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2016年06月07日

呼吸測定時、患者に気づかれないようにして測定するのはなぜ?

看護技術Q&A

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は呼吸のメカニズムに関するQ&Aです。

呼吸測定時、患者に気づかれないようにして測定するのはなぜ?

呼吸の周期は意識的に変えることができるためです。

 

〈目次〉

 

呼吸のメカニズムは

呼吸とは、代謝に必要な酸素を各器官の細胞に供給し、代謝によって生じた二酸化炭素を排出することをいい、外呼吸内呼吸がある。外呼吸とは肺胞内の空気と血液との間でのガス交換のことで、内呼吸とは血液と組織細胞との間での酸素と二酸化炭素の交換をいいます。

安静時の正常呼吸は、成人の場合、1分間に12~20回/分の頻度です。450mLくらいの空気の吸息(1回換気量)と、呼息を無意識のうちに周期的にくり返しています。その意味では、心臓の収縮運動に似ていますが、心臓と異なり、肺の組織自身には肺胞を拡げたり縮めたりする筋肉はありません。

実際には、横隔膜の収縮や外肋間筋の収縮によって、胸腔が拡げられたときに肺は膨らみ、これらの筋肉が弛緩したときに縮みます(図1)。

図1呼吸運動にかかわる筋と呼吸運動

呼吸運動にかかわる筋と呼吸運動

 

横隔膜や外肋間筋は自動能をもたない骨格筋であるので、これらの筋肉を支配する運動ニューロンからインパルス(活動電位)がこなければ収縮しません。呼吸の周期性形成に関与する中枢は延髄にあります。そこからインパルスが周期的に出ていて、それにより吸息と呼息が周期的にくり返されているわけです(図2)。

図2延髄の呼吸中枢から呼吸筋への神経経路

延髄の呼吸中枢から呼吸筋への神経経路

 

この呼吸中枢には、吸息筋を支配する運動ニューロンに興奮性のインパルスを送る吸息ニューロンと、呼息筋を支配する運動ニューロンにインパルスを送る呼息ニューロンとがあります。吸息ニューロンは、心臓と同じように周期的な興奮をくり返す性質があります。

 

意識的に呼吸の周期を変えることができるのは

基本的には、呼吸の自動性周期性は、この吸息ニューロンの働きによります。

この活動はさらに上位の中枢や末梢の受容器からの信号に多くの影響を受けるため、意識的に呼吸の周期を変えることが可能となります。

正確に呼吸測定をするには、患者に呼吸に対して意識させないことが重要です。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『新訂版根拠から学ぶ基礎看護技術』編著江口正信/2015年3月刊行

根拠から学ぶ基礎看護技術

引用・参考文献

著作権について

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