最終更新日 2018/05/08

クッパー細胞

クッパー細胞とは・・・

クッパー細胞(くっぱーさいぼう/Kupffer cell)は、肝臓を構成する細胞であり、類洞に存在するマクロファージの一種である。クッパー細胞は、周囲に突起を伸ばし、肝臓の類洞腔の内皮細胞に接着する。
マクロファージは貪食能が盛んな細胞である。クッパー細胞の役割は多岐にわたり、肝動脈や門脈から流れてきた異物や毒素、老廃物などを細胞内に取込み、消化分解や再利用を行うばかりでなく、サイトカインを産生し免疫反応を制御する機能も有する。

歴史的にKupffer細胞と混同された細胞として肝臓には伊東細胞(肝星細胞)がある。伊東細胞はディッセ腔(肝細胞と類洞の隙間)に分布している。この細胞は細胞質内にある脂質滴内にビタミンAの多くを貯蔵していることで有名である。また近年、慢性肝炎など種々の肝臓慢性疾患において過剰なコラーゲン線維を産生し、線維化の進行に重要な働きを有し、肝線維症および肝硬変に関与することがわかった。
 

執筆: 大橋健一

横浜市立大学附属病院 病理診断科・病理部教授

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