緩和ケア 7つの誤解|誤解5◆レスキュー薬はできるだけ制限

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「レスキュー薬」(定期鎮痛薬では十分に痛みがコントロールできない際に臨時で服薬するオピオイド速放性製剤)を処方する際、薬が効き過ぎて副作用が生じるのではないかと考えて、「レスキュー薬は1日に4回まで」「定時薬の1日投与量の6分の1量まで」などと、使用制限を設けていないだろうか。

(満武 里奈=日経メディカル)

 

特集◎緩和ケア 7つの誤解

誤解5◆レスキュー薬はできるだけ制限

日本緩和医療学会の「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン」では、「がん疼痛に対してオピオイドを長期間使用しても精神依存はまれである」と記載。経口薬では1時間、注射薬では15~30分の投与間隔を空ければレスキュー薬は何度でも使用してよいほか、効果が不十分だった場合は、眠気などの副作用が許容できる範囲でレスキュー薬を増量するよう推奨している。

 

「痛みで苦しんでいる患者をその場で『レスキュー=救済』できる投与量でなければ、レスキュー薬とはいえない」と同ガイドライン作成に関わった余宮氏は説明する。

 

埼玉県立がんセンターの余宮きのみ氏

埼玉県立がんセンターの余宮きのみ氏は、「痛みで苦しんでいる患者をその場でレスキューできる投与量でなければレスキュー薬といえない」と説明する。

 

痛みの種類を問診で見分ける

レスキュー薬の使い方の正解はこうだ。レスキュー薬が必要となっているのであれば、その痛みは持続痛なのか突出痛なのか、もし突出痛ならばその種類は何なのかを特定(図4)。

体動時痛であれば動く30分前にレスキュー薬を服薬するように指導する。発作痛もレスキュー薬を使用するよう患者に説明する。一方、薬の切れ目の痛みであれば、定時薬の増量を検討することが必要だ。

 

図4 問診による痛みの種類の見分け方(余宮氏による、図5とも)

図4 問診による痛みの種類の見分け方

 

実際のレスキュー薬の用量は、痛みの取れ具合と眠気を基に用量調整する(図5)。ただし、定時薬を調整している段階では、血中濃度が定常状態になるまで時間が掛かるため、レスキュー薬が頻回にわたり必要になることがある。

 

余宮氏が勧めるのは、患者にレスキュー薬を使用した時間をメモするように指示すること。レスキュー薬を1日何回使用したかを確認することで、定時薬をどれくらいベースアップすればよいのかが分かるという。例えば、定時薬が40mgで、1日3回20mgのレスキュー薬を使用していた場合、次回の定時薬は100mg(40+60)を目安(眠気が強ければ7割程度)にベースアップする。

 

図5 レスキュー薬の効果判定による対処方法 

図5 レスキュー薬の効果判定による対処方法

 

また、処方の仕方だけでなく、患者への説明法にも工夫が要る。「痛いときだけ飲んでください」では、服薬タイミングやその量が分からないため、説明として不十分だ。「我慢せず早めに飲みましょう」「外出したり、何かをしたときに痛いのであれば、早めに服薬しましょう」などと事前に患者に説明することが求められる。

 

 

【緩和ケア 7つの誤解】

誤解1◆緩和ケアは癌治療後に開始

誤解2◆予後は予測できない

誤解3◆緩和ケアは痛みの緩和

誤解4◆医師の説明を患者は理解している

誤解5◆レスキュー薬はできるだけ制限

誤解6◆モルヒネは命を縮める

誤解7◆点滴しないと死期が早まる

 

<掲載元>

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