最終更新日 2019/05/14

喘息発作

喘息発作とは・・・

喘息発作(ぜんそくほっさ、asthmatic crisis)とは、気管支喘息患者にみられる発作性の呼吸困難、喘鳴の症状で、気道狭窄による気流制限のため生じる。軽度から致死的な発作まであり、自然に、また治療により改善する。
なお、他の器質的心肺疾患により喘息様症状を呈しても喘息発作とは呼ばない。

【症状】
喘息発作時は、咳や痰、息苦しさや、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴など、さまざまな症状を呈する。連続性ラ音を聴取したり、また呼気の延長が認められたり、これらは気流制限の変化に伴い変動する。最近では咳だけの喘息(咳喘息)も増加している。また胸の痛みや喉に感じる違和感なども症状の一つである。発作症状は、夜間、早朝に出現することが多く、無症状期を挟んで反復し、安静時にも出現する。

【原因】
気道は炎症によって敏感になっているため、わずかな刺激でも発作は起こる。発作誘発因子としては、ダニやホコリなどの吸い込むとアレルギー反応を起こす「アレルゲン」と、タバコの煙などのアレルゲン以外のものがあり、原因はさまざまである。実際にはいつくかの誘引が重なって発作が起こるため、これらの誘引からできるだけ遠ざけることが一つの予防法となる。
■アレルゲン性
ダニ、ハウスダスト、ペット、花粉、真菌(カビ)など
■非アレルゲン性
タバコ、薬(解熱剤や鎮痛剤)、風邪、感染症、過労、ストレス運動、天気や気圧の変化など 

【治療】
喘息は完治するのが難しく、健常者と変わらない生活を送ることが治療の目標となる。特に長期管理薬を規則正しく継続することで、夜間の発作を軽減し、夜間の睡眠をスムーズに迎えることができ、喘息症状がない状態を維持することは治療の目標として重要である。
喘息発作の治療としては、薬物療法が挙げられ、非発作時(長期管理薬)と発作時(発作治療薬)に分けられる。非発作時(長期管理薬)は、吸入ステロイド薬(長時間作用性β2刺激薬との配合薬)を第一選択薬で喘息症状が生じないように長期間にわたり継続してコントロールを行う。発作時(発作治療薬)は、短期間作用性β2刺激薬の吸入や全身性ステロイド薬などで喘息発作症状を抑える。

執筆: 江角 亮

三重大学医学部附属病院 救命救急センター医員

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