緩和ケア 7つの誤解|誤解7◆点滴しないと死期が早まる
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「『輸液を絞ると死期が早まってしまう』という誤解が医療者にも患者にもある」と今回取材した緩和ケア医たちは口をそろえて指摘する。
死を前にして食欲減退を示す患者に対し、体力が減少した状態では受け止められない高カロリー輸液や過剰な維持輸液を漫然と投与しているケースが見られるという。その結果、腹水や胸水、浮腫などによる苦痛を悪化させることがある。
(満武 里奈=日経メディカル)
緩和ケア 7つの誤解
誤解7◆点滴しないと死期が早まる
日本緩和医療学会の「終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン」では、推定余命1カ月以内の終末期癌患者に対する輸液での水分投与について、「それだけでは必ずしもQOLの改善や症状の緩和に役立たない」としている。
終末期では、ある程度、体力がありそうでも1日500mL、体力がなさそうであれば1日200mLを目安に維持輸液を投与することを愛和病院副院長の平方眞氏は勧めている。
少量から開始して喘鳴などの悪い反応がなければ継続。浮腫や胸腹水の増加、喘鳴や気道分泌物の増加など水分過剰徴候が生じたら、水分を受け止められない状態であると判断して補液を減量するか中止する。
輸液量を絞る上で最も大事なことは、患者とその家族に輸液量を絞ることが最善の選択肢であると説明することだ。
平方氏は、輸液量を絞ることを不安がる家族に対して、「体力が少なくなると、栄養や水分を受け止める力が少なくなり、無理に輸液すると受け止められず、逆に体への負担になります。これまでに比べてうんと少ない量しか入っていないかもしれませんが、現在の体力にはこの量が一番良いバランスだと思います。このバランスを保てるようにこれからも調整します」と説明している。
医療者だけでなく、患者とその家族の誤解を解くことで、より良い緩和ケアが行える。
【緩和ケア 7つの誤解】
誤解7◆点滴しないと死期が早まる
<掲載元>
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