【2022年版】看護師の平均年収いくら?給料まるごと解説|「ナースは給料が高い」は本当?

看護師の2022年版平均収入のアイキャッチ画像。平均年収499万円、平均月収34万円、平均ボーナス85万円

 

看護師は「年収が高い」というイメージを持たれがちですが、実際の年収・給料はどのくらいなのでしょうか?

 

年齢や施設、地域による年収の違い、看護師の収入に大きな割合を占める夜勤手当の平均額など、「看護師の平均年収・給料」をまるごと解説します。

 

データ出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」、日本看護協会「2020年病院看護実態調査」「2021年病院看護・外来看護実態調査

※令和3年賃金構造基本統計調査は「2021年6月分の給与と2020年支給分のボーナス」を調査対象としています。用語・各数値の詳細は文末に記載。

 

 

1.看護師の平均年収は499万円

厚生労働省の調査によると、
看護師の平均年収は498万6200円(平均年齢41.2歳)となっています。

 

看護師の平均年収まとめ画像

※月収=夜勤手当や時間外手当、通勤手当、家族手当等の各種手当を含んだ額面の金額

 

ただし、これは年間のボーナスや各種手当(夜勤手当、残業代、通勤手当など)も含んだ総額であるという点に注意です。

 

また、ここから税金や社会保険料が引かれた、看護師の「手取り年収」は平均370万~400万円となります。

 

2.看護師の年収・給料の内訳

看護師の年収・給料の内訳は、

 

  • 基本給
  • 夜勤手当
  • 残業代(時間外手当)
  • ボーナス

ーの4つが主なものです。

 

このほかに通勤手当や家族手当、住宅手当などのその他手当が付くのが一般的です。主な4つの内訳について、それぞれ見ていきましょう。

 

 

看護師の基本給は20万円からスタート

日本看護協会の調査によると、

 

  • 新卒看護師の基本給…約20~21万円
  • 10年目(非管理職)の看護師の基本給…約24.8万円

となっています。

 

施設や役職の有無などによっても変わりますが、看護師の基本給は約20万円からスタートし、年4000~5000円ずつ昇給、10年目で25万円前後となるのが平均的です。

 

 

 

看護師の夜勤手当は年40万~60万円

看護師の年収・給料には「夜勤手当」がかなりのウェイトを占めています

 

日本看護協会の調査から、夜勤手当の平均額をまとめました。

 

看護師の夜勤手当額と夜勤回数(平均)

  2交代 3交代
    準夜勤 深夜勤
平均手当額 11,286円 4,154円 5,122円
平均回数 4.7回 7.7回
平均手当額×回数 53,044円 35,713円

出典:日本看護協会「2020年病院看護実態調査」

※3交代の平均夜勤回数(7.7回)は準夜勤と深夜勤で均等に除した

 

 

上のデータを見ると「看護師は毎月の給料のうち、平均3.5万~5万円を夜勤で稼いでいる」と言えるでしょう。

 

つまり平均年収499万円のうち、40万~60万円は夜勤手当分という計算になります。

 

まさに「負担の大きい夜勤をこなしてこその高い給料」という実態がうかがえます。

 

 

看護師の残業代は年12万~14万円

看護師の場合、残業代が収入に占める割合はあまり多くありません。

 

看護師の1カ月あたりの残業時間は、厚労省の調査では平均6時間、日本看護協会の調査では平均5.1時間となっています。

 

このデータや基本給などを基に残業代(時間外手当)を計算すると、およそ月1万~1.2万円年間では12万~14.4万円ほどとなります。

 

 

 

看護師のボーナスは年85万円

厚労省の調査によると、看護師の年間ボーナス額は平均85万4600円となっています。

 

年代別・男女別のボーナスは次の通りです。

看護師の年齢別男女別ボーナス額の表。20-24歳は女性45.1万円、男性38.6万円。25-29歳は女性74.6万円、男性76.4万円。30-34歳は女性76.9万円、男性90.4万円。35-39歳は女性86.1万円、男性95.6万円。40-44歳は女性96.2万円、男性110.8万円。45-49歳は女性97.9万円、男性105.0万円。50-54歳は女性102.8万円、男性103.3万円。55-59歳は女性107.0万円、男性129.2万円。60-64歳は女性72.5万円、男性106.3万円。65-69歳は女性50.6万円、男性55.1万円。ボーナスは年額

※ボーナスは年間の支給額です。

 

看護師のボーナスは年間40万円ほどからスタートし、50代前後でおよそ100万円に達するのが、例年の傾向となっています。

 

 

 

3.看護師の年収、男女・年代・施設の違いは?

