5人に1人が認知症の時代、看護師の適切なケアが認知症患者を救う
認知症患者数は約462万人(2012年)と推計されており、2025年には700万人を超え、高齢者の5人に1人が認知症となります。
医療現場においてはケアの拒否や拘束など多くの問題が指摘される中、日本看護協会は「認知症ケアガイドブック」を作成し、看護師が認知症患者に適切な対応を取ることができるようにサポートを進めています。
一般病院でも認知症患者が増加
高齢者の入院患者が増える中、今後はさらに一般病院において、認知症を持つ人が認知症以外の病気を治療するために入院するケースが増えることが予想されます。
一方で、看護師が認知症をもつ人に関わるための知識や技術は十分とはいえず、一般病院で認知症患者をケアする際に、様々な問題を抱えているのが現状です。
ケア拒否や身体拘束など課題が山積
例えば認知症患者が入院する際には、次のような問題点が指摘されています。
■看護師が認知症患者からケアの拒否など攻撃的な行動を受ける
■安全性を優先するあまり、身体拘束が行われる
■限られた時間の中で、看護師がゆっくりと認知症患者に対応することが困難
■疾患は治療しても、QOLやADLは下がってしまう
日看協がガイドブック作成で認知症看護をサポート
そこで日看協はガイドブックを作成し、看護師が認知症患者特有の症状に適切に対応できるよう、具体例を示しつつ対応方法を解説しました。
ガイドブックは9部構成で、認知症を理解するための基礎知識からアセスメント、家族支援、他の疾患と認知症、地域包括ケア―などが盛り込まれています。
具体例を示して対応策を解説
例えばケアの拒否については、入浴拒否や投薬拒否などを紹介。認知症患者は被害妄想的になることから、怒りの感情が湧きやすくなっています。
また、前頭葉の機能低下による抑制の欠如、ノルアドレナリン系の機能亢進が怒りを増幅します。そのため攻撃性が高まってケアの拒否につながると考えられています。
ガイドブックでは、「薬を飲まないのでご飯に混ぜていいか」と家族から相談を受けた事例や、投薬拒否によって興奮状態が安定しない入院患者の事例などを引用。
事例に対する対処方法として「最小限の支援で本人ができる能力を奪わないよう気を付ける」「薬剤師など多職種と連携し、最低限の薬の量にする。貼付剤やOD錠など最適な剤形を検討する」など、実戦的な内容を紹介しています。
新オレンジプランでは看護職の研修が盛り込まれる
介護先進国であるデンマークやオランダでは、看護師が認知症コーディネーターやケースマネージャーとして配置され、地域の認知症対策の中心的役割を担っています。
日本では新オレンジプラン(※)で、認知症の周辺症状(妄想や徘徊など)に対応するため、「看護職員の認知症対応力向上」が新たに盛り込まれるなど、取り組みが始まっています。
先進国でトップの高齢化率となる日本。「介護離職」や「介護離婚」など様々なことが社会問題化する中で、増加する認知症患者への適切な対応が求められています。
※新オレンジプランとは、内閣府を始め厚生労働省、総務省、法務省、文部科学省など11の省庁が共同で作成した認知症の総合戦略。2025年に向けて認知症患者が地域で暮らし続けられる社会の実現を目指す。
【ライター:横井かずえ】
(参考)
認知症ケアガイドブック(pdf)(日本看護協会)
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