2017/12/06 のクイズ
- 1. 経管経腸栄養を中止する。
- 2. 経管経腸栄養の投与速度を遅くする。
- 3. 経腸栄養剤を温めて投与する。
- 4. 経腸栄養剤を希釈する。
挑戦者4137人 正解率76%
- 1. 経管経腸栄養を中止する。
-
不正解
下痢などの腸管不耐性が生じる場合は、その原因を考える必要があります。下痢は、栄養剤の浸透圧や注入速度、乳糖不耐性、栄養剤の細菌汚染など、さまざまな原因によって発生します。原因により、対応方法は異なりますが、むやみに経腸栄養を中止するべきではありません。
- 2. 経管経腸栄養の投与速度を遅くする。
-
正解
下痢を生じる原因の一つに、栄養剤の浸透圧があります。血漿浸透圧が280mOsm/Lに対し、半消化態栄養剤の浸透圧は300~400mOsm/L前後と、血漿浸透圧より若干高めになっています。栄養剤は腸管内で速やかに消化・吸収されるため、浸透圧が若干高めであっても、緩徐に投与することによって、浸透圧による下痢を予防することができます。
- 3. 経腸栄養剤を温めて投与する。
-
不正解
経腸栄養剤を栄養パックなどに入れて投与する場合、6~8時間以上になると細菌の繁殖量が急激に多くなります。経腸栄養剤を温めることは、細菌繁殖を助長させる危険性があります。また、投与前に温めていても、投与中には冷めてしまうため、意味があるとはあまり考えられないため、不適切です。
- 4. 経腸栄養剤を希釈する。
-
不正解
希釈する(経腸栄養剤に水等を加える)といった行為は、経腸栄養剤を汚染させるリスクが高まります。また、希釈せずとも注入速度を調節することで下痢をコントロールすることができます。下痢を予防・防止する対策として、栄養剤を希釈する必要はありません。
引用参考文献など
1)大熊利忠.経腸栄養剤と細菌汚染.Nutrition Support Journal.1(1),2000,9.
2)大熊利忠ほか編.キーワードでわかる臨床栄養.羊土社,2011,p388.
3)日本静脈経腸栄養学会編.静脈経腸栄養ハンドブック. 南江堂. 2011, p486.
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