看護用語辞典 ナースpedia キーワード:マクロファージ

マクロファージとは・・・

最終更新日 2018/04/20

マクロファージ(まくろふぁーじ)は、血液中に存在する白血球のうち5%程度を占める単球の一種である。単球は、血中に10~20時間存在したのち、血管内から組織へ遊出する。組織に入って5倍もの大きさにまで膨らんだ単球がマクロファージと呼ばれる。マクロファージは、さまざまな組織に存在し、特に皮膚に存在するものは組織球、肝臓に存在するものはクッパー細胞、脳に存在するものはグリア細胞、肺に存在するものは肺胞マクロファージと呼ばれている。

免疫には、自然免疫(最初に起動される非特異的な生体の防御反応)と獲得免疫(個々の異物に対する特異的な免疫)があるが、マクロファージは、好中球とともに特に自然免疫において需要な役割を果たす。自然免疫は、生体に侵入した細菌やウイルスなど異物に対する最初の防御反応であり、好中球とマクロファージが異物を貪食する。マクロファージは、好中球よりもはるかに強力な貪食能をもち、大量の細菌や大きなサイズの異物(壊死組織など)を貪食することができる。マクロファージ内には、タンパク分解酵素やリパーゼで満たされたリソソームが存在し、貪食された異物を含んだ小胞がリソソームと融合して、異物が消化され残渣が放出される。リソソーム内の酵素で消化できない場合も、スーパーオキサイド、過酸化水素などのマクロファージ内の殺菌物質によって殺菌される。マクロファージは最終的に死滅するまで何か月も貪食能を発揮する。

マクロファージは、貪食した異物を細胞表面に提示(抗原提示)することによりヘルパーT細胞を活性化し、獲得免疫にも関わる。さまざまな細胞増殖因子や炎症性サイトカインの産生能ももち免疫機構、骨髄での単球顆粒球産生機構を制御している。

しかし、マクロファージによる貪食殺菌作用は万能ではない。結核菌など一部の細菌は殺菌作用を阻害する物質を分泌する能力を持つため、慢性感染が成立する。また、ヒト免疫不全ウイルスは、ヘルパーT細胞とマクロファージそのものに入り込み、細胞間の物質交換作用を利用して細胞外に出ることなく増殖することで、免疫による除去を回避するとともに、これらの細胞の機能不全を起こすことが知られている。

執筆

柳井真知

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター医長

本ページの内容・監修について
このエントリーをはてなブックマークに追加

ナースpediaのTOPへ戻る

いちおし記事

全国の病院に聞きました「看護師の採用、増やす?減らす?」

いずれ看護師余りの時代が!?病院ナースの採用…これからどうなる? [ 記事を読む ]

認知症とうつ状態・せん妄の違いは?

認知症に似た2つの症状…。見分けるポイントを解説します。 [ 記事を読む ]

看護師みんなのアンケート

ここを褒めて!あなたの褒めてほしいポイントは?

投票数:
1270
実施期間:
2019年05月28日 2019年06月18日

TV番組、毎週どれだけ録画してる?

投票数:
1254
実施期間:
2019年05月31日 2019年06月21日

院内のジンクス教えて!

投票数:
1092
実施期間:
2019年06月04日 2019年06月25日

4番目に大切な人は?

投票数:
1068
実施期間:
2019年06月07日 2019年06月28日

「採血が難しい血管」選手権!

投票数:
980
実施期間:
2019年06月11日 2019年07月02日

勤務先にめずらしい福利厚生、ある?

投票数:
827
実施期間:
2019年06月14日 2019年07月05日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者3745

びらんや浅い潰瘍程度の褥瘡のケアについて最も適切なものは以下のうちどれでしょうか?

  • 1.皮下組織に至る創傷用ドレッシング材のハイドロコロイド材を用いた。
  • 2.真皮に至る創傷用ドレッシング材のハイドロジェルを使用した。
  • 3.スルファジアジン銀含有クリームを使用した。
  • 4.ポリウレタンフォーム材を使用した。
今日のクイズに挑戦!