浣腸時、カテーテルを10cm以上挿入しないのはなぜ?|浣腸

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は浣腸時のカテーテル挿入に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

浣腸時、カテーテルを10cm以上挿入しないのはなぜ?

カテーテルを挿入しすぎると、腸の粘膜を傷つける危険性があるためです。

 

一般的には7~8cm挿入すれば目的を達することができ、腸壁を傷つける心配もありません。

 

成人の直腸の長さは約20cmです。カテーテルを奥に挿入しようとすると、S状結腸に移行する部位の腸壁を損傷する可能性がありますので、10cm以上の挿入は危険です。直腸膨大部に存在する直腸弁を損傷したり、長すぎるカテーテルが直腸内で折れ曲がって浣腸液の流入を妨げる可能性もあります。

 

一方、挿入する長さが不足すると、浣腸液を注入する時にかかる水圧でカテーテルが抜けたり、浣腸液が腸内に入らずに肛門から外へ排出することもあります。適度な長さで挿入する必要があります。

 

 

 

memo浣腸の禁忌

浣腸は、想像以上に患者に負担をかけます。実施前には、バイタルサインを測定し、患者の状態を十分に観察することが重要です。また、浣腸時に起きるショックや出血などの危険を防ぐために、最終排便日とその時の便の性状と量、腹部膨満の状態などもチェックします。

 

一般に、浣腸の禁忌の対象となる患者は、以下のような状態です。

 

  • 血圧の変動が激しい患者
  • 直腸や結腸の手術を行った直後の患者
  • 重篤な高血圧動脈瘤、心疾患などの患者
  • 亢進症状のある(あるいは予測される)患者
  • 衰弱している患者
  • また、虫垂炎潰瘍性大腸炎、腸出血などがある時に浣腸をすると、腸壁が刺激されて蠕動運動が高まり、炎症が悪化して腸穿孔(せんこう)を起こすこともあります(2)。

 


[参考文献]

 

  • (2)井上幸子、平山朝子、金子道子編集:看護学体系第9巻看護の方法(4)第2版、p123、日本看護協会出版会、2004

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。/著作権所有(C)2016照林社

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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