最終更新日 2018/01/12

レイノー現象

レイノー現象とは・・・

レイノー現象(れいのーげんしょう)とは、主として手指・足趾を栄養する小動脈に発作的に血流異常が起こり冷感・皮膚の色の変化がみられる現象である。寒冷刺激やストレスをきっかけにして、末梢の動脈が攣縮して血流が悪くなることで起こる。

【分類】
レイノー現象を起こす疾患は一次性(原発性・特発性)と二次性に分類される。

・一次性レイノー現象
基礎疾患が明らかでないものでレイノー病とよばれる。レイノー現象を有する患者の50%以上はレイノー病である。

・二次性レイノー現象
原因や基礎疾患が明確な場合にみられる症状で、その最多が膠原病である。膠原病の中でも特に強皮症(SSc)や混合性結合組織病(MCTD)で高頻度に認められる。その他にはSLEや皮膚筋炎、多発筋炎でも認められる。膠原病以外には神経疾患、動脈閉塞性疾患、外傷、振動工具の使用、中毒、薬物、血液疾患でもみられる。

【症状・治療】
通常、手指に両側対称性にみられる。小動脈のれん縮により血流が途絶して蒼白になった後、血流の再開に伴い紫色(チアノーゼ)から赤色(反応性充血)へと変化する。この3色の変化がみられるものは3相性レイノー現象、紫色のないものを2相性レイノー現象とよぶ。
二次性では片側性に症状が出ることもあるため気づきやすいということもあるが、足趾よりも手指に多く症状が認められる。病変部位に壊疽を起こすことは稀で1%以下と言われている。
治療では、局所の保温、禁煙、血管拡張薬、抗血小板薬、プロスタグランジン製剤などが使用される。β遮断薬は血管収縮作用があるため禁忌とされる。二次性の場合は、原疾患の治療も行う。

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