PET(ペット)|画像検査

『看護に生かす検査マニュアル』より転載。
今回は、PET(ペット)検査について解説します。

 

高木 康
昭和大学医学部教授

 

〈目次〉

 

PET(ペット)とはどんな検査か

PET(Positron Emission Tomography;陽電子放射断層撮影)とは、陽電子を放出する放射性医薬品を用いて、断層画像を得る手法のことである。生体内における薬剤の分布や時間的変化を画像化することで、生理学的機能情報を得ることができる。ただし、PETで得られる画像は、CT、MRI画像と比べ解剖学的情報に乏しく、薬剤の集積部位の特定が困難なことがある。

 

CT、MRI画像とPET画像とのfusion画像(重ね合わせ画像)で集積部位を特定できることもあるが、異なる時期に得られた画像では臓器の生理的運動による位置ズレがあり、画像の精度には限界があった。その点を補うことができるのが、PET装置とCT、MRI装置が一体となったPETCT装置、PET-MRI装置である。ほぼ同時期に両者の画像を得ることが可能で、fusion画像の位置ズレが少なく、画像の精度が向上することで薬剤の集積部位の特定が可能となる。代表的な薬剤として、18F-2-デオキシ-2-フルオロ-D-グルコース(FDG)、13N-アンモニア、15O-ガスなどがある。

 

PET(ペット)の目的

FDGを用いた検査では、悪性腫瘍の病期診断や転移、再発診断、虚血性心疾患による心不全患者における心筋組織のバイアビリティ診断、心サルコイドーシスにおける炎症部位の診断、難治性部分てんかんの焦点の評価を行う。13N-アンモニアを用いた検査では心筋血流の評価を行う。15O-ガスを用いた検査では脳循環代謝の評価を行う。

 

PET(ペット)の実際

FDG PET検査について概説する。

 

管理区域内でFDGを静注し、およそ1時間安静待機してもらう。CT、MRIと同じように撮影装置の検査台に患者を寝かせ、PET装置の検出器リングの中に検査台を入れて撮影する。撮影時間は20~30分程度である。

 

PET(ペット)前後の看護の手順

検査前に、少なくとも4~5時間、絶食したことの確認を行う。患者を管理区域内に案内する。FDG投与用の静脈ルートを確保、血糖値の測定後、FDGを投与する。FDG投与後、およそ1時間は安静にしてもらうため、待機室に案内する。撮影直前に排尿してもらい、検査室へ案内する。検査終了後1~2時間は人ごみを避けるよう説明し、帰宅の案内を行う。

 

PET(ペット)において注意すべきこと

FDGは放射性医薬品であり、投与について、妊婦または妊娠している可能性のある女性および授乳中の女性には、原則として行わないことが望ましい。小児に関しては、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合のみ慎重に投与する。なお、FDG投与による重篤な副作用はない。放射性医薬品は管理区域内から持ち出すことができないため、投与は必ず管理区域内で行う。

 

FDG PET検査は糖代謝を反映した画像検査であり、血糖値が高い場合は病変への集積が低下し、病変以外の集積が増加することで病変の検出能が低下することがある。また、薬剤投与後に運動をすると骨格筋への集積が増加する。FDGは尿中排泄が主であるため、排尿により被曝低減と骨盤部の読影の妨げを除くことができる。

 

検査に用いられる放射性物質の量は微量であり、過度に神経質になる必要はないが、看護に際して不必要な被曝は避けるべきである。主に線源となるのは、放射性医薬品の入った注射器、放射性医薬品を投与された患者である。注射時の被曝は自動投与機を使用することで低減できる。薬剤投与後の患者には必要以上に近づかず、患者との接触時間を減らす工夫をすることが必要である。

 

略語

 

  • FDG:[F- 18 ]- 2 -fluoro- 2 -deoxy-D-glucose(2 - フロオロ- 2-デオキシ-D- グルコース)

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 看護に生かす検査マニュアル 第2版』 (編著)高木康/2015年3月刊行/ サイオ出版

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