マンモグラフィーは有益でない?乳がん検診での「過剰診断」問題とは

【明日使える!最新医療ニュースと医療英語】

アメリカ3大テレビ・ラジオネットワークNBC、CBS、 ABCで紹介された最新の健康・医療ニュースと解説をお届けします。ニュースの中でKey Wordとなった医療英語にも注目し、使い方をマスターしちゃいましょう!

 

Mammograms Finds Tiny Tumors But Are They Deadly?―マンモグラフィーの問題点

 

【INDEX】

・本日のKey Word: 「be diagnosed with~」(~と診断される)

・マンモグラフィーは有益でない?乳がん検診が変わるかも

・過剰診断と無意味な治療を招く…アメリカで指摘された問題点

・日本の乳がん検診はどうなる?

 

本日のKey Word: 「be diagnosed with~」(~と診断される)

医療関係の記事でよく目にする言葉が「diagnose (診断する)」です。診断は自分ですることはないので必ず受け身「be diagnosed」で表現し、「with」のあとには病名が続きます。

 

今回紹介したニュース原文で、「be diagnosed with~」を含むsentenceを紹介しましょう。

Around 231,840 women in the US will be diagnosed with breast cancer this year.

(今年は約231,840人のアメリカ人女性が乳がんと診断されるでしょう)

 

 

マンモグラフィーは有益でない?乳がん検診が変わるかも

「ピンクリボン」=「乳がん検診」が浸透し、マンモグラフィーによる乳がん検診が推奨されている日本。しかし、国際的にはマンモグラフィーによる乳がん健診の有益性が疑問視されている流れもあり、議論が続いています。

 

マンモグラフィーの有益性を疑問視するものとしては、2014年4月スイス医療委員会は「マンモグラフィー健診は乳がんによる全死亡率を低下させない」と結論付けて、廃止勧告しています。さらに、カナダの研究でも、「マンモグラフィーは乳がん死亡率を下げる効果はなく、逆に、不要な手術・放射線療法・化学療法などの過剰診断を招いている」と指摘しています。

 

今回さらに、マンモグラフィーの有益性を否定する研究が、今年6月米国医師会の医学誌「JAMA Internal Medicine」で発表されました。

 

過剰診断と無意味な治療を招く…アメリカで指摘されたマンモグラフィーの問題点

40歳以上のアメリカ人女性1600万人以上を対象とした研究で、以下の検証結果が発表されました。

 

  • ・乳がん検診が10%増加すれば、乳がんの診断は16%増加する
  • ・乳がん検診の増加は、大きな乳がん(進行乳がん)を減少させ、乳がんの死亡率を下げる効果はない
  • ・乳がん検診は、過剰診断を広げている

 

過剰診断とは、がんをみつける性能が良すぎて、生涯体へ影響を及ぼすことはないであろう非常に小さな腫瘍を乳がんと診断し治療することを言います。

 

つまり、マンモグラフィーによる乳がん検診は、乳がんを治療する必要はおそらくない女性にさまざまな確定診断、例えば、超音波・CT・MRI・バイオプシーなどを促し、さらに、不必要な外科的手術や抗がん剤治療を招いているというのです。

 

事実、アメリカの乳がん検診で「異常なし」と診断されるケースは非常にまれです。

これには、「異常なし」と診断した医療者が、あとから異常が判明した場合に訴訟で負けるリスクを避けたい…というアメリカならではの事情もあります。

 

日本の乳がん検診はどうなる?

アメリカの乳がん検診と日本の乳がん検診の違いをまとめました。

 

アメリカ 日本
米国予防医学作業部会(USPSTF)は、50歳から74歳の女性に2年に1度の乳がん検診をすすめ、40歳から49歳は家族歴既往歴で判断するべきとする。 厚生労働省は、2004年から40歳以上の女性に2年に1度の乳がん検診をすすめ、できたら1年に1度が望ましいとする。

 

米国予防医学作業部会は2009年に「40歳代の女性に対して、マンモグラフィーを用いた定期的な乳がん検診を行うことを推奨しない」という勧告を出しましたが、これに対して、米国対がん協会及び米国放射線医学会は反対意見を表明しているなど、実はアメリカでも意見は割れています。

 

日本の状況はというと、40歳~50歳代で発症する患者が多いなどの状況から、厚生労働省は「現時点においては、日本におけるマンモグラフィーを用いた定期的な乳がん検診の対象年齢を変える必要はない」との見解を発表しています。

(参照元)厚生労働省 がん対策情報

 

 

研究者は、マンモグラフィーによってどれくらい乳がんが発見され、逆にどれくらい過剰診断があるのか実際には「We don’t know(わからない)」という情報を女性たちに提供することが重要であり、その上で、乳がん検診を受けるかどうか女性たちが決定権を持つことが望ましいとしています。

 

果たして、日本の女性たちには「マンモグラフィーによる乳がん検診のメリットとデメリットの情報」がどの程度届いているのでしょうか?

 

 

【Sources】

Mammograms Find Tiny Tumors But Are They Deadly?(NBC News)

Breast cancer deaths are not reduced by mammography, study finds(Medical News Today)

 


【筆者】佐藤まりこ

2001年旭川医科大学医学部看護科を卒業。2010年California RN Licenseを取得後、LAでRN(Registered Nurse)として活躍中。

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