【2020】看護学生が2年連続で減少、看護師の養成スピードにかげり…?

看護学校の入学生が2年連続で減少

 

看護師不足を解消するため、国が力を入れている看護師の養成。

 

毎年、看護学校の入学生は6万人を超え、2016年に微減した以外は、2018年までずっと増加し続けていました。

 

しかし、ここへ来て、入学生の数が2年連続で減少

少子化の影響などで伸び悩み、養成スピードにかげりが見られ始めています。

 

厚生労働省のデータを詳しく見ていきましょう。

 

 

看護学校の入学生全体は減るも、大学は最多

厚労省によると、2020年度の入学生は6万4584人で、前年度より843人減りました

 

ただし、大学の入学生は2万5815人と、これまでで最多。全体の4割を占めています。

 

【2020】看護学校の入学生データ

 

養成課程別の入学生の推移を見てみると、3年課程が横ばい、5年一貫校や2年課程が減少傾向にあるのに対し、この10年、大学だけは増加し続けていることがわかります

 

養成過程別・看護学校の入学生推移

 

 

大学の入学生が増え続けるワケ

大学の入学生が増え続ける背景には、看護学科の新設が続いていることがあります。

 

2011年度には199校だった看護学科がある大学は、2020年度には293校まで増加

 

新設ラッシュ時と比べると、若干ペースは落ちてきているものの、毎年増え続けています。
 

増え続ける、看護学科のある大学

 

不況に強い国家資格を取得できる看護学科は受験生から人気が高く、少子化の中で生き残りたい大学側の意向ともマッチしているため、当面、こうした状況は続くとみられます。

 

 

ほとんどの卒業生が病院に就職

【2020】看護学校の卒業生データ

 

看護学校の卒業生の動きも見てみましょう。

 

2020年3月の卒業生は5万9248人と、過去最高の数でした。

 

そのうち、看護師として就業する学生は9割弱で、就業先は例年と変わらずほとんどが病院でした。

 

新卒から訪問看護ステーションに就職するなど、新しい動きも出てきていますが、まだまだ病院に就職するのがスタンダードとなっているようです。
 

 

「今いる看護師」の定着対策がより重要に

厚労省の推計によると、団塊の世代が75歳以上となり医療ニーズがピークを迎える2025年には、現状より看護職が6万~27万人不足するとされています

 

これまで国は看護師の養成に力を入れてきましたが、少子化の影響は避けられず、「新しい看護師」を増やす対策は、これ以上のスピードアップは望めないかもしれません。

 

そうなると、「今いる看護師」の定着対策がより重要になってきます。

 

看護師の働きやすい労働環境の整備、潜在看護師が復帰しやすい支援など、貴重な人材が「看護師として働き続けたい」と思える取り組みが求められます。

 

看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo

 

※この記事は2020年11月19日、最新データに基づき更新しました(前回更新:2019年11月14日、初出:2018年12月27日)

 

 

(参考)

看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査(厚生労働省)

医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ(厚生労働省)

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