【2023年版】看護師の平均年収いくら?手取り、ボーナスなど給料まるごと解説

2023年版看護師の平均年収のアイキャッチ画像。年収:508万円、月収:35万円、ボーナス:86万円。出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

 

看護師は「年収が高い」というイメージを持たれがちですが、実際の年収・給料はどのくらいなのでしょうか?

 

看護師の平均年収手取り額ボーナスのほか、年齢地域(都道府県)によってどのくらい年収に違いがあるのかなど、「看護師の給料」をまるごと解説します。

 

データ出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」、日本看護協会「2022年病院看護・助産実態調査」「2021年病院看護・外来看護実態調査」「2020年病院看護実態調査

※令和4年賃金構造基本統計調査は「2022年6月分の給与と2021年支給分のボーナス」を調査対象としています。用語・各数値の詳細は文末に記載。

 

 

 

1.看護師の平均年収は508万円

2023年版看護師の平均年収の図 508万1300円。※平均年齢40.7歳 ※月収35.2万円×12カ月+ボーナス86.2万円。出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

※月収=夜勤手当や時間外手当、通勤手当、家族手当等の各種手当を含んだ額面の金額

 

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は508万1300円(平均年齢40.7歳)となっています。

 

ここから税金や社会保険料が引かれた、看護師の「手取り年収」は平均380万~405万円となります。

 

ただし、これは年間のボーナスや各種手当(夜勤手当、残業代、通勤手当など)も含んだ総額であるという点に注意です。

 

 

2.看護師の年収・給料の内訳

看護師の年収・給料の内訳は、

 

  • 基本給
  • 夜勤手当
  • 残業代(時間外手当)
  • ボーナス

ーの4つが主なものです。

 

このほかに通勤手当や家族手当、住宅手当などのその他手当が付くのが一般的です。主な4つの内訳について、それぞれ見ていきましょう。

 

 

看護師の基本給

基本給とは手当などを含まないベースとなる賃金のことです。残業代(時間外手当)の割増額の計算やボーナスの計算の際にも使われます。

 

日本看護協会の調査によると、新卒の基本給は約20万~21万円で、10年目(非管理職)の看護師の基本給は約24.7万円となっています。

 

施設や役職の有無などによっても変わりますが、看護師の基本給は約20万~21万円からスタートし、年4000~5000円ずつ昇給、10年目で25万円前後となるのが平均的です。

 

 

看護師の夜勤手当

看護師の年収・給料には「夜勤手当」がかなりのウェイトを占めています

 

日本看護協会の調査から、夜勤手当の平均額をまとめました。

 

看護師の夜勤手当額と夜勤回数(平均)

  2交代 3交代
    準夜勤 深夜勤
平均手当額 11,286円 4,154円 5,122円
平均回数 4.7回 7.7回
平均手当額×回数 53,044円 35,713円

出典:日本看護協会「2020年病院看護実態調査」

※3交代の平均夜勤回数(7.7回)は準夜勤と深夜勤で均等に除した

 

上のデータを見ると「看護師は毎月の給料のうち、平均3.5万~5万円を夜勤で稼いでいる」と言えるでしょう。

 

つまり平均年収508万円のうち、40万~60万円は夜勤手当分という計算になります。

 

まさに「負担の大きい夜勤をこなしてこその高い給料」という実態がうかがえます。

 

 

看護師の残業代

看護師の場合、残業代が収入に占める割合はあまり多くありません。

 

看護師の1カ月あたりの残業時間は、厚労省の調査では平均6時間、日本看護協会の調査では平均5.4時間となっています。

 

このデータや基本給などを基に残業代(時間外手当)を計算すると、およそ月1.1万~1.2万円年間では13万~14.5万円ほどとなります。

 

 

 

看護師のボーナス

2023年版年代別、看護師のボーナスのグラフ 20~24歳…女性46.7万円、男性41.5万円。25~29歳…女性75.0万円、男性88.7万円。30~34歳…女性76.2万円、男性87.7万円。35~39歳…女性89.6万円、男性97.3万円。40~44歳…女性94.0万円、男性110.6万円。45~49歳…女性103.9万円、男性99.7万円。50~54歳…女性105.8万円、男性106.5万円。55~59歳…女性110.2万円、男性89.8万円。60~64歳…女性70.6万円、男性64.0万円。65~69歳…女性44.4万円、男性103.3万円。出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

※ボーナスは年間の支給額です。

 

厚労省の調査によると、看護師の年間ボーナス額は平均86万2100円となっています。

 

