2018/06/15 のクイズ
骨髄線維症により、化学療法を受けているAさん。化学療法終了後、数日目に全身の倦怠感と嘔吐、38.8℃の発熱があり、外来受診となりました。採血の結果、WBC4,000、CRP6.75㎎/dLと炎症反応が高く、末梢血分画で好中球550/mm3と減少しているため、発熱性好中球減少症に髄膜炎を併発していると判断され、各種培養検査後に入院となり、CFPM1g/6時間ごとの投与が開始されました。翌日に血液培養で4本中4本からGPC(双球菌)が検出され、髄液穿刺によりタンパク量の増加、糖の減少があり、CFPMも第4世代セフェム1g/12時間ごとの投与が開始されました。しかし、徐々に浮腫、尿量低下を伴う腎機能低下が出現し、血液培養の結果はPISP(ペニシリン中等度耐性肺炎球菌)でした。以下の中で、次にすべき対応で最も適切なものはどれでしょうか?
- 1. 医師にVCM血中濃度測定の必要性がないか確認する。
- 2. 医師の指示通りに、VCMを間違いなく継続して投与する。
- 3. 培養結果を医師に報告し、抗菌薬が適正か確認を行う。
- 4. 発熱性好中球減少症および、髄膜炎を併発した症例であるため、広域であるカルバペネム系に変更する必要性がないか確認する。
挑戦者3187人 正解率70%
- 1. 医師にVCM血中濃度測定の必要性がないか確認する。
-
不正解
VCMは腎代謝の薬剤であり、腎機能と体重に見合った投与を行わなければ、腎機能低下による浮腫や尿量の低下、心機能低下の原因ともなります。また、原因菌がGPC(双球菌)だと分かっているため、必ずしも腎代謝であるVCMで治療する必要性はありません。
- 2. 医師の指示通りに、VCMを間違いなく継続して投与する。
-
不正解
患者さんの状態をきちんと把握するため、看護師は、その患者さんに投与された抗菌薬がどのように効果を発揮しているのか観察する必要があります。この問題では、解説1で説明したように、必ずしもVCMの投与でなくても構いません。医師の指示であっても、正しい抗菌薬の投与方法や経過をアセスメントする必要があります。
- 3. 培養結果を医師に報告し、抗菌薬が適正か確認を行う。
-
正解
PISP(ペニシリン中等度耐性肺炎球菌)が髄液より検出されているため、必ずしもVCMの投与でなくても構いません。(感受性により)第3世代セフェムで治療は可能であるため、抗菌薬を変更する必要があります(de-escalation)。
- 4. 発熱性好中球減少症および、髄膜炎を併発した症例であるため、広域であるカルバペネム系に変更する必要性がないか確認する。
-
不正解
CFPMも第4世代セフェムと広域であり、発熱が改善しているのであれば継続投与して構いません。カルバペネム系が最も強力な効果があると勘違いしやすいですが、ただ単に広域(対象菌種が多いだけ)なだけで、必ずしも有効であるとは限りません。
引用参考文献など
1)安武夫ほか編.カラー写真でよくわかる薬剤師のためのリスクマネジメント実践マニュアル.羊土社,2010,199p.
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