1. 看護roo!>
  2. ステキナース研究所>
  3. 日経メディカルAナーシング>
  4. 緩和ケア 7つの誤解|誤解4◆医師の説明を患者は理解している

2016年07月11日

緩和ケア 7つの誤解|誤解4◆医師の説明を患者は理解している

【日経メディカルAナーシング Pick up!】

 

最後の抗癌剤治療が奏功しなかった患者に、「もう治療選択肢はないので本格的な緩和ケアを行いましょう」と医師が説明する。すると患者は「先生を信じて治療を続けてきたのに治療選択肢がないとはどういうことか」と嘆き、深い絶望に陥る──。よくある事例だ。

(満武 里奈=日経メディカル)

 

 

特集◎緩和ケア 7つの誤解

誤解4◆医師の説明を患者は理解している

なぜ上記のようなことが起こってしまうのか。それは医師が患者に治療選択肢を十分に説明したつもりになっていても、実際に患者は理解していないことが多いためだ。

 

「次の抗癌剤へと切り替えるときに、『次にはこの薬がありますよ』とさも治るように説明しているケースがある。治療効果が得られなかったから次の抗癌剤に変更することや、その抗癌剤が最後の選択肢であることを明確に伝えていないことが原因だ」と立川在宅ケアクリニック(東京都立川市)の井尾和雄氏は指摘する。

 

埼玉県立がんセンターの余宮きのみ氏が勧めるのは、治療前に今後の見通しと治療選択肢を分かりやすく伝えておくこと。「最初にAという抗癌剤を使用します。もしこれで治療効果が得られなかった場合はBを検討しましょう。それでも腫瘍が小さくならなかった場合にはCか、緩和ケアを本格的に開始することを検討しましょう」といった形で説明することで患者の理解を促進できる。

 

治療選択肢が複数あった場合は、単に並列に提示するだけでは不十分だ。患者が医療用語を十分に知らないために、十分に理解できていない可能性があるためだ。愛和病院(長野市)の平方眞氏は、「患者さんが理解できているか、理解の度合いを確認しながら話したり、大切なことは繰り返し話すよう気をつけるとよい」とアドバイスする。また、選択肢を横並びで示さずに、各選択肢の合理性を分かりやすく解説する必要があると話す。

 

愛和病院の平方眞氏

愛和病院の平方眞氏は、患者が話を理解しているかこまめに確認しながら話すほか、大切なことは繰り返し説明するようにしている。

 

情報提供だけでなく情報収集も

患者に分かりやすく情報提供するためには患者からの情報収集に力を入れることが大切だ。

「医療者は情報提供することばかりに陥りがち。患者さんがどう感じているのか十分に理解した上で情報提供するよう心掛けた方がよい」と余宮氏は指摘する。

 

例えば患者が「本当に、朝晩にオキシコドンを飲まないといけないのでしょうか」と聞いてきた場合、「そうですよ。これは鎮痛薬で、これを飲んでいるから痛みが取れているのですよ」と回答するのでは不十分。正解は「何か気が掛かりなことがあるのですか」と聞くこと。そうすれば、患者がなぜその質問をしてきたのか、背景にある不安や心配を聞き出すことができる。 

 

 

【緩和ケア 7つの誤解】

誤解1◆緩和ケアは癌治療後に開始

誤解2◆予後は予測できない

誤解3◆緩和ケアは痛みの緩和

誤解4◆医師の説明を患者は理解している

誤解5◆レスキュー薬はできるだけ制限

誤解6◆モルヒネは命を縮める

誤解7◆点滴しないと死期が早まる

 

<掲載元>

日経メディカルAナーシング

Aナーシングは、医学メディアとして40年の歴史を持つ「日経メディカル」がプロデュースする看護師向け情報サイト。会員登録(無料)すると、臨床からキャリアまで、多くのニュースやコラムをご覧いただけます。Aナーシングサイトはこちら

この連載

  • 誤解6◆モルヒネは命を縮める [07/25up]