看護師のボーナスは年間約40万円からスタートします。その後、40代~50代で約100万円に達するのが例年の傾向となっています。

 

ただ、新人看護師が初めてもらう「入職直後の夏のボーナス」は5万~10万円ほどか、もらえない場合が多いでしょう。

 

ボーナスは「一定期間の実績に対する評価(査定)」として支給されるもの。そのため、まだ実績のない新人看護師の夏のボーナスは寸志程度で、残念ながらあまり期待できません。

 

 

 

3.新卒看護師の初任給

日本看護協会の調査によると、新卒看護師の初任給は約26万~27万円となっています。

 

初任給のうち手取りは21万~22万円となります。

 

専門卒

  • 初任給:26万3711円​​(​​​うち基本給:20万3276円)

 

大学卒

  • 初任給:27万1730円(うち基本給:20万9616円)

 

ただし、職場によっては4月は給料が満額支給されないことがあります。夜勤手当が含まれていなかったり、締め日が10日、15日であったりするからです。

 

 

 

4.年代・施設規模・都道府県・男女別の違いは?

看護師の年収は、年代、働く施設の規模、都道府県、男女別などで、どう違うのでしょうか。

 

 

【年代別】看護師の年収は50代後半でピークに

看護師の年収が年齢によってどのくらいアップしていくのか、以下の図にまとめました。

 

2023年版年代別看護師の月収と年収のグラフ 20~24歳…月収29.5万円、年収400.4万円。25~29歳…月収33.4万円、年収477.0万円。30~34歳…月収33.4万円、年収478.9万円。35~39歳…月収34.6万円、年収505.8万円。40~44歳…月収36.1万円、年収529.7万円。45~49歳…月収38.5万円、年収565.4万円。50~54歳…月収38.4万円、年収566.4万円。55~59歳…月収39.1万円、年収578.5万円。60~64歳…月収34.4万円、年収483.1万円。65~69歳…月収29.1万円、年収393.9万円。50代後半が看護師の平均年収のピーク。出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

※月収=夜勤手当や時間外手当、通勤手当、家族手当等の各種手当を含んだ額面の金額

 

看護師の平均年収は20代前半の約400万円からスタートして、50代後半の約580万円でピークとなっています。

 

年齢を重ねるごとに金額はアップするものの、子育てなどで働き方に制限が出やすい20代後半から30代では、あまり伸びは見られません。

 

 

【規模別】施設規模が大きいほど年収は高め

施設の規模ごとに、看護師の平均年収を見てみましょう。

 

職場の規模別 看護師の平均年収

  • 職員1000人以上

556万100円(平均年齢36.7歳)

  • 職員100~999人

485万2700円(平均年齢41.9歳)

  • 職員10~99人

460万4300円(平均年齢47.2歳)

 

一般的な企業と同じく、「規模が大きいほど年収が高く、平均年齢は若くなる」という特徴が見られます。

 

規模の大きな職場の年収が高いのは、規模が大きいほど残業が多く、残業代が多くなることも影響しているかもしれません

 

規模の大きい職場の場合、突発的な緊急入院や急変対応などが多くなり、時間外労働が増える傾向があるからです。

 

実際に日本看護協会の調査では、月平均の時間外労働時間は、99床以下の職場(4.3時間)よりも、500床以上の職場(9.0時間)の方が約5時間多くなっています

 

 

【都道府県別】地域による差は約168万円

看護師の年収に地域差はどのくらいあるのでしょうか。厚労省のデータを都道府県別に集計しました。

 

都道府県別看護師の平均年収の棒グラフ、全国508.1万円、北海道504.5万円、青森449.3万円、岩手478.7万円、宮城504.0万円、秋田487.1万円、山形472.5万円、福島489.0万円、茨城502.4万円、栃木449.8万円、群馬484.6万円、埼玉541.3万円、千葉514.2万円、東京564.1万円、神奈川527.9万円、新潟529.7万円、富山535.0万円、石川476.3万円、福井511.7万円、山梨498.3万円、長野496.8万円、岐阜531.9万円、静岡523.0万円、愛知521.2万円、三重490.1万円、滋賀518.3万円、京都516.2万円、大阪529.6万円、兵庫541.5万円、奈良545.8万円、和歌山530.2万円、鳥取451.0万円、島根483.5万円、岡山482.2万円、広島490.9万円、山口513.4万円、徳島494.9万円、香川496.9万円、愛媛437.8万円、高知458.0万円、福岡498.2万円、佐賀484.4万円、長崎481.0万円、熊本443.9万円、大分433.3万円、宮崎427.3万円、鹿児396.4万円、沖縄477.5万円

