心療内科・精神科、どっちに進みたいかわからない!|看護師かげと白石の今週のモヤッと(59)

この連載では、看護師のかげ白石が、読者から寄せられた「看護の現場で感じるモヤモヤ」にお答えします。

みんなの「モヤッと」が「ピカッと」に変わりますように!

 

連載:看護師かげと白石の今週のモヤッと

Vol.59 心療内科・精神科、どっちに進みたいかわからない!

メンタルケアをしたいとモヤモヤするオペナースのイラスト

 

白石さんアイコン

今回は看護師5年目の方からのお悩みです。

 

 

新卒から手術室勤務で現在5年目です。

患者さんは手術に対して少なからず何かしらの不安を抱えているのに、どんな声掛けをすれば良いのかわからなくて、手術のたびに悩んでいます。

 

また、関わる時間が短いことを言い訳に、患者さんの気持ちに寄り添えないまま仕事をしている自分がイヤです。

 

もっと患者さんの心を理解できる看護師になりたいです。
そのために、メンタルケアを学びたくなったので、心療内科に転職したいと思っています。

 

ただ、私は病棟経験がないので「全く違う部署に転職して上手くいくのかな」と不安です。

 

また、心療内科はクリニックが多いので「20代で総合病院からクリニックに転職するのはアリなのかな…」とモヤモヤ悩んでしまいます。

 

精神科も考えましたが、自分の学びたい内容としては心療内科の方が近いように感じているのですが、精神科の方が学びやすいのでしょうか?

 

たくさんモヤモヤがあって申し訳ないですが、周りにメンタルケアに詳しい人がいないので、私の悩みを聞いていただけるとありがたいです。
 

(おいもさん 看護師5年目)

 

「もっと患者さんの気持ちに寄り添いたい」という思いが、どんどん強くなっているんだね。

 

そうだね。
今回は、心療内科や精神科の看護について詳しい、精神科看護師のおぬまさん(通称:おぬさん)にも話を聞いてみよう。

 

おぬさーん!

 

おぬまさんアイコン

こんにちは、精神科看護師のおぬです!
以前も精神科にまつわるお悩み「毎日ルーティンばかりで楽しくなくてモヤモヤ」の回で登場しました。

 

相談者さんのお悩み、読ませてもらった!

 

僕は心療内科の勤務経験はないんだけど、手術室から精神科に転職したことのある看護師は何人か知っているよ。僕は心療内科の勤務経験はないんだけど、手術室から精神科に転職したことのある看護師は何人か知っているよ。

 

かげさんアイコン

そうなんだ!

 

おぬまさんアイコン

手術室から精神科に来た看護師からは「患者さんと時間をかけて関わりたい」「患者さんの気持ちに寄り添いたい」といった話を聞くことが多いかな。

 

だから、相談者さんの話もよくわかるよ。

 

 

関わる時間が少ない中で患者さんに寄り添うということ

白石さんアイコン

手術室の看護師って、患者さんと関わる時間が少ないと感じる人もいるんだね。

 

相談者さんも「どんな声掛けをすれば良いのかわからない」と言っているけど、短い時間の中で不安な患者さんに寄り添うのって難しいよね。

 

おぬまさんアイコン

そうだね。
たしかに、手術室看護師ならではの難しさがあるかもしれない。

 

かげさんはICU勤務の経験があるよね。

ICUも患者さんとコミュニケーションを取る機会は少ないという面があると思うけど、どう?

 

かげさんアイコン

うん。
僕も、患者さんとなかなかコミュニケーションが取れない中で、やっぱり悩んだりしたんだよね。

 

そんなとき、「患者さんにとって少しでも身近な存在になれるように」って意識してたかな。

 

手術室看護のコミュニケーションの取り方とは違うかもしれないけど、ICU勤務だった頃の僕なりの工夫としては、たとえば、

 

「何か心配なことやわからないこと、ありますか?」

と笑顔で話しかけたり

 

「がんばっていますね」

と目線を合わせて、ねぎらいを伝えるように声をかけたり。

 

何か特別なことをしたわけではないんだけど、そうすることで患者さんの気持ちが少し落ち着くようなことはあったよ。
 

白石さんアイコン

かげさんも、悩みながらも患者さんに寄り添おうとしていたんだね。

 

おぬまさんアイコン

相談者さんの場合、患者さんに寄り添えていない心残り感も募って、「今いる手術室とは違う環境でしっかりメンタルケアを学びたい」という気持ちになったのかもだね。

 

 

心療内科と精神科、それぞれ見学に行ってみる

白石さんアイコン

相談者さんは専門的にメンタルケアを学ぶために、心療内科と精神科が気になってるんだよね。

 

かげさんアイコン

そうだね。
ところで、心療内科と精神科って具体的にどう違うの?

