「入院ベッド減らしたら補助金!」という直球すぎる手段が来た|看護roo!ニュース

 

「増えすぎた病院のベッドを減らそう!」と言われ続けているものの、あれこれ手を打っても国が狙ったようには進んでいない病院再編。

 

そこで、とうとう、

 

「2020年度に入院ベッドを減らした病院には、補助金を出します!」

 

という、かなり直球の病院再編策が動き出すことに――。みなさんの勤める病院は…?

 

 

国費84億円をかけて「病床削減を支援」

とてもストレートなこの政策は、2020年度の政府予算案で打ち出されたもの。

 

「病床を削減する病院を支援するための経費」として、84億円を国が準備することにしたのです。

 

補助金の対象となるのは、

 

病床が過剰な二次医療圏にある病院で、

現在、稼働させている病床のうち10%以上を減らした場合

 

です。

 

 

急性期回復期慢性期のどの機能でも、減らせば補助金を受けられます(ただし、すでに休止状態の病床を減らすのは対象外)。

 

「もし病床を減らさなければ得られただろう収入」をもとに計算された額が、国から病院に交付される仕組み。詳しい条件や金額はこれからですが、補助金の使いみちは、病院側が自由に決められるようになる予定です。

 

 

病床削減する病院は出てくる?

さて、気になるのは「うちの病院はどうなんだろう…」という点。この補助金でベッドを削減しようと考える病院は、どんな病院でしょうか?

 

具体的には、

 

●病床利用率が悪く、赤字の病棟がある病院

 

●地域の人口が減少し、機能もサイズもコンパクトにしたいと考えている病院

 

●同じような機能の病院が近くにあり、患者やスタッフの奪い合いが起きている病院

 

―などが考えられます。

 

補助金が出るから、という理由だけで削減を決める病院はなく、普通に考えれば、この補助金は「もともとベッドを減らそうか迷っている病院」の背中を押すためのものでしょう。

 

国はすでに「再編や統合を検討する必要がある公立・公的病院」など424カ所をリストアップして公表していますが、民間病院も含めて、上のような状況にある病院は、補助金の活用を検討するかもしれません。

 

特に、病床削減へのプレッシャーが強まる急性期病院は、次の診療報酬改定(2020年度~)で7対1を維持するための条件がさらに厳しくなり、いよいよ持ちこたえられない可能性も。

 

ベッドを減らすのはダメージも大きいものですが、補助金があるなら…と考える病院は出てくるでしょう。

 

実際に、病院経営者などからは「必要な補助金」と歓迎する声も上がっているようです。

 

 

再編・統合へ、国はあらゆる手を打ってくる

 

今回の補助金は「2020年度限定」ですが、それ以降も、国は消費税による財源を使って病床削減を「支援」していく方針です。

 

今回の補助金で、実際にどれだけの“効果”が出てくるかは、まだわかりません。が、2025年までに病院の再編・統合を進める「地域医療構想」の実現に向けて「国はこれから、あらゆる対策を打ってくるんだな」ということは、ひしひしと伝わってきます。

 

病院が縮小したり、近隣の病院との再編・統合が進んだりすれば、看護師の働く場所も変わります。気にしておきたい話題です。

 

看護roo!編集部 烏美紀子(@karasumikiko

 

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(参考)

令和2年度社会保障関係予算のポイント(財務省)

令和2年度厚生労働省所管予算案関係(厚生労働省)

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