的確なアセスメントができない|現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル(13)

『現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル』より転載。

今回は「的確なアセスメントができない」というお悩みに答えます。

 

先輩看護師に「アセスメントが浅い」と指摘されて、不機嫌な後輩看護師のイラストアセスメントは看護記録ではない、先輩に添削してもらおうと先輩看護師にアドバイスを受ける後輩看護師のイラスト

 

アセスメント=看護記録なのか?

学生のときは、慣れない実習に疲れながらも一生懸命書いた記録。看護師になって、先輩に「確認してください」とおそるおそる声をかけながら見せた記録。


「がんばったね、ここがいいね」とほめられることもあれば、「アセスメントが浅い」と言われることも……。

 

何が足りていないのか、そしてどんなふうに修正したらいいのかもわからず、私も途方に暮れることがありました。

 

看護でのアセスメントは「看護記録」を意味することがほとんどです。

 

看護記録はおおまかに「患者さんの情報(客観的情報・主観的情報)」→「分析」→「看護計画の立案」→「患者さんへ実践」→「看護計画の評価・修正」の流れをたどります。

 

では、「アセスメントが浅い」とは単に「看護記録の書き込み量が少ない」ということなのでしょうか?


この誤解を解くために、私が新人のときに先輩と交わした会話を紹介します。

 

ウサミ:あちらの患者さんが、リハビリ後に「痛い」とおっしゃっていたので、足に湿布を貼ろうと思います。

 

 

先輩:うーん。ちょっとアセスメントが浅い。

 

アセスメントは記録の意味で使われることが多いと説明しましたが、この場面では記録は書いていません。

 

その後、先輩は、

 

先輩:患者さんは腹部の手術後だったよね。だとしたら痛くなるのは足ではなく、創部という可能性は考えた?その場合は、湿布ではなくて鎮痛剤の内服がいいんじゃない?。

* 手術でできた創(きず)のこと

 

という言葉を続けました。

 

つまり先輩は、アセスメントの本来の意味である「患者さんの状態の客観的評価」ができていないと指摘していたのです。

 

もとをたどると、英語のアセスメント(assessment)も、「客観的に評価・査定する」ということを意味しています。

 

日々の報告にもアセスメントの視点を

重要なのは記録の量ではなく、「アセスメントという視点」を持つこと


たとえば、先ほどの湿布の事例であれば、「リハビリをしたときに『痛い』とおっしゃっていたので、歩くことによって足が痛くなると考え、足に湿布を貼ったほうがいいと判断しました」などのように、主観と客観を分けて説明することが大切になります。

 

 

 

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プロフィール
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病棟看護師、保健師、呼吸療法認定士、終末期ケア専門士。

看護師・看護学生に向けたわかりやすいイラストでの医療知識の解説で、ファンを増やし続けている。著書に永岡書店『ホントは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖〜かげ看』、南江堂『かげさんのイラストで学ぶ 心電図と不整脈めも』など。

看護roo!では『看護師かげと白石の今週のモヤッと』を連載。

 

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