厚労省の調査によると、最も年収が高かったのは東京の564万500円。次いで奈良(545万7500円)兵庫(541万4800円)の順となっています。17都府県が全国平均を上回りました。

 

一方、平均年収が最も低かったのは鹿児島(396万3700円)で、宮崎(427万2600円)大分(433万2500円)が続きました。

 

最も高い東京と最も低い鹿児島では、約168万円の差があります。

 

都道府県ランキングは調査年によって順位が変動するので注意が必要ですが、首都圏や大阪、愛知などの都市部は平均より高く、九州、四国地方は平均より低いのは例年の傾向です。

 

 

 

【男女別】男性看護師のほうがやや高め

男性看護師と女性看護師の平均年収・給料は、それぞれ次の通りです。

 

男性看護師(平均年齢37.9歳)

平均年収 522万7200円

 

  • 平均月収:35万9900円
  • 平均ボーナス(年間):90万8400円

 

 

女性看護師(平均年齢41.1歳)

平均年収 506万3800円

 

  • 平均月収:35万600円
  • 平均ボーナス(年間):85万6600円

 

 

看護師の年収を男女別で比べると、男性看護師のほうが16.3万円ほど高くなっています

 

女性看護師は子育てなどで働き方に制限がある人が少なくないこと、男性看護師の場合、勤務先が大きい病院であることが多かったり、家族手当が多く付いたりすることなどが影響しているとみられます。

 

 

5.助産師・保健師・准看護師の平均年収

看護師と同じ看護職である「助産師」「保健師」「准看護師」の平均年収・給料は次の通りです。

 

助産師・保健師・准看護師の平均年収まとめ画像。助産師は平均年収584.2万円(43.2歳)、平均月収39.9万円、ボーナス105.8万円。保健師は平均年収481.3万円(42.4歳)、平均月収33.4万円、ボーナス80.7万円。准看護師は平均年収418.2万円(51.2歳)、平均月収29.6万円、ボーナス62.7万円。

 

 

6.看護師の年収は本当に高いの?

ここからは、看護師とほかの職種の平均年収などを比べてみます。 「看護師は年収が高い」というイメージは本当なのでしょうか?

 

 

看護師の年収を全職種と比較すると……?

看護師の平均年収をほかの全職種と比べてみた場合、ここ3年ほど、看護師の平均年収が全職種の平均年収をやや上回る状況が続いています。

 

2023年版看護師と全職種の平均年収の表 看護師508.1万円、看護師(女性)506.4万円、全職種496.6万円、全職種(女性)394.4万円

 

一方、過去5年間のデータを見ると、2019年までは看護師のほうが低かったことがわかります。

 

看護師と全職種の平均年収の比較(5年間(2018,2019,2020,2021,2022年)の推移を見たもの)の線グラフ。看護師、全職種、全職種(女性)の比較。

 

全職種のデータでは2020年以降、超過勤務手当(時間外手当・深夜勤務手当など)やボーナスの減少が見られます。新型コロナによる年収・給料への影響が、看護師よりも一般の職種で大きいことがうかがえます。

 

 

看護師の年収は「20代は高い」「女性では高い」

看護師と全職種の平均年収を、さらに年代別に見てみます。

 

看護師と全職種の平均年収を年代別に比較する線グラフ

 

いわゆる新社会人世代に当たる「20~24歳」を見ると、全職種平均が327万円(女性平均は313万円)なのに対して、看護師は400万円で、頭ひとつ飛び出しています。

 

 

ただ、その後は女性平均と同じように年収が伸び悩み、30代後半になると全職種平均と逆転しています。

 

看護師の年収は「20代のうちは高い」と言えますが、働き盛りである30代以降で比べれば、特別に高いわけではないことがわかります。

 

ただし、女性の職業の中では、やはり年収の高い職業であることは間違いないでしょう。

 

 

【職種別】年収ランキング 看護師は24位

さまざまな職業の中で、看護師の年収はどのくらいなのでしょうか。

 

厚労省の調査によると、女性の職業(145職種)の中で看護師は24位でした。

 

