看護用語辞典 ナースpedia キーワード:脳卒中

脳卒中とは・・・

最終更新日 2019/02/13

脳卒中(のうそっちゅう、stroke)とは、血管の狭窄・閉鎖、破綻などによって神経症状が発現した急性期の脳血管障害である。脳卒中は、血管の狭窄・閉塞で生じる虚血性疾患(脳梗塞)と、脳血管の破綻による出血性疾患(脳出血、くも膜下出血)に分けられる。

脳卒中は、かつては死因の第1位であったが、現在は悪性新生物、心疾患に次いで日本の死因別死亡率で第3位である。しかし脳卒中患者は増加傾向であり、平成26年度で117万9千人と多く、平成28年の調査では、介護が必要となった原因の第2位となっている。

【原因(危険因子)】
脳卒中の危険因子としては、基礎疾患(高血圧糖尿病脂質異常症心房細動)と、生活習慣(喫煙、大量飲酒、肥満、運動不足)が挙げられる。中でも最も重要なのは、高血圧のコントロールといわれている。

【症状】
脳卒中でよくみられる症状としては、片側の上下肢の運動障害や感覚障害、呂律障害、高次機能障害(失語・失認・失行)、頭痛意識障害、視野異常などが突然生じる。特に頭痛や意識障害は出血性脳卒中(脳出血やくも膜下出血)、片麻痺や構音障害、失語は脳梗塞や脳出血でみられることが多い。

【検査・診断】
脳卒中の確定診断に最も有効なものは画像診断である。脳卒中の疑いがある患者には、まず頭部CTを撮影し、脳出血やくも膜下出血の有無を評価する。しかし、頭部CTは出血の診断には有効だが、発症早期の脳梗塞や小さい脳梗塞は診断困難である。そのため、脳卒中疑いがあるが頭部CTで異常所見はない場合は、頭部MRI撮影を行う必要がある。

【治療】
急性期の脳出血の治療は降圧治療が中心である。くも膜下出血は降圧以外にも鎮静や鎮痛をしっかり行い、脳動脈瘤の再出血予防のため、血管内治療や開頭手術が行われる。また、脳梗塞は発症4.5時間以内の場合は、血栓溶解療法が有効であり遺伝子組み換え組織プラスミノーゲン・アクティベータ(rt-PA)が使用される。最近では脳動脈主幹部の脳梗塞の場合には、血管内治療(経皮的脳血栓回収術)が行われるようになった。

脳卒中を発症した患者は、後遺症を残すことが多いため、機能の回復と維持のためにはリハビリテーションが重要である。

執筆

神谷侑画

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター副医長

本ページの内容・監修について
このエントリーをはてなブックマークに追加

ナースpediaのTOPへ戻る

関連記事

いちおし記事

「ドクターX」に学ぶ肺塞栓症とパンコースト型肺がん

人気ドラマ「ドクターX」を題材に、医療知識をたのしく学ぶ! [ 記事を読む ]

摘便のコツは?体位や禁忌など注意点は?

摘便のコツや注意点をイラストでわかりやすく解説! [ 記事を読む ]

看護師みんなのアンケート

「タピオカの次に流行ってほしい」って思うもの、ある?

投票数:
1384
実施期間:
2019年10月04日 2019年10月25日

参考書や解説書で見かけるけど、実はよくわかってない用語ってある?

投票数:
1266
実施期間:
2019年10月08日 2019年10月29日

「患者さんを怒らせてしまった言葉」ってある?

投票数:
1170
実施期間:
2019年10月11日 2019年11月01日

丸めたティッシュの中から意外なモノを見つけた経験ある?

投票数:
1064
実施期間:
2019年10月15日 2019年11月05日

「私、失敗しないので」って言える得意な看護技術ある?

投票数:
951
実施期間:
2019年10月18日 2019年11月08日

思わず聞いてあげたくなる♡かわいいお願い選手権

投票数:
556
実施期間:
2019年10月22日 2019年11月12日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者6231

◆周術期の問題◆あなたは明日、腹腔鏡下胃全摘術の手術を受ける67歳男性の術前訪問に来ています。以下のうち、術前訪問について誤った行動はどれでしょうか?

  • 1.過度の不安は麻酔に影響するため、術式、手術体位などは患者さんから聞かれない場合は説明しない。
  • 2.手術を受けるに当たって不安はないか確認する。
  • 3.自己紹介を行い、手術を担当する受け持ち看護師であることを伝える。
  • 4.術前訪問では、アレルギーや既往歴などのAMPLE聴取を行う。
今日のクイズに挑戦!