9万円

看護師と全職種の平均年収比較について2016~2020年の5年間の推移グラフ。2016~2019年は全職種の平均年収のほうが看護師より高いが、2020年はわずかながら逆転している。ただし、全職種の女性平均よりは看護師が常に高い

 

 

今回の調査データを詳細に見ると、全職種では固定給(基本給や職種手当など)は例年とほぼ同じだったのに対し、超過勤務手当(時間外手当・深夜勤務手当・休日出勤手当など)が目立って減少しているのが特徴的です。

 

一方、看護師にはそうした変化は見られません。

 

今回の厚労省の調査は「2020年6月分の給料」をベースとしており、新型コロナウイルス感染症の流行によって、一般の職種では業務時間の短縮があったことなどが結果に影響している可能性が考えられます。

 

ただし、新型コロナの対応が長期化し、医療機関の経営にもマイナスの影響が出ています。看護師をはじめとする医療従事者も給料やボーナスが減額されているケースが指摘されており、単純に「看護師は高年収で、新型コロナによる経済的な影響もない」とは言えません

 

今後のデータを含めて見ていく必要があるでしょう。

 

 

看護師と全職種の平均年収、30代後半で逆転

看護師と全職種の平均年収を、さらに年代別に見てみます。

 

年代別の平均年収比較の折れ線グラフ。20ー24歳、25-29歳は看護師の平均年収が全職種、全職種(女性)よりも60万~100万円ほど上回るが、35―39歳で看護師と全職種が逆転、以降は全職種の平均年収のほうが高い。ただし、全職種(女性)に比べると看護師がどの年代も上回る

 

いわゆる新社会人世代に当たる「20~24歳」を見ると、全職種平均が約310万円(女性平均は約300万円)なのに対して、看護師は390万円で、頭ひとつ飛び出しています

 

 

 

その後は、女性平均と同じようなカーブを描いて年収は伸び悩み、30代後半になると男性を含む全職種平均と逆転します。

 

年収総額ではわずかに上回ったとはいえ、働き盛りでベテランでもある30代以降で比べれば、看護師の平均年収が特別に高いわけではないということがわかります。

 

ただし、女性の職業の中では、やはり年収の高い職業であることは間違いないでしょう。

 

 

【職種別】年収ランキング 看護師は25位

さまざまな職業の中で、看護師の年収はどのくらいなのでしょうか。

 

厚労省の調査によると、女性の職業(146職種)の中で看護師は25位でした。

 

2021年版女性の職種別年収ランキング上位30位までの表。1位は医師1183.3万円、2位は大学教授1021.4万円、3位は大学准教授843.9万円。以降の順位は4位:管理的職業従事者、5位:公認会計士・税理士、6位:歯科医師、7位:小中学校教員、8位:大学講師・助教、9位:高校教員、10位:助産師、11位:その他の経営・金融・保険専門職業従事者、12位:著述家・記者・編集者、13位:研究者、14位:獣医師、15位:システムコンサルタント・設計者、16位:法務従事者、17位:薬剤師、18位:航空機客室乗務員、19位:鉄道運転従事者、20位:化学技術者、21:秘書、22位:企画事務員、23位:その他の情報処理・通信技術者、24位:輸送用機器技術者、25位:看護師、26位:金融営業職業従事者、27位:保健師、28位:機械器具・通信・システム営業職業従事者、29位:音楽家・舞台芸術家、30位:臨床検査技師

※女性の上位30職種(サンプル数が10人未満のものは除外)

 

関連する職種では、助産師が10位(570.0万円、平均年齢40.0歳)保健師が27位(478.4万円、平均年齢38.8歳)となっています。

 

准看護師は44位(410.9万円、平均年齢51.0歳)、看護補助者104位(309.2万円、平均年齢47.9歳)でした。

 

上位の職種には、医師や大学教授、税理士、航空機客室乗務員(キャビンアテンダント)など「高給」のイメージが強い職業が並びます。この中に助産師、看護師、保健師がいずれも入っており、資格の強さが感じられる結果です。

 

 

【医療・福祉業界の職種別】年収ランキング

さらに、医療・福祉業界の職種に絞ってみると、看護師は5位となります。


2021年版医療・福祉業界の女性の職種別年収ランキング表。高い順に医師、歯科医師、助産師、薬剤師、看護師、保健師、臨床検査技師、診療放射線技師、准看護師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、その他の保健医療従事者、栄養士、その他の社会位福祉専門職業従事者、歯科衛生士、訪問介護従事者、介護職員(医療・福祉施設等)、看護補助者、歯科技工士、その他の保健医療サービス職業従事者

 

やはり医師がダントツの高収入となっています。助産師は3位、保健師は6位、准看護師は9位でした。

 

 

6.看護師の生涯年収は2億1200万円

最後に、看護師の生涯年収を試算してみました。

 

22歳から65歳の定年を迎えるまで働き続けたとしたら、女性看護師は一生で2億1200万円を稼ぐことになります。

 

2021年版生涯年収の図表。看護師は2億1221万円、全体は2億1045万円、女性全体は1億6563万円

 

資格職であり、慢性的な人手不足が続く看護師は、「いつでも働き口がある」「一生働ける」「不況に強い」という安定感が強み

 

看護師として働き続ければ2億円超の生涯年収が見込め、女性の中ではかなりの高収入と言えますが、その一方、心身ともにキツい仕事でもあり、ハードワークで体を壊さないように注意も必要です。

 

 

7.まとめ

看護師の平均年収は、確かに高い部類に入るものの、夜勤手当の占める割合が高かったり、30代後半からは全職種平均よりも低い額だったりと、一概に「高収入な職業だ」とは言い切れません。

 

ナースのリアルな給料明細が見られる『ナースなワタシのお給料』でも、こんなコメントが寄せられています。

 

看護師の声の図表、業務は増えるが看護師は減っていく(29歳)、15年の看護経験にのしかかる重圧もう少しお給料がいただければと思います(38歳)、毎日しんどい仕事量に対しこの金額は割に合わない(31歳)

 

2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、看護師のニーズがますます増えていくだけでなく、新型コロナによるリスクや業務負担の大きさがあらためて認識されてきています。

 

人手不足が慢性化している看護師が、収入や働きやすさの面からも魅力的な職業であるように、待遇・労働環境の改善へ期待が高まります。

 

【看護roo!編集部】

 

【注】

・平均年収、月額給与等のデータは各年の賃金構造基本統計調査より引用、算出しました。他統計の数値とは必ずしも一致しません。

 

・平均年収=「きまって支給する現金給与額」×12+「賞与その他特別給与額」。

 

・月収=「きまって支給する現金給与額」。各種手当を含み、所得税や社会保険料などが控除される前の額面の給与額。

 

・月給=「月収」-「超過労働給与額(時間外勤務手当・深夜勤務手当・休日出勤手当・宿日直手当・交代手当)」。

 

・残業代(時間外手当)=1時間あたりの賃金額(基本給25万円÷1カ月の所定労働時間159時間)× 残業時間5~6時間 × 割増賃金率(125%)

 

・生涯年収=「20~24歳の平均年収」×3+「25~64歳の平均年収の総和」×5。

 

・この記事は2021年4月22日、最新データに基づき更新しました(前回更新:2020年6月10日、初出:2012年10月14日)。

 

(参考)

賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

2019年病院看護実態調査(日本看護協会)

 

 

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