最終更新日 2023/06/29

ALT

ALTとは・・・

ALT(えーえるてぃー、Alanine Aminotransferase)とは、アラニン(血清)アミノトランスフェラーゼの略語であり、肝機能や肝疾患の評価に用いられる。

 

【正常値】
ALTの正常値は30U/L以下である。


【検査の目的】
・肝疾患のスクリーニングや肝疾患の治療(自己免疫性肝炎に対する免疫抑制剤など)の有効性の判断
ウイルス性肝炎やアルコール性肝炎などの病気の進行のフォロー
肝硬変患者の肝疾患の重症度の把握などの目的で行われる

 

ALTはAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)とともに肝障害の指標として使用されることが多い。
ただ、ALTは主に肝臓に分布する酵素なのに対し、ASTは濃度の高い順に、肝臓、心筋、骨格筋、腎臓膵臓、肺、白血球赤血球に見られる酵素で、肝機能や肝疾患に対する特異性はALTの方が高い。

 

肝臓の現在の状態を反映する血液検査データであり、「肝機能検査」と呼ばれることがよくあるが、この用語は誤解を招く可能性がある。
何らかの肝疾患が進行し、正常な肝細胞が少なくなっている状態で検査した場合、ALTの数値は正常である可能性もある。

 

【検査値のポイント】
ほとんどの肝疾患・肝臓に関連する障害 (さまざまな感染症、非アルコール性脂肪肝疾患、急性および慢性心不全、転移性癌など)で上昇が見られる。
急性ウイルス性肝炎、虚血性肝炎(低酸素性肝炎、ショック肝)、および急性の薬物または毒素誘発性肝障害(例、アセトアミノフェン毒性)など、広範な肝細胞障害の場合に、正常値の上限の8倍以上にまで上昇することがある。

 

ALT単体で数値を見るのではなく、ASTや胆汁うっ滞性でより数値が上がるALPの数値を併せて評価することが多い。

 

 

引用・参考文献
1)Lawrence S Friedman.Liver biochemical tests that detect injury to hepatocytes.Up To Date.(2023年6月閲覧)
2)乳がん検診.がん情報サービス.(2023年6月閲覧)

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