最終更新日 2017/07/25

組織接着剤

組織接着剤とは・・・

組織接着剤(そしきせっちゃくざい)とは、組織や臓器の縫合部や切断面を接着したり被膜したりして、その箇所からの血液や空気の漏れを防ぐ血漿分画製剤(※)のひとつである。フィブリン糊と呼ばれることもある。

※血漿分画製剤:血液の中の血漿を数種類の成分に分画、生成してつくられた医薬品。

■成分
組織接着剤はトロンビンとフィブリノゲンという血液凝固にかかわる体内にも存在する成分を利用したものである。フィブリノゲンにトロンビンが作用し、フィブリンが生成され、重合しフィブリン膜となる。フィブリン膜が出血部分や気漏(空気漏れ)部分の組織を覆うことで、出血や気漏を軽減する。

■特に組織接着剤が必要となるケース
・接合や縫合だけでは出血や気漏のコントロールが困難な場合
・出血部分が縫合処置に適さない場合(縫合ができにくい場所、縫合により別のリスクを負う場合など)

■種類
液状組織接着剤とシート状組織接着剤の2種類がある。
・液状組織接着剤
液状組織接着剤は結合させたい部位にスプレーで吹きかけて使用する。液状の状態でフィブリノゲン液とトロンビン液が別々の容器に入っており、同時にスプレーすることでフィブリン膜を作って組織を結合させる。
・シート状組織接着剤
シート状組織接着剤は結合したい部位に貼り付けて使用する。シート状組織接着剤のシート部位はコラーゲンでできている。フィブリノゲンとトロンビンが付着している方を組織に貼り付けると組織の水分が加わりフィブリン膜を作って組織を結合させる。

■メリットとデメリット
液状組織接着剤とシート状組織接着剤ではメリット・デメリットが異なる。各メリット、デメリットを把握し適切に利用する必要がある。

・液状組織接着剤
〈メリット〉

1.切った箇所の深い部分まで液が浸透しやすい。
2.デコボコした部分でも使える。
3.素早くフィブリン膜ができる。
4.スプレーの範囲に入っていれば複数の出血箇所、空気漏れ箇所を同時にふさぐことができる。
〈デメリット〉
1.固まりきる前に触ると切り口が開くことがある。
2.傾斜がある面に吹きかけた場合、一部の成分が流れてしまうことがある。
3.動脈からの出血を止血するほどの接着力はない。
4.硬化した糊が血管を圧迫して血管狭窄の誘因となる。(特に新生児心臓手術など)

・シート状組織接着剤
〈メリット〉

1.手で押さえるので圧力をかけて止血できる。
2.液状ではないので切った場所以外のところに流れ出ない。
3.伸縮性や柔軟性が高く臓器が伸縮しても対応できる。
4.簡単に利用できる。
〈デメリット〉
1.接着効果や止血効果を高めるには3~5分シートを押さえないといけない。
2.複数の場所で出血や空気漏れが起こっている時対応しにくい。
3.シートが器具や手袋につく場合がある。
4.深いところや狭いところに用いるのは困難である。

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