看護師の年収は、男女別や年代別、働く施設による違いなどで、どう違うのでしょうか。

 

 

【男女別】男性看護師のほうがやや高め

男性看護師と女性看護師の平均年収・給料は、それぞれ次の通りです。

 

男性看護師(平均年齢38.4歳)

平均年収 518万3400円

 

  • 平均月収:35万5200円
  • 平均ボーナス(年間):92万1000円

 

 

女性看護師(平均年齢41.6歳)

平均年収 495万9500円

 

  • 平均月収:34万2800円
  • 平均ボーナス(年間):84万5900円

 

 

看護師の年収を男女別で比べると、男性看護師のほうが22.4万円ほど高くなっています

 

女性看護師は子育てなどで働き方に制限がある人が少なくないこと、男性看護師の場合、勤務先が大きい病院であることが多かったり、家族手当が多く付いたりすることなどが影響しているとみられます。

 

 

【年代別】看護師の年収は50代後半でピークに

看護師の給料は年齢によってどのくらいアップしていくのでしょうか。

 

看護師の年齢別月収と年収の棒グラフ。20-24歳は月収28.7万円、年収388.4万円。25-30歳は月収32.1万円、年収460.1万円。30-34歳は月収33.3万円、年収478.6万円。35-39歳は月収34.2万円、年収497.9万円。40-44歳は月収36.4万円、年収534.8万円。45-49歳は月収36.9万円、年収541.0万円。50-54歳は月収37.6万円、年収553.9万円。55-59歳は月収37.9万円、年収563.3万円。60-64歳は月収32.5万円、年収465.8万円。65-69歳は月収30.5万円、年収416.2万円。

※月収=夜勤手当や時間外手当、通勤手当、家族手当等の各種手当を含んだ額面の金額

 

看護師の平均年収は20代前半の約390万円からスタートして、50代後半の約560万円でピークとなっています。

 

年齢を重ねるごとに金額はアップするものの、子育てなどで働き方に制限が出やすい20代後半から30代では、あまり伸びは見られません。

 

 

【都道府県別】地域による差は約159万円

看護師の年収に地域差はどのくらいあるのでしょうか。厚労省のデータを都道府県別に集計しました。

 

都道府県別看護師の平均年収の棒グラフ、全国498.6万円、北海道502.3万円、青森468.8万円、岩手479.9万円、宮城525.7万円、秋田503.9万円、山形474.2万円、福島511.2万円、茨城472.6万円、栃木529.6万円、群馬513.6万円、埼玉515.8万円、千葉533.4万円、東京541.6万円、神奈川515.2万円、新潟486.0万円、富山480.2万円、石川484.6万円、福井504.0万円、山梨469.7万円、長野471.5万円、岐阜518.4万円、静岡518.5万円、愛知522.6万円、三重493.2万円、滋賀541.5万円、京都514.8万円、大阪522.0万円、兵庫492.1万円、奈良516.4万円、和歌山527.0万円、鳥取463.9万円、島根470.7万円、岡山474.1万円、広島489.7万円、山口534.0万円、徳島435.9万円、香川517.5万円、愛媛480.7万円、高知436.7万円、福岡479.3万円、佐賀445.8万円、長崎445.3万円、熊本459.8万円、大分414.5万円、宮崎382.4万円、鹿児島423.4万円、沖縄441.7万円


厚労省の調査によると、最も年収が高かったのは東京の541万6400円。次いで滋賀(541万4700円)山口(534万100円)の順となっています。21都府県が全国平均を上回りました。

 

一方、平均年収が最も低かったのは宮崎(382万4300円)で、大分(414万4700円)鹿児島(423万4000円)が続きました。

 

最も高い東京と最も低い宮崎では、約159万円の差となっています。

 

都道府県ランキングは調査年によって順位が変動するので注意が必要ですが、首都圏や大阪、愛知などの都市部は平均より高く、九州、四国地方は平均より低いのは例年の傾向です。

