准看護師の平均年収・給料はいくら?手取りやボーナス、正看護師との違いを解説

「自分の給料、平均より低いのかな」「手取りが思ったより少ない……」准看護師として働く中で、こんな疑問や不満を感じたことはないでしょうか。

 

日々の業務は看護師とほとんど変わらないのに、給与明細を見るたびにモヤモヤする、という声は少なくありません。

 

この記事では、厚生労働省の最新データをもとに、准看護師のリアルな年収・手取り・ボーナス事情を解説します。

 

 

准看護師の平均年収は約427万円、給料の内訳を解説

准看護師の平均収入。年収は427万円、月収は30万円、ボーナスは63万円。出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。

 

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、准看護師の平均年収は427万5200円(平均年齢51.8歳)です。内訳は月収が約30.3万円、ボーナスが約63.7万円となっています。

 

正看護師(524万7200円)と比べると約97万円、すべての職種の平均(545万5600円)と比べると約118万円低い水準となっています。

 

准看護師と正看護師でなぜ給料が異なるの?

正看護師と准看護師では、年間で約97万円、月収ベースでは約6万円、ボーナスでも20万円以上の差があります。

 

この差が生まれる主な理由は、資格の位置づけと業務範囲の違いにあります。正看護師は自身の判断で状況に応じて看護業務を行える一方で、 厚生労働大臣の国家資格であり、准看護師は都道府県知事免許です。

 

業務上の違いとしては、准看護師は医師・歯科医師または看護師の指示のもとで業務を行うと法律で定められています(保健師助産師看護師法第6条)。この制度上の違いが、賃金体系や昇給の幅に影響しています。

 

また、看護管理者やリーダー業務については、日本看護協会のガイドラインでは看護師が担うべきとされており、管理職へのキャリアアップにおいても正看護師が優先されやすいといった側面があります。

 

准看護師の手取り額

准看護師の平均月収は約30万円なので、手取りは24万円程度となります。年収ベースでは342万円前後が実際に受け取る金額となるでしょう。

 

手取りは、給与明細に記載されている「額面」から、健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税などが差し引かれたもの。一般的に額面の8割程度が目安となります。

 

「手取りが思ったより少ない」と感じる背景には、この控除額の大きさがあります。

 

准看護師の初任給

准看護師の初任給は、額面で20万〜25万円程度です。ボーナスを含めた1年目の年収は240万〜300万円ほどが目安。ただし、入職直後の夏のボーナスは勤務実績が少ないため、支給されないか少額になるケースが多いでしょう。

 

手取りベースでは月収16万〜20万円、年収190万〜240万円ほどが現実的なラインです。

 

【年齢・経験・地域別】准看護師の平均年収・月収

「自分の年収は相場と比べてどうなんだろう?」と気になる方は多いでしょう。ここでは年齢や地域などの属性別にデータを見ていきます。

 

年齢別の平均年収

年代別 准看護師の月収と年収のグラフ画像。各年代の月収と年収は上から順に以下の通り。20〜24歳:月収25.2万円・年収345.7万円、25〜29歳:月収27.5万円・年収379.7万円、30〜34歳:月収27.6万円・年収389.6万円、35〜39歳:月収28.2万円・年収394.7万円、40〜44歳:月収30.1万円・年収425.3万円、45〜49歳:月収31.4万円・年収447.4万円、50〜54歳:月収30.2万円・年収430.9万円、55〜59歳:月収33.4万円・年収473.1万円、60〜64歳:月収30.8万円・年収436.9万円、65〜69歳:月収27.1万円・年収366.8万円。55〜59歳の箇所が緑の枠で強調されており、下部に「50代後半が准看護師の平均年収のピーク」と記載。出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。

 

准看護師の年収は、年齢・経験を積むごとに着実に上昇し、50代後半でピークを迎える傾向にあります。

 

20代前半の頃は経験が浅く賞与も少ないため年収は300万円台前半ですが、そこから40代にかけて右肩上がりに伸びていきます。50代後半には470万円台まで上昇しており、年齢を重ねるごとに給料が増しています。

