看護用語辞典 ナースpedia キーワード:乾癬

乾癬とは・・・

最終更新日 2018/05/11

乾癬(かんせん/psoriaris)とは、炎症性角化症のひとつである。症状により、尋常性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬の5病型に分類される。

【分類】
・尋常性乾癬:銀白色の鱗屑(皮膚の粉)をともない境界明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出現する。乾癬の90%を占める。紅斑の大きさ、数、形は様々で、癒合し大きな病変を作ることもある。好発部位は、慢性の機械的刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿伸側にみられる。
・滴状乾癬:体幹や四肢近位側に1cm大までの小さな角化性紅斑が多発し散布する。
・膿疱性乾癬:膿疱を主体とする。汎発性や限局性などの病型がある。汎発性膿疱性乾癬は発熱、全身倦怠感を伴い、全身の皮膚に紅斑と膿疱が多発する。炎症が強く、入院での加療が必要となる。
・乾癬性紅皮症:乾癬の皮疹が全身にみられるようになり、紅皮症化したもの。低たんぱく血漿脱水電解質異常をきたしやすい。
・乾癬性関節炎:乾癬に伴って関節炎を起こすもの。乾癬の発疹の程度とは必ずしも一致せず、関節炎が先行することもある。大部分はDIP(distal interphalangeal:遠位指趾節間)関節が障害されるが、脊椎や仙腸骨といった中枢型も存在する。

乾癬は、青壮年期に発症することが多く、慢性に寛解、増悪を繰り返す。白人では人口の2~3%に発症し、日本人ではおよそ0.1%と推定され、徐々に日本でも増加傾向にある。
原因は不明であるが、遺伝的素因があることは判明している。遺伝的素因に環境因子(生活習慣や食事、ストレス、肥満、感染症、薬剤など)が加わり発症するといわれている。日本での家族内発症頻度は4~5%程度である。特徴的な臨床症状により診断可能であるが、鑑別診断のために皮膚病理組織学的検討が必要になることもある。

治療は、慢性で軽快と増悪を繰り返すため、一律な治療方針はない。患者の症状や病勢、状況に応じて外用療法、内服療法、光線(紫外線)療法、抗体療法を適宜選択・併用する。
外用薬はステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬が主に使用される。内服薬はレチノイド、シクロスポリン、メトトレキサート(メトトレキサートのみ日本では保険適応外)が使われる。ステロイド内服は膿疱性乾癬を惹起する可能性があるため原則使用しない。
光線療法はPUVA(プーバ)療法、narrow band(ナローバンド) UVB療法がある。PUVA療法は外用薬を塗布および内服後に波長の長い紫外線を当てる。Narrow band UVB療法は311nmの狭い紫外線を照射し、外用、内服を必要とせず、簡便で照射時間が短い。
抗体療法はサイトカインをターゲットとして生物学的製剤を使用する。2010年から保険適応となりアダリムマブ、インフリキシマブ、ウステキヌマブを決められた用法に沿って投与する。
 

執筆

上村恵理

長崎大学病院 高度救命救急センター助教

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