看護用語辞典 ナースpedia キーワード:ヒスタミン

ヒスタミンとは・・・

最終更新日 2017/07/26

ヒスタミン(ひすたみん)とは、末梢、中枢神経系に広く分布する生理活性物質(※)である。生体内で炎症、アレルギー反応酸分泌、神経伝達に関与している。ヒスタミンは、肥満細胞、白血球、胃腸の細胞、の神経細胞などに存在する酵素により生合成され、そこで作用もしくは貯蔵される。

ヒスタミンは細胞の表面にある受容体を介して作用を発現させる。生体には4種類の受容体(H1~H4)があり、それぞれ異なる作用を示す。

※生理活性物質:生体の生理や行動に作用して体の働きを調整する化学物質。

〈ヒスタミンの受容体〉
■H1受容体

炎症およびⅠ型アレルギー反応に関与する受容体であり、気管支喘息、アレルギー性鼻炎蕁麻疹アナフィラキシーの症状を引き起こす。そのため、H1受容体へのヒスタミンの結合を阻害する薬が、これらの疾患の治療に用いられる。
・ヒスタミンと炎症
外傷や感染症に対する生体反応の一つとして、炎症反応があげられる。細胞が損傷を受けると、組織周辺の肥満細胞や血中の好塩基球が、ヒスタミンを放出する。放出されたヒスタミンにより、血管拡張、発赤、発熱、腫脹、疼痛が引き起こされる。この炎症反応により、その部位に他の免疫細胞やタンパク質等が集まり、細胞および組織の損傷回復が促進される。
・ヒスタミンとアレルギー反応
アレルギー反応とは、免疫システムがある物質(アレルゲン)に対して過剰に反応することである。過剰な免疫反応が起こることにより、時に重篤あるいは致死的な状態となることがある。
ヒスタミンの関与が大きい即時型アレルギーは、食物、花粉、ハウスダスト等に含まれるアレルゲンが、肥満細胞もしくは好塩基球上のIgEに結合することにより起こる。アレルゲンが結合すると、肥満細胞もしくは好塩基球は、大量のヒスタミンを放出する。その結果、炎症反応が体内で発現し、反応部位により気道閉塞、浮腫、蕁麻疹、発赤、かゆみ、くしゃみ等の症状が発現する。

■H2受容体
胃酸分泌に関与する受容体である。このH2受容体の阻害薬が、胃潰瘍および十二指腸潰瘍の治療に用いられる。
・ヒスタミンと胃酸分泌
胃壁細胞は、胃内を酸性に保つためにH+(胃酸)を持続的に分泌している。胃酸分泌の刺激は、胃壁粘膜の細胞に存在するヒスタミン、ガストリン、ムスカリン受容体を介して行われる。この中では、ヒスタミン受容体(H2受容体)を介する刺激が最も強い。このようにヒスタミンは、胃酸分泌を介して胃内pHを低下させる役割を果たしている。

■H3受容体
脳の神経系細胞に存在し、神経伝達物質の量を調整することにより、神経伝達に関与している。

■H4受容体
脾臓や胸腺といった免疫組織および免疫系細胞に存在し、免疫調節に関与している。

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