 

地域(都道府県)による給料の差

都道府県別 准看護師の平均年収のグラフ画像。全国平均は427.5万円。各都道府県の平均年収は上から順に以下の通り。北海道422.3万円、青森333.3万円、岩手379.0万円、宮城372.4万円、秋田376.2万円、山形511.7万円、福島369.6万円、茨城419.2万円、栃木421.8万円、群馬440.2万円、埼玉462.1万円、千葉460.4万円、東京547.1万円(第1位)、神奈川539.7万円(第2位)、新潟442.8万円、富山410.8万円、石川423.4万円、福井409.7万円、山梨497.1万円、長野444.7万円、岐阜360.1万円、静岡463.3万円、愛知473.9万円、三重434.9万円、滋賀375.4万円、京都521.6万円(第3位)、大阪443.6万円、兵庫457.6万円、奈良443.9万円、和歌山449.5万円、鳥取385.4万円、島根423.5万円、岡山412.0万円、広島430.6万円、山口409.5万円、徳島452.9万円、香川394.6万円、愛媛393.3万円、高知387.1万円、福岡365.5万円、佐賀370.8万円、長崎382.3万円、熊本394.2万円、大分388.6万円、宮崎374.7万円、鹿児島393.3万円、沖縄402.0万円。出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。

 

准看護師の年収は、働く地域によっても大きく変わります。厚生労働省の最新データによると、高いエリアと低いエリアでは年間200万円以上の差が生じています。


都市部は物価・地価が高い分、給与水準も高く設定される傾向にありますが、生活コストとのバランスも考慮が必要です。転職を検討する際は「年収の数字」だけでなく、家賃や交通費なども含めた手取りベースの実質的な生活水準で比較してみると良いかもしれません。

 

施設形態・働き方による准看護師の年収の違い

次に、施設の種別と勤務形態、それぞれの年収の傾向を確認してみましょう。

 

病院・クリニック・介護施設などの施設別年収

まずは、施設別での一般的な年収相場の目安を紹介します。

 

施設形態 年収目安
病院 300~330万円
クリニック・診療所 330~360万円
訪問看護ステーション 330~350万円
介護施設・老健 320~350万円

※常勤の准看護師の場合

 

施設による年収の差は、勤務形態の違いによる影響が大きいでしょう。

 

勤務形態 年収目安
夜勤専従 330~350万円以上
交代制勤務(2・3交代) 340~370万円
日勤のみ 320~350万円

 

夜勤のある病院などでは夜勤手当を積み重ねれば年収が大幅にアップします。一方、日勤のみのクリニックでは夜勤手当がない分、収入は低めになる場合もあります。

 

訪問看護ステーションは日勤のみのシフトが多く、准看護師の求人も比較的多い職場のひとつです。インセンティブ制度を導入している事業所では、訪問件数に応じて収入を増やせる場合もあります。

 

介護施設は夜勤ありの施設も多く、病院ほど急性期対応のプレッシャーがない分、体への負担を抑えながら夜勤手当を積み上げやすい職場といえるでしょう。

 

准看護師が給料・年収をアップさせる4つの方法

「今の給料をどうにかしたい」と思ったとき、具体的に何から始めれば良いのでしょうか?

 

准看護師が現実的に取り組める年収アップの方法を4つ紹介します。

 

夜勤の回数を増やす・夜勤専従になる

最もすぐに実行できるのが、夜勤回数を増やすことです。2交代制の病院では1回の夜勤で1万〜2万円程度の手当が支給されるのが一般的です。そのため、月4〜5回夜勤を行うことで年間40万〜120万円のプラスも見込めます。

 

さらに夜勤専従(夜勤のみで働く正社員)になると、手当の積み上げで年収が大幅に増えるケースもあります。ただし、生活リズムへの影響や体への負担も大きいので、自分の体力・生活スタイルと相談しながら無理のない範囲で検討してみましょう。

 

正看護師の資格を取得する(進学)