 

 

 

【規模別】施設規模が大きいほど年収は高め

施設の規模ごとに、看護師の平均年収を見てみましょう。

 

職場の規模別 看護師の平均年収

▼職員1000人以上

540万9800円(平均年齢36.9歳)

▼職員100~999人

483万4500円(平均年齢43.0歳)

▼職員10~99人

440万3900円(平均年齢46.1歳)

 

一般的な企業と同じく、「規模が大きいほど年収が高く、平均年齢は若くなる」という特徴が見られます。

 

 

4.助産師・保健師・准看護師の平均年収

看護師と同じ看護職である「助産師」「保健師」「准看護師」の平均年収・給料は次の通りです。

 

助産師・保健師・准看護師の平均年収まとめ画像。助産師は平均年収553.9万円(37.1歳)、平均月収38.8万円、ボーナス88.8万円。保健師は平均年収480.7万円(41.8歳)、平均月収32.4万円、ボーナス92.1万円。准看護師は平均年収406.7万円(50.4歳)、平均月収28.7万円、ボーナス62.7万円。

 

 

5.看護師の年収は本当に高いの?

ここからは、看護師とほかの職種の平均年収などを比べてみます。 「看護師は年収が高い」というイメージは、本当なのでしょうか?

 

 

全職種と比較すると……?

看護師の平均年収をほかの全職種と比べてみた場合、ここ2年ほど、看護師の平均年収が全職種の平均年収をやや上回る状況が続いています。

 

2021年版看護師と全職種の平均年収の比較表。看護師498.6万円、全職種489.3万円。看護師(女性)496.0万円、全職種(女性)385.9万円

 

一方、過去5年間のデータを見ると、2019年までは看護師のほうが低かったことがわかります。

 

看護師と全職種の平均年収比較について2017~2021年の5年間の推移グラフ。2017~2019年は全職種の平均年収のほうが看護師より高いが、2020年以降はわずかながら逆転している。ただし、全職種の女性平均よりは看護師が常に高い

 

全職種のデータでは2020年以降、超過勤務手当(時間外手当・深夜勤務手当など)やボーナスの減少が見られます。新型コロナによる年収・給料への影響が、看護師よりも一般の職種で大きいことがうかがえます。

 

 

看護師の年収は「20代は高い」「女性では高い」

看護師と全職種の平均年収を、さらに年代別に見てみます。

 

年代別の平均年収比較の折れ線グラフ。20代は看護師の平均年収が全職種、全職種(女性)よりも60万~100万円ほど上回るが、30代は全職種平均とほぼ同額で、40代後半から看護師と全職種が逆転する。ただし、全職種(女性)に比べると看護師がどの年代も上回る

 

いわゆる新社会人世代に当たる「20~24歳」を見ると、全職種平均が314万円(女性平均は306万円)なのに対して、看護師は388万円で、頭ひとつ飛び出しています。

 

 

 

ただ、その後は女性平均と同じように年収が伸び悩み、30代では全職種平均とほぼ同額、40代後半になると全職種平均と逆転しています。

 

看護師の年収は「20代のうちは高い」と言えますが、働き盛りである30代以降で比べれば、特別に高いわけではないことがわかります。

 

ただし、女性の職業の中では、やはり年収の高い職業であることは間違いないでしょう。

 

 

【職種別】年収ランキング 看護師は23位

さまざまな職業の中で、看護師の年収はどのくらいなのでしょうか。

 

厚労省の調査によると、女性の職業(146職種)の中で看護師は23位でした。

 

2021年版女性の職種別年収ランキング上位30位までの表。1位:医師、2位:大学教授、3位:法務従事者、4位:その他の経営・金融・保険専門職業従事者、5位:大学准教授、6位:管理的職業従事者、7位:大学講師・助教(高専含む)、8位:小・中学校教員、9位:著述家,記者,編集者、10位:高等学校教員、11位:システムコンサルタント・設計者、12位:研究者、13位:公認会計士,税理士、14位:助産師、15位:発電員,変電員、16位:薬剤師、17位:歯科医師、18位:獣医師、19位:秘書、20位:不詳、21位:企画事務員、22位:鉄道運転従事者、23位:看護師、24位:診療放射線技師、25位:化学技術者、26位:輸送用機器技術者、27位:機械器具・通信・システム営業職業従事者(自動車を除く)、28位:金融営業職業従事者、29位:その他の教員、30位:保健師

