コレステロール制限なし、ソフトドリンクには課税?アメリカの食生活ガイドライン

今年2月に、アメリカ保健福祉省と農務省の諮問委員会が、2015年版アメリカ人の食生活ガイドラインの青写真となる報告書を公表しました。最新の栄養に関するピアレビュー研究を評価してまとめられた報告書で、最終的な食生活ガイドラインは今年末までに公表される予定です。

さて、アメリカはどんな食生活を目指し、前回(2010年)の食生活ガイドラインからどう変わるのでしょうか。

 

【INDEX】

・アメリカ的・健康的な食事とは

コレステロールはもはや悪者ではない

・ソフトドリンクに課税?砂糖に摂取上限

・地中海食やベジタリアン食は、体にも環境にも優しい

・塩分はひきつづき控えめに

 

 

アメリカ的・健康的な食事とは

報告書では、健康的な食事を以下のように示しています。

  • ●たっぷり摂る:野菜・果物・全粒穀物・魚介類・豆類・ナッツ
  • ●ほどほどに摂る:無脂肪または低脂肪乳製品・アルコール
  • ●減らす:赤身肉・加工肉
  • ●控えめに摂る:飽和脂肪・ナトリウム・精製した穀物・糖分

 

コレステロールはもはや悪者ではない

これまでコレステロールの多い卵やエビは摂りすぎないことがほとんど常識でした。ところが諮問委員会は、「食事からのコレステロール摂取量と血中コレステロール値の間に明らかな関連を示すエビデンスが十分ではない」として、これまでの1日300mgまでのコレステロール制限を廃止しました。

 

ただし、脂身の多い肉やバター、アイスクリームなどコレステロールの多い食品は飽和脂肪も多く含まれているため、これらの食品をむやみに摂取することには注意を促しています。

 

また、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を上昇させるのは飽和脂肪(動物性食品に多い)とトランス脂肪(マーガリンやショートニングに多い)であるとして、これらの脂肪の摂取は、これまでと同じく制限しています。

 

なお、この推奨は2歳以上の健康な人に対して適用されるものであり、脂質異常症など病気のある人はコレステロール摂取に関して医師と相談するよう、報告書は明記しています。

 

ソフトドリンクに課税?砂糖に摂取上限

今回、諮問委員会は初めて砂糖の摂取量に上限を設定しました。砂糖の摂取量を1日の総カロリーの10%以内に抑えるよう推奨したのです。たとえば1日に2000カロリーを摂取する人なら、砂糖は200カロリー、つまり、ティースプーン12杯の砂糖しか摂れません(ティースプーン1杯の砂糖は16カロリー)。

 

アメリカ人は平均して1日にティースプーン22杯の砂糖(3分の1はソフトドリンクから)を摂っており、上限を軽く超えています。しかし糖分の摂りすぎは肥満の大きな要因であり、糖尿病や心疾患の発症リスクであるため、諮問委員会はソフトドリンクに対する課税にまで言及しています。

 

砂糖の代わりに低カロリーの人工甘味料(アスパルテームなど)を使うことについては、長期の健康への影響などがまだ分かっていないため、諮問委員会は推奨していません。

 

コーヒーは適度ならむしろ健康によい

今回初めて、適度の量のコーヒーは健康的な食生活に取り入れることができるとして推奨されました。

報告書では、適量のコーヒーとは1日3~5杯(カフェイン400mgまで)としています。コーヒーは長期の健康問題に関係することはなく、むしろ心血管疾患や糖尿病などのリスクを低下させます。

ただし、コーヒーに加えるクリームや砂糖には要注意です。

また、多量のカフェインは問題がありうるとし、10代以下の子供にはカフェインの多い食品などを避けるか、控えることを推奨しています。

 

地中海食やベジタリアン食は、体にも環境にも優しい

諮問委員会は、個々の栄養素にとらわれすぎず、食生活をトータルにとらえて、健康的に食べる視点を示しました。

たとえば、地中海食やベジタリアン食は、動物性食品中心の食生活に比べて自然の資源を減らさないので、より環境に優しい食生活スタイルとして推奨されています。

こうした地球環境の視点を盛り込んだ推奨は、今回が初めてのことです。

 

塩分はひきつづき控えめに

ナトリウム摂取量は前回のガイドラインと同じく、一般の健康な人で1日2300mg未満(食塩換算で5.8g)、高血圧の人や高齢者で1日1500mg(食塩換算で3.8g)未満に制限するよう推奨されています。

 

【Sources】

Inside the New Dietary Guidelines(BERKELEY WELLNESS)

Surprises in Proposed New Dietary Guidelines(WebMD)

 


【筆者】中岡ひさ子

看護師。徳島大学卒業後、13年間看護師として勤務。その後海外論文の翻訳に携わり、医学・看護論文の翻訳者、ライターとして活動中。

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