「トクホ」「栄養機能食品」って結局何がイイの?新たな表示も4月スタート

特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品につづく、第3の機能性表示が4月からスタートします。
現在、食品の効能効果を表示することは原則として認められていません。例外はトクホと栄養機能食品の2種類だけです。

 

特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品につづく、第3の機能性表示が4月からスタート

 

新しい機能性表示は生鮮・農水産物も対象で、目や粘膜、骨など体の部位ごとに健康への効果を表示できる新制度に注目が集まっています。

 

そもそも「特定保健用食品(トクホ)」って何?

トクホは、血圧コレステロールのコントロールを助けるなどの効果が、科学的に証明されている食品に対して与えられる認証です。臨床試験を行い、消費者庁による厳しい個別審査にとおって、はじめてトクホの認証がえられます。

 

おもな効能と対象成分は次の通りです。

 

■お腹の調子を整える食品

オリゴ糖、食物繊維、ビフィズス菌、乳酸

 

■血圧が高めの方に適する食品

杜仲葉配糖体、ペプチド

 

■コレステロールが高めの方に適する食品

キトサン、大豆たんぱく質、植物ステロール


■血糖値が気になる方に適する食品

L-アラビノース、グァバ葉ポリフェノール、小麦アルブミン

 

■ミネラルの吸収を助ける食品

クエン酸リンゴ酸カルシウム、フラクトオリゴ糖、ヘム鉄


■食後の血中の中性脂肪を抑える食品

ジアシルグリセロール、グロビン蛋白分解物


■虫歯の原因になりにくい食品

マルチトール、パラチノース、茶ポリフェノール


■歯の健康維持に役立つ食品

キシリトール、マルチトール、 リン酸一水素カルシウム


■体脂肪がつきにくい食品

ジアシルグリセロール植物性ステロール


■骨の健康が気になる方に適する食品

大豆イソフラボン、乳塩基性タンパク質

 

代表的な商品にはお茶や炭酸飲料、乳酸飲料があります。加工食品が目立ちますが、生鮮・農水産物にも表示が可能です。

 

「栄養機能食品」はサプリメント

これに対して、栄養機能食品は、いわゆるサプリメントのこと。ビタミンやミネラルなどの補給を目的にした食品です。目や粘膜、骨など特定の部位に対する機能を表示できるのも特徴です。

 

表示の対象となる栄養成分は次の通りです。

 

■ミネラル類

カルシウム、亜鉛、銅、マグネシウム、鉄


■ビタミン類

ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸

 

野菜や果物にも表示可能な新しい機能表示

4月からはこの2つに加えて、新たに機能性表示がスタートします。第3の機能性表示は、トクホと栄養機能食品の特徴をあわせもった表示になります。

 

【新たな機能性表示のポイント】

■目や粘膜、骨など体の部位への効能を表示できる

■野菜や果物、魚肉などの生鮮食品にも表示ができる

■製品ごとの臨床試験が不要(消費者庁による許可制から事業者による届け出制へ)

 

健康にいいみかんやお茶が登場!?

生鮮食品の効能効果が表示できることから、さまざまな商品への機能表示が進むと考えられます。例えば、JAでは温州みかんに含まれるβ-クリプトキサンチンが、動脈硬化や糖尿病の予防・改善につながることを、新制度を使って広くアピールすることを検討しています。

 

また鹿児島の「べにふうき緑茶」というブランドでは、製品に含まれるメチル化カテキンがアレルギー症状を抑えることをウリにして販路拡大を狙うとのことです。

 

製品が出始めるのは夏以降

新制度がスタートするのは、消費者への情報提供を強化することが目的です。さらには日本の農産物のブランド化を強化し、海外へのアピールを強める狙いもあります。

 

制度自体は4月から始まりますが、メーカーの申請を経て販売がスタートするため、実際の商品が店頭に並ぶのは夏以降が予想されます。

 

果物や野菜に含有される成分には、健康への効能効果が実証されているものも数多くあります。新たな表示制度を活かしてうまく情報を活用し、食べながら健康になれるメリットは小さくありません。一方でトクホ同様、医薬品ではなく、あくまで“食品”であることから、過度な期待は禁物といえそうです。

 

(参考)

機能性表示食品:「体にいい」夏にも店頭に 消費者庁指針(『毎日新聞』2015年03月02日)
 

機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン(案)の概要(消費者庁)

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