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2016年08月02日

心臓の神経支配と心臓反射|循環

看護師のための生理学の解説書『図解ワンポイント生理学』より。

〈前回の内容〉

心筋の収縮

今回は、心臓の神経支配と心臓反射について解説します。

 

Summary

  • 心臓は自動的に拍動能力をもつが、心臓神経(交感神経と副交感神経)によって調節されている。心臓神経の中枢(心臓中枢)は延髄にある。
  • 心臓中枢は、身体各部からの情報を感知するとその情報に応じてただちに心臓を調節する。これを心臓反射という。
  • 心臓反射には、ベーンブリッジ反射、大動脈神経反射、頚動脈小体反射、眼心反射などがある。
  • 心臓中枢は高位中枢からの影響も受けている。

 

〈目次〉

 

心臓神経支配

心臓は自動能をもつので自発的に拍動することができるが、その拍動は自律神経によって調節されている。心臓に分布している神経を心臓神経といい、心臓交感神経(以下交感神経)と心臓副交感神経(以下副交感神経)がある。心臓神経の中枢は延髄にある。

交感神経活動の亢進は、心拍数増加、心筋収縮力増強、刺激伝導系の伝導速度の促進をもたらし、副交感神経の亢進は、心拍数減少、心筋収縮力低下、刺激伝導系の伝導速度の遅延といった抑制作用をもたらす。運動や興奮したとき心拍数が増加するのは交感神経活動亢進による。

 

心臓反射

心臓中枢は、身体の各部分から送られて来る情報を受け取り体内の状況を感知する。すると状況に応じてただちに(反射的に)それに対応するように心臓神経を介して心臓調節を行う。それを心臓反射という。

主な心臓反射には次のようなものがある。

図1心臓の神経支配と心臓反射

心臓の神経支配と心臓反射

①頚動脈洞神経反射、頚動脈小体反射
②ベーンブリッジ反射
③大動脈神経反射

(山本敏行、鈴木泰三:新しい解剖生理学.改訂第11版、南江堂、2005より改変)

 

頚動脈小体反射(化学受容器反射)(図1-①)

頚動脈洞のすぐ近くにある頚動脈小体と大動脈弓壁にある大動脈小体には、血液の化学組成を感知する化学受容器( chemoreceptor )がある。化学受容器は血液中のCO2濃度が増加するとそれを感知して心臓中枢にその情報を送り、反射的に心拍数を増加させることによりCO2を排出させるように働く。

 

ベーンブリッジ反射 〔 Bainbridge's reflex 〕(図1-②)

この反射装置は右心房壁にある。心房に入る血液量が増え心房壁が伸ばされると、それを感知して反射的に心拍数を増加して、心房内の血液を早く動脈内に押し込もうとする。この反射機構をベーンブリッジ反射という。

 

大動脈神経反射、頚動脈洞神経反射(圧受容器反射)(図1-③)

大動脈弓や頚動脈洞には(内頚動脈の起始部にある)血圧を感知する圧受容器 baroreceptor がある。血圧が上昇すると圧受容器はそれを感知して心臓中枢に伝える。すると副交感神経を介して反射的に心拍数を減少させ、血圧を下げるように働く反射機構である。

 

眼心反射(眼球心臓反射またはアシュネル反射)

眼球を強く圧迫すると心拍数が減少する。これを眼心反射眼球心臓反射またはアシュネル反射 Aschner's reflex )という。これは三叉神経第1枝(眼神経)から三叉神経、迷走神経中枢を介して心臓を抑制することによると考えられている。

 

呼吸からの反射

呼吸によっても心拍数は変化し、吸息のときは心拍数増加、呼息のときは減少する。このような呼吸による変化を呼吸性不整脈という。

これは呼吸中枢からの情報を心臓中枢が受けて、心臓神経を介して反射的に心拍数を変化させる。

 

高位中枢からの影響

怒りや精神的興奮は、心拍数を増す。これは、高位中枢から心臓中枢、心臓神経を介した反応である。

 

〈次回〉

血管の構造と機能

⇒〔ワンポイント生理学〕記事一覧を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

[出典]『新訂版図解ワンポイント生理学』(著者)片野由美、内田勝雄/2015年5月刊行

新訂版 図解ワンポイント 生理学

 引用・参考文献

著作権について

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