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2017年06月16日

FP療法(化学療法のポイント)/食道がん

この連載では、抗がん剤のポイントや注意点について解説します。
今回は、食道がん(食道癌)の患者さんに使用する抗がん剤「FP療法(フルオロウラシル+シスプラチン療法)」について、レジメンや副作用、治療成績について紹介します。

第2話:『FP療法(看護・ケアのポイント)/食道がん

FP療法(フルオロウラシル+シスプラチン療法)

神崎洋光
(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学)

 

FP療法のポイントA・B・C

  • ポイントA:フルオロウラシルは5日間の持続投与のため、患者さんは継続して点滴された状態になります。治療前に説明しておきましょう。
  • ポイントB:シスプラチンによる腎機能障害に注意して、尿量を測定しよう!
  • ポイントC:吃逆(きつぎゃく:しゃっくり)に注意! 患者さんに事前に説明しておくことで不安を和らげましょう。

 

〈目次〉

 

FP療法は食道がんの患者さんに行う抗がん剤治療

FP療法(フルオロウラシル+シスプラチン療法)は、切除不能な食道がんや切除可能な食道がん(ステージ2、3)の術前化学療法として投与される抗がん剤治療です。ステージ2や3の切除可能な食道がんの術前化学療法としては、2コースの投与が標準的です。放射線と併用して行う場合も2コースの投与を行います。

一方で、切除不能な食道がんに対して行う場合は、効果がなくなるまで継続します。放射線治療と併用する場合は投与期間、用量が少し異なるため注意しましょう。

 

FP療法で使用する薬剤

FP療法で使用する薬剤は、表1のとおりです。

表1FP療法で使用する薬剤

FP療法で使用する薬剤

(写真提供:協和発酵キリン株式会社、日本化薬株式会社)

 

FP療法のレジメン

フルオロウラシル(5-FU)は、1~5日目(Day1~5)に持続投与し、6~28日目は休薬します。シスプラチン(ランダ)は、1日目のみ投与します。(表2)。

表2FP療法のレジメン

FP療法のレジメン

 

なお、放射線と併用する場合は、フルオロウラシル(5-FU)の投与は、1~4日目になります。

 

FP療法のポイントA

  • フルオロウラシルは5日間の持続投与のため、患者さんは継続して点滴された状態になります。治療前に説明しておきましょう。

 

FP療法で使用する薬剤の投与方法(表3

表3FP療法の投与方法

FP療法の投与方法

(総輸液量:1日目は3,500~4,500mL/日、2~4日目は1,500~2,500mL/日、5日目は1,500~2,500mL/日)
生食:生理食塩水

*本投与方法は、岡山大学病院で行われているものです(2017年5月現在)。

 

なお、本投与方法は、抗がん剤のみの投与の場合です。放射線と併用する場合は、シスプラチン(ランダ)を80mg/m2から70mg/m2に減量し、フルオロウラシル(5-FU)の投与を4日間にするため、5日目の投与はなくなります。

 

FP療法の代表的な副作用

FP療法の代表的な副作用は、腎機能障害、嘔気や嘔吐、骨髄抑制、発熱性好中球減少症(FN)、便秘、末梢神経障害、脱毛、口内炎、吃逆などがあります。

シスプラチン(ランダ)は、腎機能障害を起こす代表的な抗がん剤のため、尿量が減ると腎臓が障害されてしまいます。しっかりとした輸液、水分摂取、必要に応じた利尿剤の使用が大切です。また、シスプラチン(ランダ)によって吃逆が出る患者さんが多く、止めるのに難渋することもあります。

急に起こる副作用は、腎機能障害、嘔気や嘔吐、便秘、吃逆などがあります。

遅れて出てくる副作用は、骨髄抑制、末梢神経障害、脱毛、口内炎などがあります。

 

FP療法のポイントB

  • シスプラチンによる腎機能障害に注意して、尿量を測定しよう!

 

FP療法のポイントC

  • 吃逆に注意! 患者さんに事前に説明しておくことで不安を和らげましょう。

 

FP療法の治療成績

術前化学療法として行う場合は、術後の再発リスクを下げます

切除不能な食道がんの緩和的治療に用いる場合は、腫瘍を小さくする可能性が30~40%です。投与した全員に効果があるわけではありません。

 

[関連記事]

  • 第2話:『FP療法(看護・ケアのポイント)/食道がん』
  • ⇒『抗がん剤 A・B・C』の【総目次】を見る

 


[監 修]
齋藤信也
岡山大学大学院保健学研究科 教授

[編 集]
西森久和
岡山大学病院 血液・腫瘍内科

[執 筆]
神崎洋光
岡山大学大学院医薬学総合研究科消化器・肝臓内科学


*本連載では、薬剤の厳密な指示・副作用・投与スケジュールなどについて記載されていますが、これらは2017年5月時点のもので、変更される可能性がございます。薬剤の使用にあたっては、製品に添付されている最新の情報を十分にご参照ください。

*本連載では、登録商標マーク®の記載はすべて省略しています。

著作権について

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