急変時に使えるアセスメント技術「PEARS」|マンガ・もっともっとやれるナースの力

「なにかおかしい…」と感じたときにもう慌てない!PEARSはナースのアセスメントの味方です。

もっともっとやれるナースの力。日常で使えるアセスメント技術を修得できる。

看護現場でできることなら避けて通りたい、患者さんの『急変』。患者さんや家族はもちろんのこと、ナースもしんどい。

何より心にのしかかる思い…(もっと早く気づいてあげられれば…、サインはあった?、先輩ならもっとうまく…、見逃し?、私のせいだったら…)。しかし、いざ学ぼうとすると種類が多い上にハードルが高い!

そんなアナタのために、今回はAHA公認プロバイダーコースの一つ「PEARS(ペアーズ):Pediatric(小児), Emergency(緊急),Assesment(評価),Recognition(認識),Stabilation(安定化)」をご紹介します。PEARS(ペアーズ)とは、小児の状態悪化時にすばやく認識・評価し状態を安定化させるための方法を学ぶ講習会です。

PEARSプロバイダーコースで学ぶのは、心停止に至らないように早期に介入するための思考プロセスです。「小児」だけでなく、成人看護の場合でも役に立ちます!

実際、成人メインの明さんは、見学してみて成人看護に応用できると思ったようです。何よりシンプル!判定するタイプは呼吸器障害4タイプと循環障害2タイプです。

今回教えてくれたのは、チャイルド来フェス横浜の飯村知宏さんとインストラクターの皆さん!飯村さんは、小児救急看護認定看護師!現場での経験は9年!

参加者は、小児救急ナース・看護学生・放射線技師、といろいろな方がいます。他には保育士や学校の先生も受講されるそうです。

スケジュールは、9:40イントロダクションから、蘇生化学、体系的評価アプローチ、呼吸器管理の器材、起動と呼吸、循環・神経・全身評価、CPRスキルテスト、筆記試験、と18:20までぎっしり!

PPEARSでは、体系的アプローチのアルゴリズムに基いて病態を評価します。

まずは『第一印象』。ざっと観察できる初見(意識・呼吸・皮膚の色)からどのステップに進むか判断します。重症・重傷で治療が必要なら一次評価へ。意識なし・呼吸なしなら応援を呼ぶ・救命処置!

『第一印象』で『一次評価』へと進んだ場合、ABCDEアプローチに沿いすばやく評価します。

A(気道)・B(呼吸)…気道は確保できるか、呼吸数やパターンは侠客の動きなどを見ていきます。

これらの初見を元に、呼吸障害のタイプ・重症度を判定します。タイプ:上気道閉塞、下記道閉塞、肺組織病変、呼吸調整障害。重症度:軽度の呼吸窮迫、重度の呼吸窮迫。例えば、呼吸数上昇、呼気延長あり、呼気時喘鳴で『下記道閉塞』。あきらかな呼吸努力が見られるので『重度の呼吸窮迫』など。

障害のタイプが判定できたら、障害に応じた介入をします(酸素投与・薬剤の使用を考慮・応援・姿勢など)。

つづいて循環障害の評価に移ります。
観察するのはC (循環)・D(意識)・E(全身状態)です。還流不良の兆候などを見ます。

A(気道)・B(呼吸)…気道は確保できるか、呼吸数やパターンは侠客の動きなどを見ていきます。

介入後は再び評価し、状態の変化や介入の効果を確認・再判定します。PEARSでは、こうした体系的アプローチでより専門的な治療を受けるまでの安定化を図るのです。

講習の中では、このアプローチ手段をみっちり学びます。AHAのDVD視聴、各パートの補足とポイント解説、事例のディスカッション・シミュレーションなど。

とくに、シミュレーションは色んな事例をとことんやります!こうして知識だけでなく評価のプロセスや考え方を体得していきます。

さらに、講習の中でCPRの練習やテストも徹底的にやります(AEDの使用・手順・応援要請、人工呼吸、胸骨圧迫の位置やテンポなど)。効果的なCPRでないと意味がない!

つまり「疾患」に関係なく呼吸数や呼吸状態、心拍数や循環動態から患者さんの状態がアセスメントでき介入につながるのです。

明さんが講習を通して印象的だったのは、『わからないこと』を共有するコミュニケーションについて!『わからない』ことを怒らず尊重し、『わからない』情報や自分の知識・能力の限界を示すことでチームで協力して解決に導きます。

知識や技術を学ぶだけでなく、映像を通して認識できるのもPEARSの特徴です。例えば、呻吟〈しんぎん〉赤ちゃんの泣き声にきこえますが、呼気時のうめき声で、肺組織病変のサインです。小児は看たことがない明さんは、はじめて呻吟を知りました。

受講者のみなさんは、終わったとたん笑顔で感想を語ります。放射線技士「これからは、検査室での急変も、医師やナースを待つ間自分たちにできることを考えたい」。学生「面白かった!心停止に至る前に対処できる手段は初めてだったので為になった!」。ナース「普段やっていることが言語化されて整理できポイントが明確になった」。

明さんも、見学していて『見るべきポイントがはっきりしていること』『手順が決まっていること』『障害のタイプが少なくシンプルでわかりやすく』『次に何をしたらいいかわかる安心感』を感じたそうです。

順序だった考え方は、普段の看護や日常生活でも使える気がします、と明さんは語ります。急変対応に不安のある方や、臨床での評価が苦手な方、興味はあるけれどどれを受けていいか迷う方は、まずPEARSを学ぶといいかもしれません。

チャイルドライフェス横浜の講習では、なんと見学受講もできます!見学すると冷静に客観視できるので、より深められるかもしれません。興味がある方は、ぜひHP等をご確認の上チャレンジしてみてください!

※2017年10月現在、主催団体によってシミュレーションを含む場合と含まない場合があります。


 

取材協力チャイルド・ライフェス横浜

心肺蘇生法応急手当講習会を開催している市民ボランティア団体。

市民向けに子どもの虐待予防や応急手当に関する講習会も主催している。

 

【取材・マンガ】明(みん)

看護師・漫画家。沖縄県出身。大学卒業後、看護師の仕事の傍らマンガを描き始める。異世界の医療をファンタジックに描いたマンガ『LICHT-リヒト』1~3巻(小学館クリエイティブ)が好評発売中。趣味は合気道。

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