前述の通り、正看護師と准看護師では年間約97万円の差が生じます。そのため、長い目で見ると、正看護師の資格取得が最も効果的な年収アップの方法といえるでしょう。

 

准看護師から正看護師を目指す場合、看護師学校養成所の「2年課程」に進学するルートが一般的です。進学先には全日制・定時制・通信制があり、定時制や通信制であれば働きながら学ぶことも可能です。

 

「准看護師から正看護師になるルート」の図解。准看護師から進学するルートは主に3つ。1つ目は「5年以上(※1)の実務経験」を経て「看護師学校養成所 2年課程 通信制(教育年限2年)」へ進むルート。2つ目と3つ目は「看護師学校養成所 2年課程」の「定時制(教育年限3年)」または「全日制(※2・教育年限2年)」へ進むルートで、これらは中卒者の場合は3年以上の実務経験が必要。これら3つのルートから「看護師国家試験」を受験し、合格すると「看護師」になることができる。

参考:日本看護協会

※1:通信制の実務経験は2026年4月1日から5年以上に短縮。それまでは7年以上

※2:短期大学の全日制(2年課程)の場合、高卒以上の入学要件あり

 

卒業後に看護師国家試験に合格することで、正看護師の資格を取得できます。

 

また、奨学金や学費補助といった「資格取得支援制度」を設けている施設も多く、そのような職場に転職したうえで進学するという方法もあります。まずは自分に合ったルートを調べてみると良いでしょう。

佐々木雅子(看護師ライター)

正看護師の資格を取ることは、これまでの経験をさらに大きな力に変えることだと思います。「いつかは」と思っている方は、ぜひその一歩を踏み出してみてください」

 

 

給与水準の高い職場や企業へ転職する

今の職場で昇給が見込みにくいなら、思い切って転職するのも選択肢のひとつです。

 

基本給が高めな大規模病院や自由診療を扱う美容クリニック、日勤のみでも好条件の一般企業などへの転職が、年収アップにつながることがあります。

 

都市部への転職も、地域差を活かして年収を上げる方法です。転職の際は基本給だけでなく、夜勤手当の単価・ボーナスの支給実績・昇給制度も確認しておきましょう。

 

手当を積み上げる・スキルアップで評価を得る

転職や進学がすぐには難しいという場合、手当の見直しが有効です。住宅手当・家族手当などは施設によって支給条件が異なります。申請漏れがないか、改めて就業規則を確認してみましょう。

 

また、勤務先によっては特定のスキル取得が給与に直結します。例えば、介護施設であればケアマネジャー資格の取得で資格手当が付与されるケースもあります。小さな積み重ねであっても、月々の給与が数千円〜1万円アップすれば、年間では大きな差になります。

 

 

まとめ

准看護師の平均年収は427万5200円で、全職種平均と比べると約118万円、正看護師と比べても約97万円低い水準です。ただし、年齢や経験年数を重ねるにつれて着実に上昇していく傾向にあり、夜勤手当や施設形態・働く地域によっても大きく変わります。

 

高齢化の進展とともに、クリニックや介護施設を中心に一定の准看護師の需要は今後も続くと見込まれています。「今の給料を見直したい」と感じている方は、ぜひ転職や働き方の選択肢も含めて検討してみてください。

 

ライター:佐々木雅子(看護師)
編集:花岡那宏(看護roo! 編集部)

 

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【注】

・平均年収等のデータは各年の賃金構造基本統計調査より引用、算出しました。他統計の数値とは必ずしも一致しません。

・平均年収=「きまって支給する現金給与額」×12+「賞与その他特別給与額」。

・月収=「きまって支給する現金給与額」。各種手当を含み、所得税や社会保険料などが控除される前の額面の給与額。

・この記事は2026年8月18日に更新しました。

 

(参考)

令和7年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

保健師助産師看護師法(同)

准看護師に関するよくあるご質問(日本看護協会)

准看護師のための進学特設サイト(同)

これから准看護師を目指す人(日本准看護師連絡協議会)

 

 

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