最終更新日 2019/06/11

心肺蘇生法

心肺蘇生法とは・・・

心肺蘇生法(しんぱいそせいほう、CardioPulmonary Resuscitation;CPR)とは、呼吸心臓が停止している患者に対して行う蘇生法のことである。呼吸心臓も止まってしまうと、酸素を送ることができずに脳死してしまう危険性があるため、酸素供給を維持する目的で行われる。

心肺蘇生法は、特に救急車を呼んでから救急隊が到着するまでの間に行われることが多い。心肺蘇生を行うか行わないかによって、その後に助かる確率が大きく変わる。呼吸停止や心停止に陥るとわずか数分で不可逆的な状態に陥るため、周辺にいる人(バイスタンダー)が救急隊の到着前に早急に心肺蘇生を行うことが大切である。

なお、心肺蘇生法は、特殊な器具や医薬品を用いずに周辺にいる人が行う一次救命処置(BLS〈Basic Life Support〉)と、医師や医師の指示のもとに十分に訓練を受けた救急救命士や看護師が実施する医療機器を用いて行う二次救命処置(ALS〈Advanced Life Support〉)に大別される。

■心肺蘇生法の手順

(1)周辺状況の確認
二次災害を防ぐため、周囲の安全を確認する。

(2)意識の確認
肩をたたきながら、患者の耳元で「大丈夫ですか?」などとをかけ、意識の有無を確認する。

(3)119番通報と、AEDの手配
反応がなかったら、周辺の人に大声で助けを求め、119番通報とAEDの手配を依頼する

(4)呼吸の確認
患者の胸部・腹部の動きを10秒以内で観察する。

(5)胸骨圧迫
胸の中心部分に両手を重ね、手の付け根の部分に力を入れて胸が5cm程度沈むように圧迫する。圧迫回数は、1分間に100~120回程度の速さで行う。

(6)気道確保・人工呼吸
気道を確保したのち、人工呼吸を2回行う。
人工呼吸は、約1秒かけて、胸が上がるだけの量を2回吹き込む。

(7)AEDの到着まで、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を繰り返す

(8)AEDによる心肺蘇生を行う


心肺蘇生法の方法・手順については、日本では2010年に日本蘇生協議会(JRC)が国際ガイドラインに基づいたガイドラインを制定し、5年ごとに更新している。

SNSシェア

用語辞典トップへ