看護用語辞典 ナースpedia キーワード:迷走神経反射

迷走神経反射とは・・・

迷走神経反射(めいそうしんけいはんしゃ)とは、強い痛みや精神的ショック、極度のストレスなどが原因で自律神経のバランスが崩れ、血圧心拍数の低下から脳に十分な血液を送れなくなることで起きる、さまざまな症状の総称である。ワゴトニーとも言われる。

通常の迷走神経反射の場合、失神を起こした際にけいれんを伴うことがまれにあるが、多くの場合は数秒~数分程度で後遺症なく回復することが多い。

■迷走神経とは
迷走神経とは、全部で12対ある脳神経のうちの1つで、延髄から腹腔まで広く分布している。運動神経、知覚神経、副交感神経性の線維を含んでおり、食道や気管をはじめとする多くの内臓の運動や知覚を司っている。

【迷走神経反射の原因】
迷走神経反射を起こす誘因としては、下記のようにさまざまなものがある。

・長時間の立位
・陣痛などの激しい痛み
・注射や採血
・激しい運動
脱水
排便排尿
・怒り、驚愕
・飲酒
・睡眠薬服用

■採血が誘因となって起こる、血管迷走神経反射(VVR)

迷走神経反射の誘因にはさまざまなものがあるが、中でも採血が誘因となって起こる迷走神経反射は血管迷走神経反射(Vasovagal reaction、VVR)といわれる。

迷走神経反射と血管迷走神経反射に症状上の大きな違いはないが、血管迷走神経反射を起こした患者は症状が急変することがある。また、迷走神経反射ではなく、心筋梗塞などの心疾患によって起こる合併症であるケースも考えられる。
そのため、しっかりと観察を行い、初期段階で適切な対処を行うことが重要である。

【迷走神経反射の主な症状】
迷走神経反射を起こしたときは、以下のような症状があらわれる。

・心拍数の低下
・血圧の低下
顔面蒼白
・吐き気
・熱感、寒気
・めまい
冷や汗
・視界が悪くなる
・失神

ちなみに、血管迷走神経反射(VVR)を起こして失神した場合は血管迷走神経反射性失神(VVS)といわれる。血管迷走神経反射性失神が起きる場合、前触れとして以下のような症状(前駆症状)が出ることがある。前駆症状が確認された場合は、VVSを起こして転倒などしないよう前もって寝転がらせるなどの処置をとる。

・腹部の不快感、腹痛
悪心
嘔吐
眩暈
・頭痛
複視(ものが重なって見える)
・眼前暗黒感(目の前が急に暗くなる)

【迷走神経反射の主な治療法】
迷走神経反射が起こりそうだと判断した際は、その誘因と考えられることをただちに中止する。また、頭部を下肢部より下げる体位も有効である。
失神を避けるためには、両指を上下に組み、強く握って引っ張りあうように指示し、両足を組んで力を入れさせることが有効である。

血管迷走神経反射のように症状が深刻な場合は、低血圧状態を改善するために点滴を行なうこともある。

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