女性の職種別平均年収ランキングの表 1位医師、2位大学教授(高専含む)、3位法務従事者、4位歯科医師、5位大学准教授(高専含む)、6位管理的職業従事者、7位小・中学校教員、8位大学講師・助教(高専含む)、9位高等学校教員、10位その他の経営・金融・保険専門職業従事者、11位公認会計士・税理士、12位システムコンサルタント・設計者、13位助産師、14位研究者、15位獣医師、16位著述家・記者・編集者、17位薬剤師、18位化学技術者、19位企画事務員、20位鉄道運転従事者、21位輸送用機器技術者、22位機械器具・通信・システム営業職業従事者(自動車を除く)、23位秘書、24位看護師、25位発電員・変電員、26位不詳、27位金融営業職業従事者、28位電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)、29位臨床検査技師、30位他に分類されない専門的職業従事者、31位建築技術者、32位保健師、33位診療放射線技師、34位その他の営業職業従事者、35位その他の教員 ※労働者100人未満は除く

 

助産師は13位保健師が32位となっています。また、准看護師は48位看護助手は111位(307.7万円、平均年齢49.9歳)でした。

 

ランキング上位の職種には、医師や大学教授、法務従事者(裁判官、弁護士など)、教員など「高給」のイメージが強い職業が並びます。この中に助産師、看護師、保健師がいずれも入っており、資格の強さが感じられる結果です。

 

 

【医療・福祉業界】看護師は5位

さらに、医療・福祉業界の職種に絞ってみると、看護師は5位となりました。

 

2021年版医療・福祉業界の女性の職種別年収ランキング表。1位:医師、2位:助産師、3位:薬剤師、4位:歯科医師、5位:看護師、6位:診療放射線技師、7位:保健師、8位:臨床検査技師、9位:理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士、10位:准看護師、11位:その他の保健医療従事者、12位:介護支援専門員(ケアマネージャー)、13位:歯科衛生士、14位:その他の社会福祉専門職業従事者、15位:栄養士、16位:歯科技工士、17位:訪問介護従事者、18位:介護職員(医療・福祉施設等)、19位:看護助手、20位:その他の保健医療サービス職業従事者

 

 

7.看護師の生涯年収は2億2125万円

最後に、看護師の生涯年収を試算してみました。

 

22歳から65歳の定年を迎えるまで働き続けたとしたら、看護師は一生で2億2125万円を稼ぐことになります。

 

看護師と全職種の生涯年収の表。看護師は2億2125万円、全職種は2億1462万円、全職種の中で女性は1億7106万円 ※22歳から64歳まで働き続けた場合の金額

 

資格職であり、慢性的な人手不足が続く看護師は、「いつでも働き口がある」「一生働ける」という安定感が強み

 

看護師として働き続ければ2億円超の生涯年収が見込め、女性の中ではかなりの高収入と言えます。

 

その一方で、命を預かる責任と負担の大きい仕事でもあり、ハードワークで体を壊さないように注意も必要です。

 

 

8.まとめ

看護師の平均年収は、確かに高い部類に入るものの、夜勤手当の占める割合が高かったり、給料アップがしにくかったりと、一概に「高収入な職業だ」とは言い切れません。

 

ナースのリアルな給料明細が見られる『ナースなワタシのお給料』でも、こんなコメントが寄せられています。

 

看護師の声の図表、業務は増えるが看護師は減っていく(29歳)、15年の看護経験にのしかかる重圧もう少しお給料がいただければと思います(38歳)、毎日しんどい仕事量に対しこの金額は割に合わない(31歳)

 

看護師は人手不足が続いており、新型コロナをきっかけに、国による看護師の給料アップ対策がスタートしましたが、対象者は一部に限られ、看護師全員が待遇改善を実感できているわけではないようです。

 

看護師が魅力的な職業であるように、待遇・労働環境の改善へ期待が高まります。

 

【看護roo!編集部】

 

【注】

・平均年収等のデータは各年の賃金構造基本統計調査より引用、算出しました。他統計の数値とは必ずしも一致しません。

 

・平均年収=「きまって支給する現金給与額」×12+「賞与その他特別給与額」。

 

・月収=「きまって支給する現金給与額」。各種手当を含み、所得税や社会保険料などが控除される前の額面の給与額。

 

・残業代(時間外手当)=1時間あたりの賃金額(基本給25万円÷1カ月の所定労働時間158時間)× 残業時間5.4~6時間 × 割増賃金率(125%)

 

・生涯年収=「20~24歳の平均年収」×3+「25~64歳の平均年収の総和」×5。

 

・この記事は2023年12月19日に更新しました(前回更新:2023年4月28日/初出:2012年10月14日)。

 

(参考)

賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

2022年 病院看護・助産実態調査(日本看護協会)

2021年病院看護・外来看護実態調査日本看護協会

2020年病院看護実態調査(日本看護協会)

 

 

 

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