看護用語辞典 ナースpedia キーワード:前頭葉

前頭葉とは・・・

最終更新日 2018/12/17

前頭葉(ぜんとうよう)とは、大脳の前部分に位置し、人間の運動、言語、感情をつかさどる器官のことである。
前頭葉は、司る領域によってさらに「前頭連合野」「ブローカ野」「運動前野」「補足運動野」「前頭眼野」「一次運動野」に分けられる。
各領域は担っている機能が異なるため、障害によって引き起こされる症状も異なる。

【前頭連合野】
思考、判断、情動のコントロール、コミュニケーションといった高度な分析・判断を司る。思考力、創造性、社会性といった人間らしさの源泉ともいえる部位である(高次脳機能)。
人間の前頭連合野は大脳の約30%を占め、他の生物と比較して大きいため、複雑な行動をとることができる。
脳血管障害、脳外傷などによって前頭連合野に障害が起きると、注意障害、情動失禁、多幸感、易疲労性といった高次脳機能障害を引き起こす。

【運動前野】
赤信号を見て歩みを止めるなど、外界からの視覚的な情報をもとに、行動しようとする機能を司る。補足運動野と合わせて高次運動野ともいう。
障害されると、動作拙劣となる(習熟した運動ができなくなる)。

【補足運動野】
自発的に行動を起こそうとする機能を司る。運動前野と合わせて高次運動野ともいう。
障害されると、自ら進んで手足を動かしたり、言葉を話したりしなくなる。

【一次運動野】
高次運動野(運動前野と補足運動野)からの指令を送る役割をもつ。運動野からの指令が錘体路を通って骨格筋に伝わることで、随意運動が行われる。
一次運動野が障害されると、錘体路徴候が起こる。錘体路は随意運動を司る神経伝達路であり、筋緊張の亢進、バビンスキー反射、手指の巧緻運動の障害といった症状が現れる。

【前頭眼野】
前頭眼窩野ともいい、眼球の随意運動を司る。

【ブローカ野】
発話する、字を書くといった、言語を司る領域。19世紀後半、フランスの外科医ブローカが発見したため、ブローカ野と名づけられた。
障害されると、運動性失語(ブローカ失語)が起きる。

 

引用参考文献
1)大脳皮質.医療情報科学研究所編.飛松省三ほか監.病気がみえるvol.7 脳・神経.メディックメディア,2015,p501.(ISBN9784896323580)

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