    【日経メディカルAナーシング Pick up!】   「患者だけでなく、医療者の中にも『モルヒネは命を縮める』といまだに誤解している人がいる」。 こう話すのは永寿総合病院(東京都台東区)の廣橋猛氏だ。 医療用... [ 記事を読む ]

  • 誤解5◆レスキュー薬はできるだけ制限 [07/18up]

    【日経メディカルAナーシング Pick up!】   「レスキュー薬」(定期鎮痛薬では十分に痛みがコントロールできない際に臨時で服薬するオピオイド速放性製剤)を処方する際、薬が効き過ぎて副作用が生じるのではないかと考えて... [ 記事を読む ]

  • 緩和ケア 7つの誤解|誤解4◆医師の説明を患者は理解している [07/11up]

    【日経メディカルAナーシング Pick up!】   最後の抗癌剤治療が奏功しなかった患者に、「もう治療選択肢はないので本格的な緩和ケアを行いましょう」と医師が説明する。すると患者は「先生を信じて治療を続けてきたのに治療...

  • 看護師の職務・能力に応じた賃金制度は可能? [07/04up]

    【日経メディカルAナーシング Pick up!】   日本看護協会は6月、「病院で働く看護職の賃金のあり方」と題する提言を公表した。看護師個人の能力や専門性、病院への貢献度に見合った給与を支払う仕組みにしようと提案する内... [ 記事を読む ]

  • 緩和ケア 7つの誤解|誤解3◆緩和ケアは痛みの緩和 [06/27up]

    【日経メディカルAナーシング Pick up!!】   取材した緩和ケア医から挙がった「緩和ケアの誤解」の中でもとりわけ多かったのが、「緩和ケアは痛みの緩和をすること」という誤解だ。癌患者に表れる症状は痛みだけでなく、悪... [ 記事を読む ]

もっと見る

コメントを投稿する

コメント入力
(100文字以内)
ニックネーム
(12文字以内)

コメント一覧(2)

2匿名2016年07月11日 20時11分

不安を感じても 聞いていいのか迷うこともあり、その場で疑問を感じなくとも 帰り際に思い出すこともある。いつでも相談を受け付けてきちんと説明が必要

1匿名2016年07月11日 06時53分

医師にとっては日常のことであっても患者には一大事。1度口頭で説明したくらいで理解するのは難しい。患者が説明をどのように解釈したのか確認も不可欠。

いちおし記事

【マンガ】大切な人が死ぬとき~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~(1)

【水曜連載】父のがん発見をきっかけに、「死」について考えるエッセイマンガ。 [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

今期のドラマ、何が楽しみ?

投票数:
2445
実施期間:
2019年10月25日 2019年11月15日

日常生活でうっかりつかってしまう専門用語ある?

投票数:
1246
実施期間:
2019年10月29日 2019年11月19日

人に言いたくなるキラキラ休日の過ごし方は?

投票数:
1154
実施期間:
2019年11月01日 2019年11月22日

尊敬する先輩ナースのエピソードある?

投票数:
999
実施期間:
2019年11月05日 2019年11月26日

生まれ変わったら何になりたい?

投票数:
931
実施期間:
2019年11月08日 2019年11月29日

看護師が選ぶ!キャラクター大賞!2019

投票数:
614
実施期間:
2019年11月12日 2019年12月03日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者7312

◆転倒・転落のアセスメントの問題◆誤嚥性肺炎で入院となった83歳男性。末梢の持続点滴と経鼻での酸素投与中で、ポータブルトイレでの排泄の安静制限があります。入院前のADLは自立していましたが、前立腺肥大のため頻尿で、日中は8回、夜間2回程度の排尿がみられます。この患者さんの転倒・転落のアセスメントの対応として適切なものはどれでしょうか?

  • 1.夜間に十分な睡眠ができるように長時間作用型の睡眠薬を投与する。
  • 2.ベッドから立ち上がる際は、オーバーテーブルにつかまって立ち上がるよう指導する。
  • 3.夜間は一人で動くと危ないので身体抑制を行ってもよいか、本人とご家族に尋ねる。
  • 4.患者さんの排泄パターンを観察し、トイレに誘導する。
今日のクイズに挑戦!