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2018年08月13日

医師4148人に聞いた「夏場の大会をどう思う?」|東京オリンピックは開催期間の変更を

【日経メディカルAナーシング Pick up!】

関本克宏=シニアエディター

 

7月22日、東京消防庁は1日の救急出動数が3125件と過去最多を記録したと発表し(306人が熱中症の疑いで救急搬送)、翌23日には東京都内で観測史上初めて気温40℃を超えた。そして2年後の7月24日からは、東京オリンピックが開催される。

 

1992年のバルセロナ大会以降、夏季オリンピックは南半球のシドニー大会以外はすべて7~8月に開催されている。今度の大会も7月15日から8月31日の開催を前提として立候補を募った。米国で開催される大型スポーツイベントとの重複を避けるためだと言われている。

 

思い起こせば野口みずき選手が優勝した2004年アテネ大会の女子マラソンは、8月22日午後6時、気温35℃の中でスタートし、参加82人中16人が棄権、優勝タイムは当時の世界記録よりも10分以上遅いという過酷なものだった。東京はアテネよりも湿度が高く、より厳しい環境になることが予想される。「アスリートファースト」の環境整備だけでなく、観客の安全確保も懸念されている。

 

7月18日に公表された東京大会の競技スケジュールでは、暑さ対策のため屋外競技の開始時間を早め、男女マラソンは午前7時から、男子50km競歩は午前6時から、ゴルフは午前7時からのスタートとなった。その他にも、道路の遮熱性舗装、街路樹による木陰づくり、街頭ミスト、大型冷風機の設置などが検討されている。

 

また、「東京2020に向けたアスリート・観客の暑さ対策にかかる関係府省庁等の取組」には、大会運営における応急体制の整備に関して、「組織委員会を中心として、厚労省、環境省、消防庁、東京都、東京消防庁等と連携して、大会開催時に競技会場及び行列エリア等周辺における応急体制について検討を進め、熱中症の重症化を可能な限り防ぐための円滑な応急体制を構築するとともに、救急搬送を抑制し地域医療への負荷の軽減を図る」とも記載された。

 

日経メディカルの読者に、選手や観客を熱中症から守るために一番大切だと考えることを、観客への啓発、競技施設・コースの暑さ対策、危険度が高まったときの競技の中止、救急体制の充実、開催日の変更の中から1つ選んでもらったところ、4割弱が開催日の変更を選択した。

 

開催期間の変更は、その期間を前提に招致したわけであるからハードルは高いが、それをわかった上での回答であることを示唆する自由意見も多かった。

 

選手や観客を熱中症から守るために、一番大切なことは何だと考えますか?(n=4148)

この調査が始まる少し前の7月14日、サッカーの2022年ワールドカップは中東のカタールで、11月21日からの冬に開催されることが報道された。

 

これまでワールドカップは欧州のサッカーリーグがシーズンオフになる6~7月に開催されてきたが、夏に開催することの安全性に疑問が生じたことから、カタールでの開催が決定した後に日程の変更について検討が行われた。欧州リーグの日程が調整されるという。

 

以下に、夏場に開催される運動競技について、オリンピックに限らず思うところを記入してもらった中から抜粋して掲載する。

 

 

・開催日程を商業主義的な理由で決定したと聞いており、けしからんと思います。(40代男性)

 

・bestperformanceの出ない時期に行われる大会が、真のアマチュアの頂点の大会とは思えない。これじゃあただの我慢大会。(50代男性)

 

・ビジネスを目的とした虐待的で非人道的な公演をオリンピックと冠すべきでない。(60代男性)

 

・選手の生命を軽んじて欲しくない。(40代女性)

 

・競技に命を懸けている方もいらっしゃるので難しいですが、本当に命を取られてしまっては遅いと思います。無理をしないのが一番です。(30代男性)

 

・選手も観客もテレビ観戦する人も熱中症になるでしょう(60代男性)

 

・救命救急センターに所属し熱中症で死亡する患者を何人も経験してきた。熱中症は本当に危険な疾患であり、あえて夏の暑い時期に行う必要があるのか本当に問いただしたい。(30代男性)

 

・乱暴なことを言いますが、「東京オリンピックで熱中症死者多数」という事態になれば、スポンサーの宣伝効果はマイナスになり、金と多少は距離がおけるようになるのではないでしょうか。(60代男性)

 

・競技の中止、延期について、わかりやすい客観的な基準(気温、湿度)を設けるべき。(20代男性)

 

・競技の中止は無理でしょうが、観客は一定の条件を満たさない場合は、最悪赤字覚悟で観戦不可とするしかないでしょう。(60代男性)

 

・夏の東京でオリンピックというのは、ある意味で体力の限界を知る大きな意義があるかと思う。(60代男性)

 

・暑さとの戦いも競技の1つの見どころだと思います。(30代男性)

 

・地獄。(50代男性)

 

・死んでも行うのは冬山登山のみ。(60代男性)

 

・いくら熱中症対策をしても無理なものは無理だと思う。(20代男性)

 

・東京開催が決まった時、暑さは技術で克服できると楽観的に考えましたが、2年を切った今、何も為す術がない。(40代男性)

 

・日程変更以外に根本的な対策は困難。(40代男性)

 

・気温40度では競技になりません。世界的な傾向なので国際的にもご理解いただけるのでは。(60代男性)

 

・選手だけでなく観客、旅行者の安全も保てない、医療機関も麻痺するだろう。(50代女性)

 

・熱中症の対応などで首都圏の医療者の方はお気の毒に思います。(30代男性)

 

・東京の救急が完全破たんしそう。いい迷惑だと思う。(30代男性)

 

・夏は運動部の活動もやめましょう。特に小学生の部活動など必要ないと思われます。(40代男性)

 

・夏の甲子園も考え直す時に来ているのではないでしょうか。(60代男性)

 

・高校野球は、まだそこまで酷暑でなかった時代、“スポーツ根性論”の負の遺産です。しかも新聞社や放送局が全面的にバックアップしているので、今更やめられませんから困ったものです。(50代男性)

 

・運動競技だけでなく祭や屋外コンサートも危険度高いです。中止する勇気が必要。京都の祇園祭の一部行事中止は英断であると思いました。(50代男性)

 

・冷夏になることをお祈りするばかりです。(60代男性)

 

 

調査概要

日経メディカルOnline医師会員を対象に2018年7月17日~7月30日、ウェブアンケートを実施。回答数は4148人。集計対象者の内訳は、20歳代1.8%、30歳代14.8%、40歳代25.9%、50歳代36.0%、60歳代18.6%、70歳代2.6%、80歳以上0.4%など。

 

 

<掲載元>

日経メディカルAナーシング

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Cさんの治療は、抗がん剤であるビノレルビン酒石酸塩+シスプラチン療法を行うことになりました。
今後、骨髄抑制の副作用が予測されるCさんに対してどのような説明が必要でしょうか?

  • 1.抗がん剤投与から1週間は特に貧血に注意して生活をしてもらう。
  • 2.治療期間中は感染を防ぐため、仕事を控えるように説明する。
  • 3.血小板の減少は抗がん剤投与後3週間程度で起こるが、その時期は、自分で気づきにくい内出血に注意するよう説明する。
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