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2015年08月25日

腰椎穿刺(脳脊髄液検査)|脳・神経系の検査

看護師のための検査本『看護に生かす検査マニュアル』より。
今回は、腰椎穿刺(脳脊髄液検査)について解説します。

 

〈目次〉

 

腰椎穿刺とはどんな検査か

腰椎穿刺とは、腰椎クモ膜下腔よりスパイナル針で穿刺し、髄液の一部を採取することで、髄液の測定および診断を行う検査である。腰椎穿刺は、治療を行う手段として用いられることもある。

 

腰椎穿刺の目的

腰椎穿刺は、腰椎クモ膜下腔から髄液を採取し、クモ膜下出血、髄膜炎の診断を行う。また、悪性腫瘍の腫瘍マーカーなどの測定もできる。

表1髄液の正常値

髄液の正常値

 

髄膜炎や悪性腫瘍の髄腔内播種に対する治療として、薬液を直接クモ膜下腔内に注入するため、腰椎穿刺を行うこともある。

腰椎穿刺は、頭蓋内圧を測定する1つの方法でもある。頭蓋内圧が高い場合には、減圧を目的とし、腰椎穿刺で髄液の排除を行うこともある。

 

腰椎穿刺の実際

  1. 検査の説明をする。
  2. 検査の前に排尿を済ませ、バイタルサインの測定をする。
  3. 必要物品をそろえ、滅菌法が守れる空間を作る。
  4. 患者の体位をとる(図1)。

図1患者の体位と髄液採取

患者の体位と髄液採取

 

・ベッドの端に患者の身体を寄せ、側臥位をとらせる。

・両膝を曲げ、腹部に引き付けるようにして両手で抱え込み、顎を胸に付ける。

・背はエビのように丸くし、腰椎骨間腔をできるだけ開くようにする。

・患者の肩と骨盤がベッドに垂直になるようにする。

図2腰椎穿刺時の体位と介助の仕方

腰椎穿刺時の体位と介助の仕方

 

  1. 処置用シーツを腰の下に敷き、医師に消毒液(イソジン)を渡す。
  2. 医師は滅菌手袋をつけ、穴あき布片を穿刺部位を中心にかける。
  3. 医師に注射器を渡し、局所麻酔薬を無菌的に吸えるように介助する。
  4. 看護師は、患者の体位の介助をする(図2)。
  5. 局所麻酔後、クモ膜下腔に穿刺針が刺入される。その直後に初圧が測定される。
  6. 医師の指示により、患者の頸静脈を圧迫し、圧上昇の有無を確かめる(クエッケンステット・テスト)。
  7. 注射器に採取された髄液を滅菌スピッツに入れる介助をする。
  8. 髄液採取後、終圧が測定される。
  9. 穿刺針の抜去後、滅菌ガーゼを医師に渡し、穿刺部位を圧迫する。髄液の漏れのないことと止血を確認後、医師に消毒液(イソジン)を渡し絆創膏で止める。
  10. 医師より安静時間の指示を受け患者に説明する。

 

腰椎穿刺前後の看護の手順

1)患者への説明

  • 腰から針を刺し、髄液を採る検査であること(腰椎穿刺は、患者によって目的が異なるため、医師に確認し、患者に適した説明を行う必要がある)。
  • 穿刺時、身体的苦痛を伴う検査である。また検査後も低髄圧症状をきたすこともあるため、安静が強いられる検査であり、十分な説明が必要である。

2)検査前の処置

  1. 検査前に排尿を済ませ、バイタルサインを測定する。
  2. 必要物品をそろえる。

滅菌布片(穴あき)・圧棒・受け皿・スパイナル針・滅菌手袋・三方活栓・局所麻酔薬・消毒液・10ccディスポ注射器・23G注射針・滅菌スピッツ・滅菌ガーゼ・膿盆・鑷子・処置用シーツ・絆創膏

  1. 医師が施行しやすい環境を作る(椅子とベッドの位置調整、処置灯やベッドライトをつける)。
  2. 滅菌操作で行える空間を作る。

3)検査中

  1. 不必要な露出は避け、保温に注意する。
  2. 患者の体位の介助をする。
  3. 穿刺中の患者の状態を観察し、異常時は医師に報告する(体位の保持、下肢の電激痛の有無、顔色、脈拍、呼吸の変化、頭痛や悪心の有無)。

4)検査後の管理

  1. バイタルサインを測定し、意識レベル、瞳孔、頭痛、嘔気、めまいの有無の観察を行う。
  2. 枕をはずし水平位とし、医師から安静時間を確認し(1〜2時間)、安静を保つよう説明する。
  3. 患者の手元にナースコールを設置し、何かあれば押すように説明する。
  4. 安静時間が終了したら、安静解除とする。
  5. 制限がなければ多めに水分を摂取することを説明する。
  6. 物品の後片づけを行う(医療廃棄物、分別ごみ、消毒が必要なものに分ける)。

 

腰椎穿刺において注意すべきこと

  • 患者の体位を介助するときは、患者の首と膝を支える。その際、圧の動揺を防ぐため力んだりせず、静かに呼吸するように説明する(咳をしたり、腹部に力を入れると髄液圧が高くなるため)。
  • 患者の背中側で医師が操作する検査であり、患者は状況が見えず、不安を抱きやすい。看護師は検査の進行状況を適時説明し、リラックスするように介助する。
  • 採取した髄液の量・性状・色調を観察する。
  • 食直後の検査は避ける。
  • 検査後の入浴は禁止とし、翌日、穿刺部位に異常がなければ許可する。

 

腰椎穿刺現場での患者との問答例

これから、腰のところから針を刺し、髄液の検査を行います。

痛い検査ですか。

少し痛いかもしれませんが、痛みをとるように麻酔の注射をしてから行います。でも、痛みが強かったり、気分が悪くなるようでしたら、そばにいますので我慢なさらずにおっしゃってください。

検査の後は、すぐに動けますか。

すぐに動いてしまうと、頭が痛くなったり、気分が悪くなってしまうこともあるので、2時間ぐらいベッドで横になってもらうことになります。何かあれば、遠慮せずナースに声をかけてください。

分かりました。

 

腰椎穿刺に関する患者さんへの説明資料

説明用資料腰椎穿刺(脳脊髄液検査)

脊髄は、脳幹(脳の中の生命維持をつかさどる中枢がある部分)から腰まで伸びているひも状の組織です。その組織と骨との間に流れている透明な液体を脳脊髄液、あるいは単に髄液といいます。

腰椎穿刺は、腰の脊髄腔に針を刺して髄液を採取して、髄膜炎、脳腫瘍、くも膜下出血などの診断をする際に行われます。

検査は側臥位になり(横向きに寝る)、両膝を曲げ、両手で抱えるようにして腰を後ろに突き出します(エビのような格好になる)。この姿勢で、針を刺す部位を消毒し、局所麻酔の注射をします。このときチクッと痛みますが、すぐに麻酔が効いて局所の痛みは感じなくなります。穿刺針が入ってくるとき、針が神経に触れると足がピリッとします。

検査は5〜6分で終了します。検査後は枕を当てずに1〜2時間、仰向けで安静にします。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『看護に生かす検査マニュアル』(編著)高木康/2015年3月刊行

看護に生かす検査マニュアル

引用・参考文献 

著作権について

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