排便後、血圧低下により気分不快が生じることがあるのはなぜ?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は排便に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

排便後、血圧低下により気分不快が生じることがあるのはなぜ?

 

排便後の迷走神経活動の亢進と交感神経活動の低下によって、血圧低下や徐脈などが起こるからです。

 

状況失神とは

排便や排尿、嚥下、嘔吐咳嗽などの日常的な動作で誘発される失神状況失神とよび、血管迷走神経性失神、頚動脈洞失神を含め神経調節性失神症候群と総称されます。

 

排便を含め上記の日常動作によって誘発される状況失神では、急激な迷走神経活動の亢進と交感神経活動の低下によって、徐脈や血圧低下をきたし、失神に至る機序が考えられています。

 

排便失神は中・高年齢の女性に多く発症し、排便時の“いきみ”に伴った静脈還流の減少と腸管の運動に伴った迷走神経反射が主な原因となります。

 

⇒この〔連載記事一覧〕を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護知識トップへ