血液透析(HD)|ICUでの血液浄化療法
『ICU看護実践マニュアル』(サイオ出版)より転載。
今回は、「血液透析(HD)」について解説します。
上原真弓
市立青梅総合医療センター 集中治療室 看護師
平野智裕
市立青梅総合医療センター 臨床工学技士
桑林充郷
市立青梅総合医療センター 臨床工学技士
血液透析(HD)の適応となる疾患
急性腎障害
外傷・薬物・手術等の何らかの要因で高カリウム血症、体液過剰、アシドーシス、尿毒症などが出現している場合
慢性腎不全
元々血液透析を行っていて他の疾患で ICU に入院した場合や透析未導入であるが導入間近で急激に溢水になった場合
高カリウム血症
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血液透析(HD)施行中の看護
1HD は自己のシャントを使用することが多く、針の抜去や血管漏れなどに注意する。透析カテーテルを使用している場合は体動による脱血不良に注意が必要である。
2ICU で行う患者は全身状態不良なことが多く、とくに血圧の変動に注意する。血圧低下・急な体動・冷汗・顔色不良などがみられた場合はショック状態の前兆であることが多く観察をしっかり行う。必要時は除水を止めたり、下肢の挙上などの処置を行うため、医師や臨床工学技士に報告する。
3透析終了したときは、 除水量を確認し、OUT 項目に入力する。
4透析後止血ベルトが巻かれているときは、1 時間後にベルトを外す。
5穿刺部のインジェクションパッドは次の日の朝にはがす。
6穿刺部から出血した場合は清潔なガーゼなどで圧迫し止血する。圧迫は圧迫部より末梢の血流が途絶えない程度の圧力で行う。
7返血後の血圧は高めになることが多いため、その後の血圧変動に注意し、体動や座位・立位・食事摂取等で血圧低下することもあるため、観察を行う。
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1)倉島直樹・岡晃司:書き込んでオリジナルのノートが作れる!機器と看護のポイントまるわかり IABP・PCPS・CHDF マスターノート,HEART nursing,2015,28( 2 ):42~58
本連載は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『ICU看護実践マニュアル』 監修/肥留川賢一 編著/剱持 雄二 サイオ出版


