尿量が変化する原因は何?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。

 

[前回]

加齢と腎機能は関係があるの?

 

今回は「尿量の変化」に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

尿量が変化する原因は何?

身体に取り入れる水分量と排泄量は、飲食・飲水によって一定のバランスを保たれています。ということは、飲水量が減ると血液循環量が減少するため、排泄量も減ることになります。

 

また、発汗や下痢、嘔吐、大量出血、広範囲の熱傷など、尿路以外からの排泄量が多くなると、同様に血液循環量が減少するため、尿量は減少します。逆に、飲水量が増えると、血液循環量が増加するため尿量が増加します。 

 

尿量障害、腎臓障害、代謝障害、心臓障害などによっても変化します。脳腫瘍頭部外傷などによって下垂体の後葉が障害されると、抗利尿ホルモンADHの分泌が抑制され、尿の濃縮力が低下して尿量が増加します。 

 

一部ネフロンが破壊されることなどで起きる急性腎不全では、一時的に尿量が減少しますが、残されたネフロンのオーバーワークのために尿量はかなり回復します。その量については、どの程度のネフロンが残っているかによります。

 

糖尿病などの代謝異常が起きた場合も、尿量が増加します。これは多量のブドウ糖が糸球体で濾過されるために尿細管の浸透圧が上がり、ナトリウムや水の再吸収が抑制されるからです。 

 

心不全などによって心機能が低下したり、出血量が極度に多くなって体内の循環血液量が減ると、腎臓への血流量も減るために尿量が減少します。また、前立腺肥大症や腫瘍、結石などによって尿道が狭くなると、1回の尿量が少なくなり、頻尿になります。また、これらの症状が進んで尿道が閉塞されると、尿は全く出なくなります。

 

MEMO前立腺肥大症

前立腺組織が肥大して膀胱の出口を締めつけ、尿路が圧迫されて排尿困難になる疾患。アンドロゲン(男性ホルモン)とエストロゲン(女性ホルモン)のバランスの変化が原因といわれています。

 

[次回]

腎臓が細菌に感染するとどうなるの?

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

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