准看護師から正看護師を目指すのは、大変?
准看護師と正看護師はどう違うの?
准看護師から正看護師へのキャリアアップを考えるうえで、資格取得までの期間や費用など、気になることも多いでしょう。
この記事では、准看護師から正看護師を目指す方、これから准看護師を目指す方に向けて、2つの資格の違い、正看護師になるためのルート、働きながら目指す方法を解説します。
准看護師と正看護師の違いとは?

准看護師と正看護師は、免許の種類や役割、給料など、さまざまな点が異なります。
教育課程・資格の種類・業務上の判断の違い
准看護師と正看護師は、資格の種類や業務上の判断などに違いがあります。
| 項目 | 正看護師 | 准看護師 |
|---|---|---|
| 入学要件 (最終学歴) | 高校卒業 (5年一貫校は中卒で入学可) | 中学校卒業 |
| 教育課程 | 3年以上 (3000時間以上、102単位) | 2年以上 (1890時間以上) |
| 学ぶ内容 | 臨床判断・看護理論・リーダーシップなど幅広く | 基礎的な看護知識・技術 |
| 資格の種類 | 厚生労働大臣が認定する免許(国家資格) | 都道府県知事が認定する免許 |
| 業務上の判断 | 自分で判断して看護業務が行える | 医師・歯科医師・正看護師の指示が必要 |
| 試験の合格率 (2024年度) | 約90% | 約98% |
| 就業者数 (2024年時点) | 約1360万人 | 約23万人 |
出典:これから准看護師を目指す人(日本准看護師連絡協議会)、令和6年度准看護師試験の実施状況について(厚生労働省)、第111回保健師国家試験、第108回助産師国家試験及び第114回看護師国家試験の合格発表(厚生労働省)、令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況(厚生労働省)
准看護師が「都道府県の資格」であるのに対して、正看護師は「国家資格」です。
正看護師は准看護師に比べて責任や役割も大きく、より高度な看護知識・技術を身につけることが求められ、教育課程で学ぶ範囲も広く、専門的です。
また、准看護師は「医師や正看護師の指示」に基づいて、療養上の世話や診療の補助を行う必要があります。准看護師が自らの判断だけでできることは、正看護師に比べて限定的です。
給料・待遇・キャリアの違い
准看護師と正看護師の責任や担当できる業務の違いから、給料やキャリアなどにも違いがあります。
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、平均年収には約100万円の差が見られます。
| 正看護師 | 准看護師 | |
|---|---|---|
| 年収(平均) | 約519万円 | 約417万円 |
| 月収(平均) | 約36万円 | 約29万円 |
| 賞与(平均) | 約83万円 | 約64万円 |
また、正看護師は管理職としても活躍できるため、昇進のチャンスや病棟での役割、転職時の求人の幅なども正看護師の方が広がるでしょう。
准看護師から正看護師になる3つの方法
准看護師から正看護師を目指すには、指定の看護師養成校に進学する必要があります。主に「全日制」「定時制」「通信制」の3つのルートがあります。

参考:日本看護協会
※1:通信制の実務経験は2026年4月1日から5年以上に短縮。それまでは7年以上
※2:短期大学の全日制(2年課程)の場合、高卒以上の入学要件あり
働きながら学ぶなら「通信制」
働きながら正看護師を目指す方にとって、通信制課程がもっとも現実的な選択肢となるでしょう。登校が必要な演習・病院実習・面接授業などはあるものの、自宅学習が中心なので、時間的な調整がしやすいのが特徴です。
入学要件である「5年以上の実務経験」は、病院やクリニック、介護施設、訪問看護ステーションなども含まれます。非常勤やパート勤務でも、看護業務に従事した期間が適切に判断できれば入学要件を満たせます。
夜間・休日に通学できるなら「定時制」
定時制は夜間や土日など、日中以外の時間帯に通学するスタイルです。教育年限は3年間で、週3〜4日程度の定期的な通学が必要となります。
対面授業なのでその場で質問でき、理解を深めやすいメリットがある一方、定期的な通学が必須となるため、シフト制の仕事や夜勤がある職場、家庭との両立には負担が大きいかもしれません。
入学前に職場や家族と相談し、通学スケジュールとの両立が可能か確認しておきましょう。
集中的に学ぶなら「全日制」
全日制は、平日の昼間に通学して講義や実習を集中的に受けるスタイルで、最短2年で正看護師を目指せます。
平日昼間の通学が必須となるため、仕事との両立は難しく、あらかじめ学費や生活費の準備が必要です。
仕事を辞めて勉強に専念したい、短期間で確実に資格を取得したい方に向いているでしょう。

費用と支援制度

准看護師から正看護師を目指す場合の学費や、利用できる支援制度を紹介します。
学費の目安
| 学費の目安(3年間) | |
|---|---|
| 全日制(2年間) | 約100万~200万円 |
| 定時制(3年間) | 約200万~300万円 |
| 通信制(2年間) | 約100万~130万円 |
教科書代や演習用の白衣、設備費など、学校によって負担金は異なります。
給付金・奨学金・教育訓練給付制度
- 専門実践教育訓練給付金(厚労省)
最大で学費の80%が支給される制度(条件あり)
出典:教育訓練給付制度|厚生労働省 - 看護師等修学資金貸付制度(各自治体)
卒業後に一定期間、指定された施設で勤務すれば、返済免除となる場合も
出典:看護師等修学資金貸与事業|東京都保健医療局 - 通信制課程進学者に対する奨学金(日本看護協会)
返済が必要な貸与型。無利息で、就業先や住まいなどの制限がない制度
出典:看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金|公益社団法人日本看護協会 - 母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業(厚労省)
ひとり親の方が資格取得を目指して学ぶ際に生活費を支援する制度
出典:母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業について|こども家庭庁
事前に自治体やハローワークに問い合わせて、自分が利用できる制度を確認しましょう。
准看護師から正看護師になるメリットと注意点
准看護師から正看護師になることで、次のようなメリットがあるでしょう。
- できる業務の範囲が広がり、やりがいを感じられる
- 看護師長や管理職などにもチャレンジできる
- 昇進・昇給のチャンスが増える
- 転職するときの選択肢が大幅に増える
一方で、注意したいのは給料面です。正看護師の資格を取得しても、看護師としては「1年目」の扱いになるので、准看護師としての経験が考慮されない場合、人によっては基本給が准看護師時代より下がるということもあります。
また、求められる業務や責任が増えたり、委員会活動なども担当したりなど、准看護師時代とは異なるプレッシャーや忙しさを感じやすいかもしれません。
准看護師は減っている?
看護業界全体の動きとして、准看護師の人数や養成校は年々減少傾向にあります。

出典:令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況(厚生労働省)
また、准看護師の養成学校の数もピーク時の約700校から、2024年時点で約180校にまで減少しています。
看護職の中で准看護師の割合が減っている中、これからのキャリアを考えるうえで、「正看護師を目指す」という選択肢はますます注目されるでしょう。
医療が高度化し、より専門的な知識と自律的な判断が求められる現場では、正看護師であることが昇進や職場選びの条件となるケースが増えています。
まとめ|准看護師から正看護師へ!あなたらしいキャリアを築こう
准看護師としての経験を土台として、正看護師の資格が加われば、より多くの場面で活躍できるチャンスが広がります。
「今からでも間に合うかな…」と悩む方こそ、まずは情報を集め、一歩を踏み出してみましょう。

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