 

助産師は14位保健師が30位となっています。また、准看護師は54位看護助手は116位(300.5万円、平均年齢47.9歳)でした。

 

ランキング上位の職種には、医師や大学教授、法務従事者(裁判官、弁護士など)、教員など「高給」のイメージが強い職業が並びます。この中に助産師、看護師、保健師がいずれも入っており、資格の強さが感じられる結果です。

 

 

【医療・福祉業界】看護師は5位

さらに、医療・福祉業界の職種に絞ってみると、看護師は5位となりました。


2021年版医療・福祉業界の女性の職種別年収ランキング表。1位:医師、2位:助産師、3位:薬剤師、4位:歯科医師、5位:看護師、6位:診療放射線技師、7位:保健師、8位:臨床検査技師、9位:理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士、10位:准看護師、11位:その他の保健医療従事者、12位:介護支援専門員(ケアマネージャー)、13位:歯科衛生士、14位:その他の社会福祉専門職業従事者、15位:栄養士、16位:歯科技工士、17位:訪問介護従事者、18位:介護職員(医療・福祉施設等)、19位:看護助手、20位:その他の保健医療サービス職業従事者

 

 

6.看護師の生涯年収は2億1600万円

最後に、看護師の生涯年収を試算してみました。

 

22歳から65歳の定年を迎えるまで働き続けたとしたら、看護師は一生で2億1600万円を稼ぐことになります。

 

2021年版生涯年収の図表。看護師は2億1642万円、全体は2億1045万円、女性全体は1億6744万円

 

資格職であり、慢性的な人手不足が続く看護師は、「いつでも働き口がある」「一生働ける」という安定感が強み

 

看護師として働き続ければ2億円超の生涯年収が見込め、女性の中ではかなりの高収入と言えます。

 

特に、コロナ下では、看護職の重要さとともに「不況に強い」という側面にも注目が集まっています。

 

その一方で、命を預かる責任と負担の大きい仕事でもあり、ハードワークで体を壊さないように注意も必要です。

 

 

7.まとめ

看護師の平均年収は、確かに高い部類に入るものの、夜勤手当の占める割合が高かったり、給料アップがしにくかったりと、一概に「高収入な職業だ」とは言い切れません。

 

ナースのリアルな給料明細が見られる『ナースなワタシのお給料』でも、こんなコメントが寄せられています。

 

看護師の声の図表、業務は増えるが看護師は減っていく(29歳)、15年の看護経験にのしかかる重圧もう少しお給料がいただければと思います(38歳)、毎日しんどい仕事量に対しこの金額は割に合わない(31歳)

 

看護師は人手不足が続いており、新型コロナをきっかけに、国による看護師の給料アップ対策がスタートするなど、「看護師は仕事の大変さに比べて給料が低い」という社会の声も高まってきました。

 

看護師が魅力的な職業であるように、待遇・労働環境の改善へ期待が高まります。

 

【看護roo!編集部】

 

【注】

・平均年収等のデータは各年の賃金構造基本統計調査より引用、算出しました。他統計の数値とは必ずしも一致しません。

 

・平均年収=「きまって支給する現金給与額」×12+「賞与その他特別給与額」。

 

・月収=「きまって支給する現金給与額」。各種手当を含み、所得税や社会保険料などが控除される前の額面の給与額。

 

・月給=「月収」-「超過労働給与額(時間外勤務手当・深夜勤務手当・休日出勤手当・宿日直手当・交代手当)」。

 

・残業代(時間外手当)=1時間あたりの賃金額(基本給25万円÷1カ月の所定労働時間159時間)× 残業時間5~6時間 × 割増賃金率(125%)

 

・生涯年収=「20~24歳の平均年収」×3+「25~64歳の平均年収の総和」×5。

 

・この記事は2022年4月28日、最新データに基づき更新しました(前回更新:2021年5月15日/初出:2012年10月14日)。

 

(参考)

賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

2020年病院看護実態調査(日本看護協会)

2021年病院看護・外来看護実態調査日本看護協会

 

 

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