 

おぬまさんアイコン

心療内科は、「仕事上の人間関係がツラくて胃潰瘍ができてしまった」とか、心の不調が原因で内科的症状が出ている患者さんを診るところ。

 

精神科は、統合失調症やうつ病などの「明らかな精神疾患によって生活が成り立たない状態」の患者さんを診ることが多いよ。
 

白石さんアイコン

そうなんだね。
相談者さんは自分で調べていくうちに、どちらかと言えば 心療内科に興味が出てきたってことなのかな?

 

おぬまさんアイコン

そうかもしれないね。

 

患者さんに時間をかけて関わりたい気持ちもあるのなら、精神科病棟でもそれは叶うと思うよ。

 

でも、僕は精神科病棟の経験が長いから、つい精神科を推しちゃうけど(笑)、たとえば時間をかけて患者さんに関わることは精神科でも叶うと思う。

 

だからまずは、心療内科と精神科、どちらの特徴も理解するために一度、それぞれ見学に行ってみるのはどうかな?

 

職場もクリニックや病棟とかいろいろあるし、特徴や働く環境もそれぞれ全然違うんだよね。

 

実際に見学を通して、見たり感じたりして知ることができれば、自分はどちらに進みたいのかよりイメージできると思うよ。

 

白石さんアイコン

たしかに。
いろいろ調べた後は、実際にその目で確かめに行くのがベストかも。

 

おぬまさんアイコン

今はコロナ禍で制限があるかもしれないけど、半日体験とか見学させてくれるところもあると思う。

 

かげさんアイコン

見学に行ってみて「ここだ!」ってしっくりくるところに出会えるといいね!

 

おぬまさんアイコン

あと、相談者さんは「病棟経験がないから、全く違う部署に転職して上手くいくのか」「20代で総合病院からクリニックに転職するのはアリなのか」と不安なんだよね。

 

病棟経験が必要かどうかも、興味を持った病院を見学して確認するといいんじゃないかな?

 

たとえば、ストレスからくる身体的症状へのアプローチとかは、病院によってはある程度の技術や病棟経験が求められるかもしれないよね。

 

見学で質問もできるし、もし病棟経験が必要そうなら、いったん今の病院内で異動とかを検討してもいいと思うし。

 

クリニックの転職がアリかどうかも、そこに自分のやりたいこと・学びたいことがあるなら視野に入れてもいいし、やっぱりまずは見学してみてから考えても問題ないと思うよ。

 

 

人の心を理解するのはとても難しい

おぬまさんアイコン
メンタルケアを学ぶなら、 心療内科や精神科はいい環境なんじゃないかなと僕は思うよ。


ただ、一つだけ精神科看護師として働く僕から伝えたいのは「人の『心』を本当に理解するのはすごく難しい」ってこと。


仮に相手の心を理解したつもりでも、本心はどうかわからないケースも多いし。

 

働きながら、僕が個人的に感じていることなんだけどね。

 

かげさんアイコン

ふむぅ、なるほど…。
でも、ちょっとわかるかも。

付き合いの長い家族や友人でも、自分とは別人だから全てを理解することは難しいよね。

 

おぬまさんアイコン

そうなんだよね。

関わる時間が短くて患者さんの気持ちに寄り添うのが難しいって話をしたけど、「じゃあ時間が長ければ理解できるのか」って言ったら、必ずしもそうじゃない。

 

濃密に関われば患者さんの不安が解消されるとも限らないから、心を理解するってとても難しいことなんだと思う。

 

もちろん、「目の前の患者さんの心を理解したい」と思いながら看護するんだけどね。

 

白石さんアイコン

「患者さんの心を理解することができたら」と思いながら看護するって気持ち、私もわかる。

 

きっと、どの病棟・どの部署でも同じことだよね。

 

おぬまさんアイコン

うん。

でも、その「理解したい」という気持ちが、その人に寄り添ったケアの提供につながっていくんじゃないかなと僕は思うよ。

 

人の心を理解するのはとても難しい…だからこそやりがいもある!

 

相談者さんが患者さんの心のケアにもっと携わることができるように、応援しています!

 

 

今週のピカッと


☆メンタルケアを専門的に学ぶために、心療内科 ・精神科に進むのも一つの選択肢

 

☆具体的にどんな仕事ができるか、心療内科と精神科の病院・クリニックに、それぞれ見学に行ってみよう

 

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プロフィール

看護師のかげ(@877_727)

医療の勉強に役立つ(てほしい)絵や仕事でのほっこり話などをTwitterでつぶやいています。

 

 

書籍紹介

 

『ホントは看護が苦手だったかげさんの イラスト看護帖〜かげ看〜』

かげ 著、永岡書店

看護師かげさん著「ほんとは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖~かげ看~」の写影

 購入はこちら

 


10年以上病院で働いてきて、現在はいろんな場所で働いている看護師兼ライター。

最近は、後輩に飴ちゃんあげるおかん系看護師になりつつある。

 

 

書籍紹介

 

『Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~私もエールをもらった10人のストーリー』

白石弓夏 著、メディカ出版

白石弓夏著『Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~私もエールをもらった10人のストーリー』の写影

 購入はこちら

 

イラスト/かげ

編集/木村さちこ(看護roo!編集部)

 

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